マリオ教授

今回は起業者予備軍の方にとっては非常に気になるポイント、「社会保険」に関するお話だ。

サラリーマンの特典ですね!!

さとし君

でも、事業者にとっては当然負担でもあるのよ、、

アンナ先輩
マリオ教授
その通り。
事実できたての会社の中には従業員に社会保険に加入させていないところもある。
良くない事なんだけどね。
この記事を読んで分かること
  • 従業員の募集のためにも、社会保険の加入は必須
  • 社会保険に加入する際、給料の設定はよく考えるべし!
  • 最悪社会保険を払えないのなら、取り立ての際、正直に言うべし
マリオ教授

それでは、インタビューに協力してくれたIkkiさん、簡単に自己紹介をお願いします。

Ikkiです。もともとは輸入販売の会社を経営していましたが、首が回らなくなり、会社をたたんでしまいました。

ゲスト
プロフィール

私はもともとアパレル企業のサラリーマンでしたが、かねてから起業したいと考えていたので、準備をしたのち高級アパレル雑貨の輸入会社を設立しました。

会社を作ったあと、社会保険に入ろうか入るまいか。

そう考えている”あなた”にお伝えしたいこと。

それは、「社会保険でトラブルになると、法人口座を差し押さえになり、会社が運営できなくなる」ということです。

実際に私はこれを食ってしまい、結果的に会社をたたむことになりました。

社会保険には給料設定によって金額が変わってくるという性質があります。

この性質をきちんと理解し、リスクヘッジしていなければ痛い目に合いますよ。

具体的にどのように痛い目にあったのかをこの記事でしっかり説明していくので、社会保険加入前の起業者予備軍の方々は、しっかりと目を通しておいてください。

マリオ教授
ドキドキ・・・

~そもそもなぜ社会保険をつくったのか~

記事を読んでいる人の中には「なぜ社会保険を作ったの?ばかじゃねーのか」と思ってる人もいるかもしれませんね。

本当はよろしくないのですが、一部の意見としては社会保険の保険料がめちゃくちゃ高いので、最初は国民健康保険のままにしておき、事業が軌道に乗ってきたら社会保険を作るべし、なんて考えもあります。

しかし、社会保険を作らないと突破できない壁が1つあります。

それは、従業員の募集。

今はネットのご時世ですから、「社会保険がない会社なんて入るな」なんて検索したらすぐに出てきます。

ある程度人手は欲しかったですし、社会保険に登録しました。

変な噂を立てられるのもイヤでしたからね。。

僕のねーちゃんも昔、社会保険に加入していないお店で働いていて、いつまでたってもオーナーが加入してくれなかったんで最終的に従業員全員でストライキ起こしたって言っていました。

さとし君

~給料の設定をしくじった~

まぁここまではいいんです。だって社会保険を登録する事は会社の義務ですから。

個人事業主から起業した人だと、国民年金や国民健康保険でOKなのでは?と思ってしまいますよね。
しかし会社を起業したら、社長一人だけの会社でも社会保険に加入しなければなりません。
これは健康保険法第3条と厚生年金保険法第9条では、「適用事業所に使用される者」はそれぞれ「被保険者」である旨が規定されているため。この「使用される者」は法人の代表者であっても、法人から報酬を受けている場合は当てはまります。

引用「会計ソフト”freee”」より

だから、やったことは間違ってないんですよ。

ただ、、私がしくじってしまったのは、給料の設定です。

社会保険は給料によってどれだけ支払っていくのかというのは決まっています。地域によって若干金額は変わりますが。

つまり、先を見通して給料設定し、社会保険を払っていく量も決めなければならないのですが、、筆者はどうしようもないアホでした。

「目標は高い方がよい!!!」とバカみたいな給料設定にしてしまったのです。

それをそのまま社会保険の窓口に提出し、毎月100,000円以上もの社会保険費用を請求されるという事態になってしまいました。

最初から目標を飛ばしすぎるのは良くないって言うわよね。
まあ、一番張り切っている時期だからそうなりがちなんだけども。

アンナ先輩

~社会保険の取り立ては本当にすごい~

悲しいことに私に商才はなく、売り上げは全然上がりません。人を雇うどころの話ではありませんでしたね・・。

当然ながら社会保険料を払うことができないので、1ヵ月また2ヶ月と滞納してしまいました。

そうすると社会保険の取り立てが始まります。この取り立ては本当になめちゃいけません。相当にしつこいです。

地域のによっては変わるかもしれませんが、私の場合は会社まで取り立てに来る事はもちろんのこと、私の住んでいる住所まで取り立てにきました。

バチっとしたスーツで色々な書類を抱えて玄関前に立っているものですから「警察の捜査か?!」と思うほど。

マリオ教授
近所で噂まで立てられそうだね・・

売り上げがゼロなら「なかったこと」に

取り立てに応じたとしても、払うお金がないので、最初は無視をし続けていました。

するとだんだん来る回数が多くなってきて、無視するのにもさすがに限界があるということで対応することに。

正直に「売り上げが全くないので、アホみたいに設定した社会保険を払うことができません」というと・・

なんと「じゃあ、他の解決方法を考えましょう」と。

建設的な相談になっていたのです。

「だめだ、早く支払え」なんて言われるかなと思っていたのに、こんな風に対応されるのであれば、早い段階で対応しとけばよかったと後悔するほど。

担当者曰く、「アホみたいな給料設定にしてしまったこと+売り上げが全然上がっていない」という条件を満たしたいるので、社会保険の申請そのものをなかったことにするという処理をするとのこと。

具体的な処理としては、以下のようなルールを拡大解釈したものなのでしょう。

加入義務があるといっても例外もあります。
たとえば役員報酬がない場合、つまり社長の給与がゼロの場合は社会保険に加入できません。(中略)社長の役員報酬がゼロ、あるいは報酬が保険料を下回る場合は年金事務所から社会保険への加入を断られるケースがほとんどですので、国民健康保険と国民年金に加入することになるのです。

引用「会計ソフト”freee”」より

早い話が、社会保険に加入する条件をみたしていない企業だったので、資格を取り消す、という処理になった、というわけ。

売上がゼロでなかったら、無理な処理だったでしょうね。

そういったケースは結構あるんじゃないかしら。
闇金ではない限り、まっとうな処置はしてくれると思うから、まずは正直に言ったほうがいいのかもね。

アンナ先輩

~代償は口座の差押え~

ただ、代償もありました。法人口座をすべて凍結(差し押さえ)されちゃったんですね。

先ほどもお伝えした通り、売り上げゼロ、というのが必須条件なので、口座は差し押さえ状態になり、お金が入ってこないかどうかを監視する状態になったのです。

法人口座も凍結されたとなっては信用もないですし、なにより売上はゼロのまま。売上があがっても社会保険側に回収されるでしょう。

八方ふさがりの状況は変わらないため、これを機に会社をたたむことにしました・・・。

~【総評】背伸びをせずに設定しよう~

賢明な読者様はわかっていると思いますが、1番マズかった事は社会保険に入ったことではありません。

アホみたいな給料設定にしてしまったことです。

給料設定は間違えると、会社経営のクビをシメます。

よく聞いたことありませんか?

「自分は会社の設立者なのに、給料は100,000円位しかもらっていない」

なんでそんなこと言ってるんだろうと昔の筆者は思っていましたが、、社会保険を意識したものだったんですね。(もちろん、他にも狙いはあると思いますが)

当時はアホ過ぎましたが、今なら少しわかります。

失敗しないことが重要です。生き残ることが最重要なのです。

”あなた”はわけのわからない勢いにまかせず、最低最悪の事態を考慮して給料設定をするようにしてくださいね。

マリオ教授

高い目標は確かに大事。
でも、駆け出しの時は、本当に達成可能な目標かよく吟味しよう。
給与にせよ何であれ、高すぎる目標は自分を苦しめてしまうこともある。

高い給与を払っていれば、優秀な人間がいっぱい入ってくるとは限りません。
最初は、福利厚生、業務スタイルなど、支出のかからない方法で魅力的な会社作りを作り上げていくほうが賢明なのかもしれませんね。

ゲスト

kuratomi