スメルハラスメントとは、ハラスメントの一種で、においにより周囲を不快にさせる嫌がらせのことです。
嫌がらせとはいえ、悪意なく、気付かないうちに不快感を与えてしまうものです。
スメハラという略語で、近年では社会問題としても注目されています。
職場などだけでなく、日常生活のいたるところで、スメハラ問題は起こっています。
口臭や体臭のような自然に発生するものだけでなく、香水や柔軟剤の匂いといった、人工的なものまでが、不快な臭いの原因となります。
しかし、においに関する問題は、本人にはどのような伝え方をするのが良いのか、非常に難しいですよね。
そこで、ここでは、スメルハラスメントで困っている場合の伝え方や対策について、くわしく見ていきたいと思います。
目次
スメルハラスメントには、以下のような種類があります。
それぞれについて原因をくわしく見ていきたいと思います。
口臭は誰でも持っているものですが、時には人を不快にさせることもしばしばあります。
例えば、下記のような状況の場合は、口臭が発生しやすくなります。
中には、病気によるものが原因で口臭が発生してしまう場合がありますが、上記のものは本人の心がけによって改善することができます。
体臭も、口臭と同じく自然に発生するものですが、臭いの濃度には個人差があります。
下記のような状況の場合は、その臭いの濃度を濃くしてしまっているため、周囲に不快な思いをさせてしまう原因になっている場合が多いです。
加齢臭に関しては、加齢とともに発生する臭いではありますが、汗や不潔による臭い同様に清潔にすることで改善できます。
最近では、女性だけでなく男性も身だしなみとして香水を使用する方が増えてきました。
しかし、香水をつけすぎてしまうと、周囲に不快な思いをさせてしまう場合があります。
自分にとっては良い香りでも、他人にとって良い香りだとは限らないことを頭に入れておく必要があります。
また、香水だけではなく、ヘアスプレーやヘアミストなどもスメルハラスメントの原因になる場合があります。
柔軟剤の香りも、香水と同様、臭いがきつすぎるとスメルハラスメントの原因になります。
毎日使用していると、鼻が臭いに慣れてしまって、規定量よりも多く使用してしまうこともあります。
それが積み重なると、周囲の人を不快にさせる原因になってしまいます。
女性の方の多くが、身だしなみとして毎日メイクをして出勤されている方も多いと思います。
実は、メイクをする際に使用している化粧品の独特の香りが、周囲の人を不快にさせる原因になることもあります。
また、数多くの化粧品を重ねて使用しているために、その香りが混ざって悪臭を放ってしまう場合もあります。
上記のように、スメルハラスメントには、様々な理由と原因があります。
そして、スメルハラスメントの対策方法として、大きく効果があるのは以下の2つとなります。
しかし、マスクをしてにおいをかがないようにするというのは、根本的な解決とはなりません。
ですので、できれば、においが強いことをうまく本人に伝えたいものですよね。
それでは、どのように伝えるのが良いのでしょうか。
以下の方法が考えられます。
それぞれについて見ていきたいと思います。
「最近、ニュースで臭いの問題って多いよね」などと本人に伝えてみることで、遠回しにではありますが、臭いについて気になっていることがあることをそれとなく伝えることができます。
そのことにより、本人が意識し、においに配慮してもらえる可能性が考えられます。
これは、伝えやすい環境であるかないかにもよりますが、職場などで臭いが気になる人がいる場合、その人の話題を取り上げて話を進めていき、一緒に改善策を考えてみるとやんわりと本人にも伝えやすくなります。
また、本人には直接的には伝えられなくても、話の流れで自分自身の問題としてにおいを意識してもらえる場合もあるので、改善につながる可能性もあります。
「口臭をケアするには、タブレットを持ち歩くのも重要だよね」などと改善策のみを伝えるというのは、意外に本人には伝えやすく、本人に意識してもらうこともできます。
よほど仲が良い人か、気心が知れている人にしかできないことかもしれませんが、本人のためを想って、ストレートに「最近、ちょっと臭いがきついときがあるよ」などと伝えるのも一つの方法です。
スメルハラスメントで困っている場合には、原因となる人への伝え方に頭を悩ませるでしょう。
しかし、スメハラという問題は、実は、自分自身も引き起こしている可能性があるということを意識し、加害者とならないように配慮が必要です。
スメハラの加害者にならないために気を付けるべきこととしては、自分自身で臭いがきつくないか、他の人に迷惑を与えるような行為をしていないか、意識することが重要です。
口臭予防に重要なのは、オーラルケアを適切なタイミングで行うことです。
就寝前と起床直後の歯みがきは必ず行い、歯みがきだけでなく、舌みがきも習慣化すれば、より大きな効果が期待できます。
また、食習慣も口臭予防に効果を発揮します。
肉、大豆、乳製品など、タンパク質を多く含む食品は口臭に悪影響を及ぼします。
お酒に含まれるアルコールも、唾液の分泌量を低下させるので口臭に良くありません。
コーヒーの苦味も唾液の分泌量を低下させるだけでなく、口内を酸性にするので、さらに口臭の悪化を導きます。
体臭予防には、入浴で毎日清潔にするのが欠かせません。
ニオイ防止の石鹸などを使用するのも良いですね。
また、出かける際には、朝、少しシャワーを浴びると、皮脂量を減らすことができるので、臭いの気になる方は、朝のシャワーを習慣にするのも良いです。
汗の臭いについては、汗をかく前に制汗剤を使用し、汗をかいた後は、すぐに汗拭きシートなどでふき取るのが重要です。
体臭に関しても、口臭同様、食生活が重要になります。
タンパク質は分解されると、アンモニアや硫化水素などの臭いの強い物質を発生しますし、脂肪も分解されると、脂肪酸となり臭いのもとになります。
そのため、肉類、バター、チョコレートなどといった、動物性タンパク質や脂肪の多い食品は控えることが望ましいです。
併せて、腸内環境を整える食品を摂ることも良いです。
腸内を整えるには、メカブ、わかめ、モズクなどの海藻類や、ヨーグルト、豆乳や納豆などの大豆製品、緑黄色野菜やきのこ類などが良いとされています。
使い方次第では、好印象を与えることのできる香水ですが、周りの臭いとして気になるものの代表の一つとしてもあげられます。
人の多く集まる場所などでは香水を控えること、香水をつけすぎないように意識することが予防策として挙げられます。
特に、毎日習慣化してつけている場合は、その香りに鼻が慣れてしまうことで、香水をつけすぎてしまう原因になります。
香水の使用量は、スプレータイプのものなら1プッシュ、瓶タイプのものであれば1滴だけでも十分に香ります。
香水をつけ直すタイミングについても、香水によって香りの持続時間が異なるため、その香水にあった時間間隔を置いて、適量をつけ直すことが重要です。
また、香水をつける位置にも注意が必要です。
自分自身で香りを楽しみたい場合は、耳の後ろや手首の内側、うなじ等、体温の高い部分に塗布するようにしましょう。
ふわっと香る程度に抑えたい場合は、ひざの裏や足首、太ももの内側等、体温の低い部分に塗布することがおすすめです。
また、体臭の予防として、香水を使用するのは逆効果なので注意しましょう。
体臭と香水の臭いが混じって、さらなる悪臭を発する原因になる場合があるため、体臭の予防を行う際には、上記のような予防法を実施することをおすすめします。
柔軟剤においても、香水と同様、規定量を大幅に超えて使用してしまうために香りが強くなってしまい、悪臭を放つ原因となっている場合が多いです。
そのため、規定量を正しく守って使用することが重要です。
化粧品によるニオイを防止するためには、化粧品独特の香りがない無香料のものを使用することが一番効果的な予防法になります。
使用している本人は好きな香りであっても、それが他の人からは良い香りとは限りませんので、無香料のものを選ぶか、香りの強くないものを意識して使用することが重要です。