Q5 不動産売買契約
よく言われますが、「仮契約」とは何ですか?
仮の契約はありません。
 実際の契約となると、契約時と残金時(引渡し時)と2回に分けることが多いため、契約時を「仮契約」と思われる方が多いようです。

【解説】
 契約は、売主買主当事者の意思表示が合致することによって成立します(諾成契約)。契約書の作成は、契約の成立にとって必要ではありません。
契約書は、当事者が契約内容に誤りがないことを認めて署記名押印し、後のトラブルの防止を目的としています。
 その他契約書に解除の条項として、盛り込まれる主なものを以下に記載します。
(1)手付解除
 契約成立後、相手方が契約の履行に着手するまでは、契約を自由に解除することができます。契約時に買主は売主に手付金を交付しますが、この解除を利用する場合、売主は受領済みの手付金を返還し、更に同額を買主に支払い(手付倍返し)、買主は売主に交付した手付金を放棄して、それぞれ契約を解除することができます。なお、当事者の一方が解約したことによって相手方に損害が発生しても、特約がない限り、手付金とは別に損害賠償を請求することは出来ません。この期間は契約から1 ヶ月位を目処に確保します。
(2)融資利用特約(ローン条項)
 買主の購入資金のなかで、売買代金の一部に金融機関等の融資を利用する場合、融資の一部または全部について否認されると、買主は売主に売買代金を支払えません。当初より融資を受ける前提であれば、あらかじめ融資が否認された場合の措置を契約書の条文に盛り込みます。具体的には、契約日から最長1ヶ月の期間を設定し、この期間内に予定金額の融資が受けられなかった場合には、契約が白紙解約になります。
(3)違約解除
 契約の相手方が、その債務の履行をしない場合に、不履行の原因が相手方の責めにある場合、債務不履行の責任を問うことができます。
実際の契約書の条文では、「売主、買主は、その相手方が売買契約にかかる債務の履行をおこたったとき、その相手方に対し、書面により債務の履行を催告したうえで、売買契約を解除して違約金の支払いを請求することができます。」とあります。この違約金の額については、手付金の額、売買代金の10 % 〜20 %と契約前に取り決めをしておきます。また、解除によって実際に生じた損害額が違約金を上回ったり、下回ったりした場合でも、相手方にその増減を請求できない、と記載されます。
(4)危険負担
 不動産のような特定物についての危険負担は、「売買契約では、物の引渡しを求める債権を有する買主の負担」(危険負担の債権者主義)とされています。たとえば、売買契約締結後、隣の建物が類焼し、そのもらい火で建物が焼失してしまった場合、引渡し時期が先で買主は建物の引渡しを受けていないときでも、その損失をすべて負担し、代金金額を売主に支払う義務を負います。売主は建物が焼失した以上引渡しの義務をまぬがれ、他の同じような建物を代わりに引き渡すことも、
損害賠償を支払うことも必要とされません。しかし、実際の不動産取引では、売主が危険を負担するように変えるための特約(債務者主義の特約)が用いられています。契約書では、「買主が契約締結の目的を達することが出来ない場合は、契約を解除することができる。」とすることが多いです。
(5)瑕疵担保責任
 売買不動産について、買主はもちろん売主も知らない重大な欠陥が引渡しの後判明した場合も、危険負担同様「買主が契約締結の目的を達することが出来ない場合は、契約を解除することができる。」と記載されます。詳しくは、Q8をご覧ください。

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