IRとはインベスター・リレーションズの略語で、企業が株主や投資家に向けて自社の経営状況や投資の判断に必要な情報を提供していく活動を指します。「投資家向け広報」とも訳されています。
IRという言葉は、1953年にアメリカのGEが担当部署を設立したのが始まりだと言われていますが、一般的に広まったのは1990年代です。日本では1990年代後半以降に多くの企業の間で急速に盛んになりました。
IRが広まっていった背景としては、企業金融が銀行などを仲介して資金を調達する間接金融から債権や株の取引などの直接金融へと移行し始めたこと、それに伴って多くの企業間で株式の持ち合い構造が解消されつつあることが挙げられます。その中で企業経営において株価の占める比重が大きくなってきており、機関投資家などに向けて投資のために必要な情報を迅速かつ的確に届ける必要性が高まってきているためです。
IR活動をどのように行うかということについて法的な決まりというものはなく、企業側の自由となっています。そのため、このIR活動を上手に行うことによって株主との関係を良好に保ったり、企業のイメージアップを図ったりすることができます。実際に市場ではIRの優良な企業は株価も高いとされています。このIRの具体的な活動としては、ホームページ上などでの情報開示を行うことのほか、説明会や工場などの施設の見学会を行うこと、年次報告書や投資家向け広報誌を定期的に刊行することなどが挙げられます。

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