今回は「卵」に命を懸けた和食料理人の物語だよ。
たまご・・・!?
なんか「プロフェッショナル仕事の流儀」のテーマ曲が流れてきそうね。
それでは、インタビューに協力してくれたTetsuさん、簡単に自己紹介をお願いします。
Tetsuです。
もともとは家具店で働いてしたが、今は和食店の経営をしています。
私が和食店の経営を始めた理由は、子供の頃母に作ってもらった卵焼きが大好きで、自分もおいしい卵料理のお店を開きたいと思っていたからです。
家具店で勤務していましたが、厨房でバイトもし、調理師免許を取ったので本格的に開業を考えました。
目次
和食の店を経営している32歳です。子どもの頃から卵が大好きで、特に母親の焼いた卵焼きが大好物でした。卵かけ御飯に卵を使った丼と、美味しい卵料理には目がありません。そんな自分が目標にしたのはもちろん卵料理をメインにした店です。
調理師の専門学校には行きませんでしたが、その代わり3年ほど知人の店の厨房でバイトをさせてもらいました。実務経験を積んでどうにか調理師免許を取り、準備に取り掛かったのは29歳の時です。
もともとはインテリアが好きで、高校から専門学校までインテリア系のところに進んでいたために、卒業後は家具店で働いた経験があります。家具を自作することもできるため、空き家で放置されていた父の実家に手を加えることで、店舗の準備はどうにか始めることができました。店舗名やロゴマークはデザイン事務所にいる友人に作ってもらい、順調な滑り出しが期待できました。
最近は店舗用に自分で民家をリノベする人が増えてきているわよね。
家具も作れるなんて最高!
ところが、思わぬ壁にぶつかります。メイン料理に使う卵にこだわり過ぎたせいで、仕入れ先が見つかりません。普段からいろいろな卵を食べ比べていて「これは美味しい」というものはありましたが、いざ問い合わせしてみると、どこも業務用としての仕入れには対応していないという回答です。それ以前に自分が求めるような卵を毎日用意するのは無理だと言われます。自分が理想としていたのは、完全な放し飼いによる状態で産卵した卵です。それを1日に160個なら難しい数ではないと考えていました。
はじめはネットで見つけると気軽に問い合わせていました。仕入れ専門のサイトなども見てみましたが、求めるものがないとか、あっても既に取引が決まっていて難色を示されてしまいます。もう断られる数がはんぱではありません。店舗の準備はどんどん進んでいくのに、店の売りであるメインの食材が見つからないという最悪の事態に陥ってしまいました。
はじめは自宅にいながら気軽に電話で済まそうとしていた自分の甘さに気づきました。そこで、どんな遠方でも足を運ぶことにしたんです。とにかく放し飼いをやっているという噂を聞けば片っ端から訪ねました。後半はもう、なりふり構わなくなっていましたね。
実際に配送の問題はどうするかということも頭から消えていました。人間は本気で取り組めば運みたいなものが味方してくれるのかもしれません。やっと自分の希望に協力してくれるところを見つけることができました。
実際の輸送方法を相談し、最初の1便が届いた時には本当に感動しました。
原材料にこだわって他と差別化を図るお店は、やっぱり口コミで広がっていく。
めんどくさがらずに自分で足を運ぶことは重要だね。
最初は大変でしたが、今ではお客さんに満足してもらえて「やっぱりあの時頑張ってよかった」と思えるようになりました。