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確定申告の時期になると税理士が相談を受ける代表的な50例にQ&A方式でズバリお応えする一冊です。 |
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足の機能障害を回復させるために、1ヵ月ほどリハビ
リテーションができる病院に入院しました。後日、病院
からシーツと枕カバーのクリーニング代金を請求されま
した。こちらが「シーツを替えてください」と希望した
ものでなく、病院の都合で行なったものです。そう考え
れば、医療費控除の対象になるように思われますが、こ
の解釈でいいですか。
クリーニングはその内容によって、取り扱いが変わってきます。医療費控除の対象になるものは病院が用意したシーツや枕カバーなどをクリーングした場合です。
病院が用意したもののクリーニング代は、入院の対価として認められますが、同じクリーニングでもご自身が着用したパジャマなどは入院の対価とはならないため、医療費控除の対象にはなりません。
一般的に入院中にかかった費用は全部医療費になるものと考えがちですが、医療費控除の対象となるのは、治療費、部屋代、食事代などの入院費、そのほか治療上の必要から医師の指示によって購入する松葉杖などの器具です。
入院に際して、下着やパジャマその他の身の回り品を購入することがありますが、この対価は治療とは直接関係する費用ではないので、その購入代金は医療費控除とはなりません。
そのほか、入院中には病室に備え付けのテレビの賃借料を支払うことがあります。このテレビの賃借料は入院しているからこそかかる費用ですが、単に入院生活を快適に過ごすためのもので治療とはかかわりのないものです。
そのためこのような費用は、医療費控除の対象にはなりません。また、入院が長期におよぶ場合には病院内の理髪店などで散髪をすることがあるかもしれません。
この場合の散髪代もテレビの賃借料が対象にならないのと同様に、入院生活を快適に過ごすためのものと考えられることから、医療費控除の対象にはなりません。