会社の印鑑

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企業の社会貢献を定義、つけるのは困難ではないが、社会貢献を支える理念、つまりなぜそれを行うか、それはどういう根拠に基づくかについて明快な答えを見出すのは容易なことではない。それは一つには、企業の社会貢献は自主性に基づくものであり、社会規範として行うことが義務づけられる内容のものとは性格を異にしている、というごく当り前の本質に根ざしているからである。
そこで、企業の社会的責任と社会貢献の関係を予め見ておこう。
社会的責任とは、企業が法律上・社会的コンセンサス(明示的であれ暗黙のものであれ)に照らして行うべき行為のことである。企業は株主、消費者、従業員、地域住民等に対して法律で規定された事項を遵守する義務があることはもちろん、社内規定、社会に向けて発表された企業理念や倫理規定を守る義務がある。優先順位か=りすれば第一番目に履行すべきことはみずから定めた企業倫理であり、次が法令遵守、さらに社会に迷惑をかけないこと、そして従業員に雇用と職場環境を提供することであろう。これに対して社会貢献は企業が自主的な判断に基づいてみずからの能力と資源に応じて社会的課題の解決に貢献することである。仮に責任を問われるにしても、それは道義上、倫理上のことである。
単純な言い方をすれば社会的責任は「55円」の行為であるが、社会貢献はそうではない(さらに詳しくは第二章で論じることとしたい)。あくまでも企業の自主的な判断・意思決定に基づく。企業というのは人的資源と物質的な資源を効率的に活用して富を生産し収益をあげるシステムである。とするならば、営利追求を目的とする企業がなぜ非営利活動に資源を費やすのか。

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