今回は海外の市場にチャレンジした工芸職人さんのお話だ!
工芸職人!
クールジャパンってやつですか!?
今、日本の伝統工芸はリデザインされて、海外でも人気よね!
それでは、インタビューに協力してくれたTetshuさん、簡単に自己紹介をお願いします。
Tetshuです。
20年ほど職人の道一本でやっています。今はただ作るだけではなく、海外市場に向けた経営戦略にも力を入れています。
私が工芸職人の道に入ったのはかれこれ20年ほど前ですが、最近は周りの職人たちが新しい形の工芸品を生産し、海外戦略にも力を入れていることを知り、私も海外に目を向けることにしました。
目次
日本は世界的に見るとかなり優秀な職人がたくさんいる国だと思われています。
私は手作業で器などを作る工芸職人ですが、手先が器用で細かい作業ができるため、海外の展示会などではよく「Amaging!」などとお褒めの言葉をいただきます。しかし、現地の展示会で感じるのは、質が高い製品を持っていくだけでは物は売れないということです。
私がよく行く展示会はヨーロッパにあるので、ヨーロッパ各地のバイヤーが集まってきます。
交わされる言葉は英語か現地の言葉ですが、私が日本から来たと知ると会話はほとんどの場合英語となります。英語の知識はありますが、交渉段階に入るとわからない単語や言い回しがだんだんと多くなっていき、しどろもどろになることが多くなりました。そうなってしまうとバイヤーは離れていってしまいます。何度もそういう経験をしました。おそらく相手はビジネスパートナーとして私に信頼を置くことができなかったのでしょう。
私は自分で交渉したのではダメだと悟りました。そこで、日本語を話せる現地の人に展示会での営業をお願いしましました。
ガッツだけじゃ伝わらないんですね・・・
一通り製品についての知識を覚えさせ、バイヤーによる質問でわからないことがあったらすぐに私のところへ来て、私の通訳になるように指示しました。
なぜ英語圏の人ではなく現地人を雇ったかというと、ヨーロッパ各国からバイヤーが来るといっても、現地のバイヤー及び現地の言語を扱えるバイヤーが7〜8割程度を占めることを何回も展示会に参加した経験で発見したからです。現地人で営業の経験があれば、ある程度その国の人が魅力的に感じるセールスを行うこともできます。
この考え方は当たっていたようで、たったひとり分の人件費を払うだけで、売り上げは伸びて行きました。努力が報われたと感じました。
その国の人たちが何を求めているのか知るには、現地のスタッフを雇うほうがよっぽど手っ取り早いものね。
できるだけコストをかけずに魅力的な売り方をする方法を模索することは、とても大切です。日本企業の多くは、自社製品には自信があると思います。
あとは売り方を工夫すれば、世界でも確実に戦っていけます。世界では残念ながら良い物だけが売れるのではなく、良くない物でもよく見せることで売れることが多々あります。「いつか誰かが我が社の製品の良さに気づく」などとただ待っているだけでは、取り残されてしまうことは確実です。
良い物を作っているという自覚があるなら、良く見せることにも抵抗はないはずです。消費者は商品だけではなく価値観も重要視しているので、ぜひ売り方や見せ方を工夫していってください。
今回の記事は、職人のみならず、色んなメーカー、クリエイターの役に立つんじゃないかな
コストをそんなかけなくても、工夫はいくらでもできるんです。
是非試してみてください。