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役員報酬を高めに設定したのに、お金が貯まらないのはなぜ? | 「税金経営」の時代 | 

報酬が高くなると税金も高くなります。そのため税金と必要生活費で手取りは伸び悩みます。たとえば、報酬が 2000万円だとしても余剰資金は 173万円程度かもしれません。
役員報酬を高くしたからといって、手取りは思うようには増えません。役員報酬1億円などといえば、毎年宝くじに当たっているような感じを受けなくもありません。
確かに、役員報酬1億円で家賃8万円のワンルームマンションに住んで独身時代と同じような生活をしていれば、相当の貯金ができるかもしれません。その前に家賃8万円のマンションに住み続けるような人は、報酬1億円を稼ぐようにはならないでしょうが……。
いずれにしても、報酬が高くなれば税金もさることながら、それなりの生活水準になる
のが一般的ですから、思ったより貯金ができないのが現実です。

報酬の違いによる資金収支

前提条件…… 配偶者と扶養家族/2名・社会保険料等/150万円・生活費/1200万円

(単位千円)
報酬 100,000 50,000 20,000
保険料等 1,500 1,500 1,500
所得税・住民税 42,534 18,784 4,768
手取り 55,966 29,716 13,732
生活費 12,000 12,000 12,000
余剰資金 43,966 17,716 1,732

※2010年9月時点での税率等による概算

将来を考えれば報酬 5000万円は決して高くない
報酬が1億円、5000万円、2000万円の場合で資金収支をみてみましょう。
報酬2000万円といえば決して低い水準ではありませんが、生活費を差し引くと余剰資金はわずか 173万円程度です。 年間で 173万円、多いとはとてもいえません。生活費の1200万円は低い水準ではありませんが、オーナーとしての立場、交際等を考えると、このくらいの支出は妥当な水準といえます。
住宅ローンや子どもの教育資金を考えると、とてもこれでは足らないことも多いのではないでしょうか。
また、報酬5000万円の場合だと、余剰資金は1771万円、 年間で1億7716万円。このくらいの水準であれば低くはありませんが、オーナーの立場を考えると決して高すぎる水準ではないと思います。
ところが、実際のオーナーが報酬で5000万円とっているケースは少なく、収益を上げている会社で報酬を高くできる状況においても、月300万円、年間で3600万円くらいが多いように思います。
報酬2000万円と報酬5000万円では、3000万円の差がありますが、税金や生活費を差し引くと 1598万円( 1771万円-173万円)、名目報酬の約半分の差しかありません。
それでも報酬2000万円でほとんど貯蓄ができないよりも、5000万円の報酬をとる方がオーナーとしての貯蓄をいくらか増やすことができます。
後述しますが、オーナーは生活費というだけでなく、いろんな目に見えないお金、将来の事業承継のため、相続財産の分割等のため予定外の資金が必要になることが多くあります。そのためにもある程度の資金を持っておく必要があります。
資金を作るのは、短期間では無理です。中長期的に資金を作っておくことを今からよく考えて、報酬を決めるようにしてください。

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