1-08持株会社は類似業種比準方式が使えない

書籍 同族会社のための「事業承継」

今年の税金改正では、「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度が創設されました。この制度を選べば、事業承継の相続税の負担が猶予される可能性も出てきました。セミナーの人気講師でもある西村昌彦税理士が、今回事業承継を検討する経営者の立場で法活用を伝授する一冊。会社法や税法の解説から綴られた「法解釈本」とは一線を画す、実用的ノウハウ本です。

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1-08持株会社は類似業種比準方式が使えない

さて、純資産価額方式と類似業種比準方式という2つの評価方法について、もう少しお話を
させていただきたいと思います。
 先はどもご説明したように、純資産価額方式というのは財産中心の評価方法ですから、株価
は、短期間でそれほどは変わらないですよね。毎年々々、大幅に変動すると‘いうことはないと
思います。
 もし、純資産価額方式の株価が大きく変動するとすれば、それは大変なことです。
 大きな不動産を買ったり、大型の設備投資をしたりと、まさに経営の根幹にかかわる一大事
業という話になってきます。
 ですから、純資産価額方式の方の株価が大きく変動するということは、あまりないと思うの
です。
 むしろ、着実に、少しずつ株価が上がっていく、というイメージになるのではないかと思い
ます。
 ところが、類似業種比準方式というのは業績による影響を大きく受けますから、年によって
大きく増えたり、あるいは減ったりという話になってきます。
 これは自然体でいった場合の話ではありますが、皆様方の会社の数字次第では、異常な株価
が出る可能性もあります。
 このことは、一方で、類似業種比準方式については、人為的に、株価操作がしやすいという
ことも意味しています。
 このように、類似業種比準方式の方は比較的変動しやすく、場合によっては株価が大きく変
動する。
 このため、場合によっては適正な株価が算定されない、そういうような評価方法になってい
るわけです。
 それで、この評価方式になじまない一定基準の会社については、類似業種比準方式は使えな
いという決まりが設けられています。
 もっとも、このようになった発端というのは、過去において、様々な株価引下げ策や節税策
が横行し、それに対する規制策が設けられ、こうしたイタチごっこの結果ではありますが。
 たとえば、休眠中の会社については、類似業種比準方式は使えません。
 これについては、当然ですよね。休眼中の会社というのは、利益はないでしょうし、配当も
していないでしょうから、2つの要素が全く使いものにならないわけです。
 したがって、そういう会社については、類似業種比準方式は使えないということです。
 今の場合は、特殊な会社の話でしたが、比準要素の2つがゼロの会社、たとえば、無配で赤
字のような会社は、その状況によっては、類似業種比準方式の採用が大幅に制限される可能性
があります。
 さらに、運悪く、債務超過にもなってしまいましたという場合には、もはや類似業種比準方
式は全く使えない状態になってしまう可能性もあります。
 それから、もう一つは、いわゆる財産保有会社や持株会社、つまり、財産を所有することだ
けを目的とする会社とか、株式を持つことだけが目的とされるような会社ですね。
 そういう会社についても、原則として類似業種比準方式は使えない。そういう会社は財産を
持つこと自体が目的ですから、当然、類似業種との業績比較なんて関係ないでしょう。所有財
産の評価が中心である純資産価額方式が、一番合っているのではないかということで、そうい
う会社については、類似業種比準方式が使えません。
 総資産のうちに、一定の割合以上土地を保有している会社、あるいは一定の割合以上株式を
保有している会社については、そういう規制がかけられます。
 土地保有特定会社とか、株式保有特定会社に対する規制です。
 この辺のところについては、皆様方、よくご存じだと思いますので、これくらいにさせてい
ただきます。
 いずれにしろ、必ず毎年、株式を評価していただいて、株価が下がったタイミングを、決し
て見逃さないということが大切です。
 くり返しになりますが、その辺が、重要なポイントです。
 そのためには、やはり、毎年株価を算定していないと、どの時点で株価が下がったのか、わ
からないですね。
 株式を評価するための計算式には、いろいろな条件がついていて、たいへん複雑ですから、
どういうタイミングで株価が下がるのか、意外と見当がつかないものなのです。
 これは、私たち専門家でも、意外とわからないものです。
 実際に株価を計算してみると、「え、あの時点ではこんなに下がっていたのに、今では、こ
んなに高くなってしまった。」といったことがよくあります。
 算定結果を見て初めて、はっと気がつくことが非常に多い。ですから、やはり、定期的に株
価を出してみるということが、非常に大事だと思います。
 必ず、毎年、株価を算定するという習慣をつけていただければよろしいかと思います。

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