国民年金基金とは、国民年金に上乗せできる年金のことをいいます。
特に、自営業やフリーランスとして働いている人は厚生年金に加入することはできないため、国民年金だけの受給額では老後も不安に思いますよね(^^;
そのような人たちに損がないように、国民年金と厚生年金以外にも、老後に受け取れる年金額を増やすことができる制度はいくつかあります。
その中の1つが国民年金基金になるわけですが、国民年金基金とは国民年金法に基づく公的な年金であり、会社員等の方との年金額の差を解消するために創設された制度になります。
ここでは、国民年金基金の加入要件や納付額など、どのような制度であるのか、その内容についてわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
公務員や会社員として働く人は国民年金と厚生年金のどちらにも加入している状態になるため、国民年金と厚生年金を合わせた年金額が受給できます。
しかし、自営業やフリーランスとして働く人は、国民年金の年金額しか受給できないため、会社員などで働く人とでは、将来受け取れる年金額に大きな差が生じてしまいますよね。
そんな年金額の差を解消するための制度を求める声が多かったことから、国会審議などを経て、厚生年金などに相当する国民年金基金制度が平成3年5月に創設されました。
国民年金基金には、「全国国民年金基金」と「職能型国民年金基金」の2つに分類されます。
全国国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者であれば加入することができます。
一方で、職能型国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者であることとともに、特定の事業または業務に従事している場合に加入することができるものとなります。
それぞれの基金が行う事業内容は同じですが、国民年金基金に加入できるのは1つのみとなるため、自分で選択して加入することになります。
ここまで見ると、将来受け取れる年金額を増やすことができるのであれば、メリットしかないような気もしますよね。
しかし、国民年金基金にもメリットとデメリットがあるほか、国民年金の第1号被保険者であったとしても、要件を満たしていない場合には加入することはできません。
また、一度、国民年金基金に加入した場合には、原則として、任意の脱退や中途解約はできないため、加入要件や納付額などもしっかりと把握した上で加入することが重要です。
それでは、国民年金基金の加入要件や納付額などがどのようになっているのかについて見ていきたいと思います。
国民年金基金に加入できる要件は、下記の通りです。
上記のように、任意加入を含む、20歳から65歳未満の国民年金の被保険者であることが前提となります。
しかし、要件を満たしていたとしても、厚生年金に加入している被保険者や被扶養配偶者は国民年金基金に加入することはできないため、注意が必要です。
また、国民年金の保険料の免除制度(全部または一部免除・学生納付特例・納付猶予)を受けていた場合にも、国民年金基金に加入することはできません。
ただし、国民年金保険料免除期間納付申出書を年金事務所に提出した場合には、国民年金保険料の納付申出をした期間は加入することができます。
国民年金基金の加入期間は、60歳まで(任意加入者は65歳まで)が上限となります。
そのため、加入期間を経過した場合には、国民年金の加入資格が喪失されるわけですが、下記の要件に該当する場合にも加入資格を喪失することになります。
逆に言えば、上記の要件に該当しない限りは、一度、国民年金基金に加入すると任意の脱退や途中解約はできないため、注意しましょう。
国民年金基金は、積立方式の年金制度です。
国民年金基金には「終身型」と「確定型」の2つの型があり、給付の型を選択し、加入口数を自分で設定します。
毎月の納付額(掛金)は、加入時の年齢・性別・プランによって決まるため、月額6万8000円を上限として、計画立てて、積み立てていく形になります。
そのため、掛金が多くなるようにプランと加入口数を増やすことで、老後に受け取れる年金額に多く上乗せすることができるのが特徴です。
上記の加入要件を満たしている場合には、国民年金基金に加入することができます。
国民年金基金に加入するためには、国民年金基金加入申込書を国民年金基金のホームページでダウンロード、もしくは、資料請求を行い、必要事項を記入後、国民年金基金の事業所に郵送します。
この時に、給付の型や加入口数を選択して、掛金をいくらにするかを決めるため、あらかじめプランを考えておくことが重要です。
加入申込書が受理され、加入登録が完了すると、その2か月後から掛金の引き落としが開始されます。
国民年金基金は積立方式の年金制度となるため、掛金をかけた分だけ、年金額に上乗せされて受給することができます。
そのため、途中で加入資格を喪失して国民年金基金を脱退しても、これまでに納めた掛金はすべて老後の年金に反映されます。
また、自分のライフプランに沿って年金設計を行い、生活状況に合わせて掛金を調整することができるため、無理なく準備することができる制度ともいえます。
老後に備えるためにも、制度をうまく活用していきたいですね(^^♪