今回は脱サラした後、農家へルートチェンジを果たした男性の物語だよ。
かっけー!!
畑耕す男とか、全男子の憧れじゃないっすかーー!!
最近は都心から出てきて借地で耕す人が増えてきたみたいね。
それでは、インタビューに協力してくれたAtsushiさん、簡単に自己紹介をお願いします。
Atsushiです。
もともとは完全デスクワーク中心のサラリーマンでしたが、いまでは農家をやっています。
まだ見習いですがね(笑)
私が農家を目指したきっかけは都会の気温もわからない部屋の中で毎日じっとこもっているのに嫌気がさしたからです。
もともとアウトドアなほうだったのですが、就職してからはめっきり外に出れる時間が少なくなっちゃって・・・太陽光のもとで働ける仕事に憧れたんだと思います。
目次
デスクワークが中心のサラリーマンだった私にとって、脱サラして農家に転身することは大きな冒険でした。通勤にも便利な駅に近い賃貸マンションに暮らしていました。そんな会社との往復に日々追われていると、ふと太陽の下で汗を流して働く農業はとても健康的なライフスタイルに見えたのです。
都心部を少し離れると農地を貸してくれる人が簡単に見つかりました。同僚の1人に脱サラして農業をはじめてみたいと軽い気持ちで相談してみると、地元の知り合いに持ちかけてくれて借地の話しがトントン拍子に進んだのです。サラリーマンの経験しかない私には、十分な広さの畑と青い空を前にして、本当に農家として歩きだしたのかと1人で感動しました。
もちろん農家としては始まったばかりで、これから学ぶことや経験しておかなければいけないことがたくさんあることにも気づかされました。実際に土地を貸してくれることになった農家歴うん10年の大ベテランは、親子ほど年の離れたいわば人生の師匠と言うべき人で、彼に巡り会えたことが素人同然だった私には大きな収穫でした。
かっけーっ!(泣)
おれも人生の師匠、がちで欲しいっす!
トラクターではじめて耕した畑は、波のようにうねり、そこでレースでも行うつもりなのかと師匠に笑われました。何を作るのかも決められず、以前の話では田んぼで稲作をすることも考えたのですが、全く経験のない私には畑の方がやりやすいと教えられ、野菜の栽培をするとだけ決めました。家庭栽培の経験も乏しい私が自分ではじめて栽培するのですから、何の種類を選んでいいのか簡単には決めることが出来ません。
野菜は星の数ほど種類があるものね・・・
そんな私をみかねたのか、師匠の勧めで近くの直売所を訪れました。戸惑いながらも一緒に店内を見て回りながら、真っ赤に熟したハウスもののトマトを手に取り、そこにつけられた値札を確かめました。サラリーマンの頃は、お金を出せば買えると思っていた野菜ですが、どこかいびつで不揃いなのが、逆に天然の恵みだと感心していました。この辺りは、エシャレットにチンゲンサイ、他にもセリやみずなも地元産の野菜です。しばらく悩みながら店内を見て回っていると、師匠から地元で盛んに作られているさつまいもを選んでみてはどうかと提案がありました。
さつまいもは、5月から6月に苗を植えて、9月から10月まで収穫が可能です。なにより初心者でも簡単な上に、冬場になれば干し芋や焼き芋として需要が見込めるからです。
さすが師匠!
おれもサツマイモ大好きっす!
せっかく作るのだからと、苗も3種類を選び白の軽トラで自分の畑へと戻りました。師匠に教えられ、まずは畝づくりから始めます。もうこの時期なら心配は不要です。翌朝を迎え、師匠から聞いた手順で苗を斜めに植え付けます。三本の畝に並んだ3種類の苗は、昼近くまで掛かりました。少し時期が遅かったこともあり、保温性に効果があるマルチシートは必要ないと教えられましたが、来年また作る時には植えつけ計画を立てたいと思います。
実はもう1つ、師匠には内緒で初心者にも育てやすいのでエシャレットの球根も買い足しました。こちらはもう少し時期を置いてから夏に球根で植え、春先に収穫するつもりです。まだまだ分からないことが多く、師匠を頼ってばかりですが、土に触れて働くことは健康的で清々しい気落ちになります。
他にも落花生やかぼちゃにも興味がありましたが、これらは来年に持ち越しです。稲穂が頭を垂れる頃、さつまいもの収穫ができれば、真っ先に師匠の家に届けるつもりでいます。苦労もありますが、収穫の喜びを早く経験したいと思うこの頃です。
野菜は人の愛情に応えるというからね。
初めは大変でも一つ一つ丹精をこめて育てれば、きっとおいしく育ってくれる。
体のリズムもよくなり、昔よりはるかに健康的になりました!