今回は相棒とともに会社を設立したものの、最後は借金とともに友情まで失ってしまった方のお話だ・・・
お、男の友情は永遠に不滅です!!(逆上)
仕事の場合は別よ。
お金が関わってくる以上、綺麗事は言えなくなってくる。
それでは、インタビューに協力してくれたKeiさん、簡単に自己紹介をお願いします。
Keiです。8年前に大学時代の友人と会社を設立しましたが、3年で倒産。
挙句の果てには友人とも絶縁関係になりました。
「よっしゃ!会社設立だ!」「俺たちで一緒に天下目指そうぜ!!」
「お金はないけど、今は合同会社なら安く設立できる!」
「いい時代になったよな、俺たちに風が吹いているぜ!!」
なんて、勢いで合同会社を設立しようとしていませんか?
筆者もここまで勢いはないですが、友人と二人で設立しました。合同会社を。
それで、どうなったのか。
結論からいいますと、友人とは絶縁状態です。会社は倒産しました。多額のお金を失いました。
悲惨極まりない、末路です・・・。
なぜそうなったのか、その原因と理由についてお話していきましょう。
目次
合同会社は6万円で設立可能できます。登録免許税6万円だけでOK。
一方、株式会社は、登録免許税15万円と定款の手続き5万円。20万円が吹っ飛びます。
合同会社のほうが14万円も安く設立できるがゆえに、ビジネスに燃える貧しき(?)若者ほど合同会社をつくるわけです。
(実は登記に必要な書類も少ないのも魅力。びっくりするほど簡単に設立できます)
そんな合同会社ですが、最大のメリットは他にあります。
実は合同会社は利益の配分を、社員間で自由に決めることができるんです。出資比率に関係なく、です。
株式会社では、利益の分配の割合は出資割合に応じて行うこととされており、自由に定めることができません。つまり、持ち株数が多い株主ほど大きな発言権をもち、利益の配分も持ち株数に比例することになります。
これに対し、合同会社では、利益の分配は原則として、出資割合によることとされていますが、定款に記載することで出資額にかかわらず利益分配の割合を自由に定めることができます。
引用:「行政法人モヨリック」より
早い話が、資本金の金額を1円入れた人と1億円入れた人が同じ利益をもらえる、というわけ。
普通なら、1億円入れた人がたくさんもらうべきではないですか?
資本金は会社運営に使うお金ですから、もしかすると全てなくなるかもしれません。
つまりはハイリスクなわけです。これだけのリスクを負うわけですから、たくさんのお金をもらいたいところ。
しかし残念ながら、1円しか入れてない人ともらえるお金は同じにできたりするわけです。1円しか入れてない人はノーリスクハイリターン、というわけ。
そのため、出資額が少ない人でも多くのリターンをもらえる、というのは合同会社の最大のメリットとなりえるのです。
ただし…!裏を返せば、のちのち対立が起きやすい制度でもあります。。
実際、筆者はこれが原因で痛い目をみました。
すみません!僕もおそらく1円しか入れないと思います!!(正直)
筆者は会社員時代に温めをしておいたビジネスプランがありました。
いつか起業して、そのビジネスプランを世間に出してやろうと目論んでいたんです。
しかし1人でやるのは、何かと心細いもの。
よく考えれば、1人でやることもできたのですが「ちょっと寂しいから」「情熱をわけあえる相棒が欲しかったから」と言う理由が邪魔をしてしまいました。
なんと無職だった友人を誘ってしまったんですね…。そして2人で合同会社を設立しました。
無職の友人は全くお金を持っていなかったため、資本金については99%以上、筆者が出資。残りの1%未満を友人が出しました。
しかし、、こちらの方が無理矢理友人に一緒に起業しようとお願いしたものですから、利益については半々にしちゃったんですね。
このあとどうなるかは、もう想像つくでしょう?
泥沼の戦いの始まりね!
その後、会社の売り上げは順調と言いたいところでしたが、なかなかうまくいかず。
僕が筆者が入れた資本金は、どんどん減っていきました。
もう少しで資本金がなくなると言うところで、ついに売り上げが!!
しかし、その売り上げを資本金を全く使っていない友人に渡してしまうのが嫌になってしまったのです。。
(ここから、ちょっと愚痴っぽくなります)
そもそも、思った以上に友人は無能!売り上げを貢献上げるために何も貢献しないのに、金勘定だけにはうるさく、資本金を湯水のように使ったり、売り上げを自分に渡せと言う事だけはうるさい。友人がなぜ無職なのかというのが骨身にしみてわかりました…!
(駄文、失礼しました。。)
このように、仲の良かった友人に対してネガティブな感情が湧きまくったわけです。
実際に友人との関係は、完全に崩壊。
殴り合いの喧嘩などに発展し、お互いに「コイツとは一緒にできない」という気持ちの落とし所が、”会社は畳むこと”になりました。
社員が2人以上いる場合には、定款で別段の定めをしない限り、合同会社(LLC)の業務についての意思決定は業務執行社員の過半数で決定します。
引用「行政書士齋藤史洋事務所」より
つまり合同会社のシステム上、2人が仲違いしているままだと、会社としての意思決定ができません。
これだと、業務がまともにできない、というわけ。2人とも出資者と役員を兼ねているのは色々と厄介なのです。
会社をたたむ処理だけやったあと、二度と連絡はしないことを約束。
こうして、僕は多額の資本金と、かけがえのない友人を失ったわけです。
会社がつぶれてしまったことも辛いが、友人関係まで崩れてしまったのは哀しいね。
会社がつぶれるとき失うのはお金だけじゃない、ってことだね。
今思えば初めて売り上げが上がったとき、友人に対するネガティブな感情がわかなければ、もっとうまくいっていたのかもしれません。
いや、それより問題だったのは、資本金の99%以上出していたのに、利益の配分率を同じにしていたこと。
これが問題の根底でしょう。
断言します。最初は大丈夫だろうと思っていても、資本金の比率が多い人は、資本金の比率が低い人に必ずネガティブな感情を持ちます。
神様じゃないのだから、これは当たり前と言っても過言ではないでしょう。
もし友人と合同会社をやるのであれば、心を鬼にして資本金にあった利益配分にしてください。そして上下関係をはっきりすること。
かのホリエモンもこういってます。
会社の人間関係は「上下関係ありき」と言うことです。誰の指示に従わなければならないのかを明確にしないと、組織はうまく回りません。ライブドアという会社には、対外的に自由なイメージがあったかもしれませんが、いわゆる仲間同士のサークル的な会社ではありませんでした。確かに服装は自由でしたが、業務遂行においては、明確にツリー状の構造です。部下との付き合いに悩んでいる上司は多いようですが、なぜ悩むのか、僕には分からない。
引用「ITメディアエンタープライズ」より
もし「その配分では一緒にしない」と言うのであれば、そんな人とは起業してはいけません。
そもそも、やる気がない可能性大。
あなたと一緒に情熱を燃やしてくれる相棒ではありません。
最初のうちにきちんと話し合って書面化しといたほうがすっきりするわよ。
そしてやっぱり会社にトップは2人もいるべきではないわ。
今回は筆者の経験をもとに、合同会社の最大にして最恐のメリットである「資本金の比率と利益配分率を一緒にしなくて良い」と言う点について見てきました。
友人と組むと、対立が起こりやすく危険のメリットです。
筆者のような末路になる可能性が高いので、もし合同会社でビジネスパートナーが必要なら、まずは自分で1人でやってみては?
そして取引先などで能力のある人を見つけ、ヘッドハンティングするなどの方法がいいかもしれません。
そうすれば、対立が起こることがなくなるでしょう。ぜひ参考に。
以上「【実録】友人と合同会社を設立してはいけないたった1つの理由」でした。
家族経営でさえ対立することが多いのだから、血縁も何もない友人と「ずっと一緒に」会社を引っ張っていくというのはなかなか難しいもの。
それでもどうしてもやりたいという場合は、相手を見極めたほうがいいね。
「気の合う仲の良い友達」ではなく、「同じ経営方針をもったキレる仲間」と組んだほうがずっと良いですよ。
https://kaisapo.net/?p=5264