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社内旅行を経費処理するにはどうしたらいいのか? | 「税金経営」の時代

国内は 4泊5日、海外は現地 4泊5日までが福利厚生費として経理処理できます。この日数を超えると全体が福利厚生の範囲を超えたものとして課税の対象になるので注意が必要です。

最近は社員旅行を実施する会社もずいぶん減っているようですが、一部では社員の連帯を強くする目的で社員旅行を復活する動きもあるようです。
社員旅行は会社の福利厚生の一環で行われることになりますので、それにかかる費用を会社は福利厚生費で処理することになりますが、税務上、福利厚生費として処理できる要件を決めています。要件に該当しなければ、社員に対する賞与として税金がかかることになります。
具体的には次の要件となります。
1.4泊5日以内の旅行(海外旅行であれば現地4泊5日以内)。
2.全社員の半数以上が旅行に参加する。
3.常識的な範囲の金額であること。
日数としては4泊5日以内の旅行となりますが、国内旅行の場合さほど問題になることはないかと思います。海外旅行で欧米などに行くケースですと、日数が不足気味かもしれませんが、この日数の範囲内で旅行を企画する必要があります。現地5泊になる場合、4泊までは経費として認められ、超えた1泊分だけが認められないというわけではなく、全体が福利厚生の範囲を超えたものとして課税されます。
全社員の半数以上が旅行に参加する必要があるのですが、営業所単位や工場単位で旅行を行う場合は、対象になる人数の半数以上の参加で結構です。旅行を企画してもなかなか社員が参加しない傾向があるようですが、税務上、半数以上の参加が要件です。会社によっては、旅行に参加しない場合は、一定の金銭を支給していることがあるようですが、その場合、たとえ社員の半数が参加したとしても福利厚生とは、認められないことになります。また、社員全員を対象とはせず、社員の一部だけで旅行をしたり役員だけを対象とした場合も、福利厚生とは認められず、給与として課税されることになります。

社員の福利厚生として多いのは1人万円程度まで

最後に金額についてですが、税務上、特に金額について明確にしているわけではありません。しかし、社員の福利厚生を目的とした旅行で社員に対して課税しないということから、通常よく行われている社員旅行にかかる程度の金額が想定されます。
社員の半数以上参加で4泊51日以内であったとしても、航空機はファーストクラス、泊まりは つ星ホテル、しめてお 人様50万円では、課税される恐れがあります。
よくいわれるのは1人 万円程度で企画していれば問題にはなりません。
ときどき家族参加の社員旅行を実施する会社もあるようです。配偶者だけとか 人までとかの条件をつけて参加してもらうことが多いようですが、残念ながら社員以外に参加の方の費用については、参加する方が金銭で負担するか、負担しない場合は社員の賞与として課税されることになります。
また、取引先等の方をご招待することもあるようですが、その費用については交際費として処理することになります。
そうはいっても折角の社員旅行ですから、税務の取り扱いにしばられず思うままの旅行を企画する会社もあるかもしれません。
まるまる1週間ヨーロッパであれば、社員の参加も半数どころかアッという間に満員御礼でしょう。この場合、税務の要件は満たしていませんので、社員の賞与として課税されることになります。
ただし、負担する会社にとっては賞与として経費処理(役員分だけは経費にはなりませんが)できますので、追加負担は社員の賞与の課税のみです。社員に税金だけ負担してもらって、記念すべき旅行を企画するのもいいかもしれません。