32「合併」のスタイルは劇的に変わる

書籍 同族会社のための「新会社法」活用術(セミナー録・2006年4月発刊)

どこがどう変わり、何をどう活かせるのか?
「ポイントがまとまっていてわかりやすい」と評判の西村昌彦税理士が、会社法について行ったセミナーの口語録。
これまでの旧法を参照しながら、現状を振り返らせ、改めて会社法を確認するのにピッタリな一冊。急速な変化に対応するためにはぜひ!

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32「合併」のスタイルは劇的に変わる

最後にもう一つ、どうしても組織再編の関係のお話をしておきたいと思います。 巻末資料のpoint47~48(63ページ~)というところです。「組織再編」といいますと、 合併とか、会社分割とか、株式交換とか、いろいろと複雑な手法がありますけれども、一番わかりやすい合併のケースで お話をしたいと思います。たとえばA社とB社があります。それぞれ株主がいるわけですが、B社にはP社という親会社 があって、B社はP社の100%子会社です.このたび、A社はB社に吸収合併 されることになりました。
 普通の合併ですと、合併と同時に、B社は、A社の株主に、B社の株式を発行しなければならないということで、B社は、旧A社の株主に対してB株式を発行します。すると、 この合併後、B社はP社の100%子会社ではなくなってしまいます。なぜなら、合併により、旧A社の株主が、新たにB社の株主となるからです。現行の合併では、こういった 問題が起きます。  ところが、新会社法におきましては、違ってきます。先ほど、B社がA社を合併するにあたって、A社の株主に対してB社の株式を交付すると言いましたが、この交付されるB 社の株式のことを合併の対価と呼びます。新会社法におきましては、この「合併の対価」が柔軟化されます。どちらかと言うと、「合併の対価」の種類が自由化されると言うほう が適切かも知れません。
 たとえば、合併の対価として現金で払うこともできます。もし、B社かお金をいっぱい持っているとしたら、B社の株式を交付するのではなくて、現金で清算してしまうことも できます。そうすると、合併しても、A社の株主は、B社の株主にはならないでしょう。P社との100%の親子関係はキープできますよね。A社の株主とはおさらぱですよと、 よその株主とは縁か切れてしまうわけですね。まさに手切れ金を支払う、こういう方法がとれるわけです。これは、既にアメリカでやられている手法で、キャッシュアウト・マー ジャーと呼ぱれています。新会社法では、こういうこともできるようになります。
 それから、もう一つ方法として、たとえば、B社が外国の会社の100%子会社である 場合です。つまり、P社は外国の会社で、B社はP社の日本法人ですね。そのB社かA社を吸収合併した場合です。ふ?っに合併しますと、P社との100%の親子関係か崩れて しまいます。ではどうするかというと、あらかじめB社はP社の株式を持っておくわけです。P社は外国の会社だから現行の商法では問題はないのですけれども、これが日本の会 社だったら、子会社は親会社の株式を持てないですよね。けれども、新会社法では、合併対価として親会社の株式を持つことは、例外的に認められます。そして、B社は合併の対 価として、あらかじめ取得しておいたP社の株式を交付する。そうすると、旧A社の株主は、B社の株主ではなくて、P社の株主になるというわけです。これだと、P社とB社と の100%の親子関係は崩れないですよね。100%の関係はキープされます。
 確かに、P社には、新しく旧A社の株主が入って来てしまいますけれども、B社との1 00%の関係はキープしたままで、A社を吸収することができる。こういうことも可能になります。このような合併のことを三角合併と呼びます。  ところで、竺″ポン放送事件〃などがあったために、外国の会社がこういった方法で 日本の会社をどんどん買収するのではないかと懸念されてまして、今お話しした二つの方法などについては、1年遅れの施行ということになります。本来ならば、06年の5月から 施行でしょうけれども、この制度については、07年の5月からの施行、その間に敵対的買収防術策を講じておいてくださいよ、ということです。
 しかし、もともと合併というのは両者の株主が合意して行うわけでしょう。その決議の 要件につきましても、通常よりも厳しくなっています。敵対的買収なんかできっこないですよね。私としましては、施行日を遅らせた趣旨が、いま一つよくわかりません。  それから最後にもう一つ、先ほどのpoint37(資料編38ページ)で、現物配当とありましたね。組織再編で、あれを活用することもできるのです。
 たとえば、ここに親会社P社がありまして、100%子会社としてS社があります。つ まり、このP社というのは、S社の株式を100%持っているわけですね。そこで、このS社の株式を全部、株主に現物配当してしまうとどうなるでしょうか。現物配当後は、P 社とS社は兄弟会社になってしまいます。今までは親子関係だったけれども、このような現物配当をすることによって、兄弟関係になる。こういう手法で組織再編ができるという ことです。これは、アメリカでは「スピン・オフ」などと呼ばれ、よく使われている手法だそうです。今後は、こういうことも可能になる。
 このように、今後は、いろいろとダイナミックなことができるようになります。同族会 社は同族会社なりに、上場会社は上場会社なりに、それぞれの目的に応じて、いろいろダイナミックなことをすることが可能になる、ということですね。新会社法の新しい制度を、 大いに活用していただきたいと思います。

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