知らないと犯罪者?!ネットベンチャーが最低限知っておくべき法的知識

マリオ教授

今回はネットベンチャーを立ち上げたい人には「必ず」読んでもらいたい、法知識だ!

え・・ネットベンチャーって法律まで勉強しなきゃならないんですか?
結構周りの学生とか自由にやってますよ?

さとし君

お金貰う以上、法律の順守は必須よ!

アンナ先輩
マリオ教授
「自由」で「気軽」に始められると思われがちなネットベンチャーだが、その歴史も徐々に長くなり法制度も確立してきた。
最悪無自覚で違法行為を行っていて、問い詰められる、というケースだってある。
今回の記事で最低限の法律知識は入れておこう。
この記事を読んで分かること
  • 特定商取引法にのっとった記載を忘れずに!
  • 迷惑メールと思われないように、特定電子メール法を理解しよう!
  • 気軽に仲介料を始めると、非弁行為にあたることもある。
マリオ教授

それでは、インタビューに協力してくれたMasashiさん、簡単に自己紹介をお願いします。

Masashiです。学生時代から個人でネット事業を立ち上げていて、今では従業員を数十名抱えるようになりました。

ゲスト
はじめに

主にネットでの活動をメインにしたベンチャー企業、多くなっていますよね。
ネットでの活動がメインですから、様々なチャレンジができます。
今までなかったビジネスモデルを作って一攫千金!…なんて考えてる人もいるでしょう。
筆者もその1人だったのですが、意外とあなたが思ってる以上に自由が効きません。
つまりはなんでもかんでも、ベンチャーだからしていいと言うわけでは無いのです。
その理由は「法律」があるから。
あなたが今やろうと思ってるビジネス、もしかしたら犯罪かもしれませんよ?
知らなかったじゃ済まされないのが法律です。いちど法律を破ってしまえば、あなたのベンチャー企業は信頼を失墜してしまうことでしょう。
ネットでの活動をメインにしてるからこそ、いろんな人に拡散されてもう二度と立ち上がることができなくなるかもしれません。
だからこそ、ネットベンチャーには最低限知っておくべき法的知識があるのです。
言い方を変えれば、この法律だけはしっかりと知っておいたほうがいいよと言う事ですね。
では具体的にどんな法律なのか、紹介していきましょう。

~特定商取引法~

特定商取引法とは「取引の公正性と消費者被害の防止を図るための法律」と言い換えることができます。
商品の売買において弱い立場にたつ購入者を守り、また販売者を明示することで商品の流通や提供を明確化していくためのものになります。

購入者に安心して買い物をしてもらうための表記となり、ネット通販においても「特定商取引法に基づく表記」の表記義務が法律で求められています。お客様の立場からすると、顔の見えない人から商品を購入する不安を軽減するための表記と言えるでしょう。自分が購入者の立場に立ったとしても、しっかり情報を開示してくれているショップのほうが信頼感を抱くのではないでしょうか。

特定商取引法には以下の項目を記入する必要があります。

1.事業者名
2.所在地
3.連絡先
4.商品等の販売価格
5.送料などの商品代金以外の付帯費用
6.代金の支払時期
7.代金の支払方法
8.商品等の引き渡し時期
9.返品の可否と条件
「特定商取引法に基づく表記」というページを設け、それぞれの項目に対する記載を行う必要があります。
どのネットショップにも必ずあるページなので、お気に入りのショップの表記を参考にしてみるのもいいでしょう。

引用:https://ferret-plus.com/1759

ネットビジネスをしていると、自分の情報を隠したいと思いがちです。しかし、この特定商取引法のおかげで情報を伏せた活動はかなり難しくなっているというの覚えておかなければいけません。

ネットでなにかを売るときには、この特定商取引法を遵守して行わなければいけないので、結果的に自分の情報をさらすことになるでしょう。

今は特定商取引法に関して敏感のネットユーザがめちゃくちゃ多いです。

あなたのビジネスが特定商取引法に違反しているかどうかを監視している人も…。

だからこそ、しっかりと頭にたたき込んでおいてくださいね。

マリオ教授
よくネットショッピングで見かける「あれ」だね。個人でやっている人も必要な項目だから記載し忘れないようにしよう。

~表記の省略も可能~

個人的に知っておいてほしいのは、特定商取引法に関する表記の省略です。

省略する場合は、お客様からの要望があれば情報をすぐに開示する旨を表記し、実際にそれを行なえる体制を整えておく必要があります。(「問い合わせフォームやメールで連絡を頂ければ○分以内に連絡します」といった記載など行うべきでしょう。)

引用:https://ferret-plus.com/1759

電話番号など、自分の情報を出さなくても済むケースは結構あるので、それに該当するかどうかは頭にたたきこんでおくと良いですよ。

自分の情報さらすのはやっぱ怖いですもんね・・
最初のうちはできる範囲で表記省略するのもアリかもしれませんね・・

さとし君

~特定電子メール法~

以前の特定電子メール法では、メールの件名欄に「未承諾広告※」と表示し、配信停止の方法が説明されているならば事前の許可なしに特定電子メールを送信することができた。受信したメールが今後必要ないと、受信者が配信停止の手続き(オプトアウト)を取った場合にのみ、送信者は再送信を停止すれば法律的に問題はなかったのだ。

ところが今回の改正によって、事前の承諾による同意の取得(オプトイン方式)と、その同意を証する記録の保存が義務付けられた。

引用:https://webtan.impress.co.jp/e/2009/07/28/5712

昔は郵送を使って営業行為をしている人が多かったですが、今は1円もお金もかからない電子メールで不特定多数に多くのメール広告を送ることができます。

しかしそれによって迷惑メール等が台頭してしまい、不利益を被ってしまう人が出てきているのも事実。だからこそこの特定電子メール法が生まれました。

ネットベンチャーだからこそ、様々なネット広告をするでしょう。中にはメールで広告したいと言う人も。

リストにある不特定多数にメール広告を送ろうとしいませんか?実はそれはアウトなのです。

この特定電子メール法に合った内容でやらなければ、あなたは法を犯したことになってしまいますよ。

確かに!迷惑メールに悩まされたことは何回かあるから、自分もルールは守るようにしたいわね!

アンナ先輩

~例外処置をうまく活かす~

特定電子メール法には、実は例外とも言えるルールもあります。以下に該当するなら、こちらから一方的にメールが送れます。

① 「電子メールアドレスの通知」をした者
これは、名刺交換などでメールアドレスを送信者に伝えた場合を指します。一般に、相手と連絡先を交換した以上、相手から連絡が来ることは予測できるからです。
② 「取引関係」にある者
これは、すでに顧客である取引先のことを指します。一般に、ビジネス上の関係性は一回きりで終わるものとは限らず、その後も継続的にサービスを利用したり必要に応じて新商品を追加購入するなどといった商取引があり得るためです。
③ 「自己の電子メールアドレスを公表」している団体・営業を 営む個人
これは、ホームページ上などで問い合わせフォームを設置している、メールアドレスを公開しているなどの場合を指します。そういった相手に対して営業のメールを送信することは、一般的な商習慣として理解できるものだから、です。

引用:https://ingage.jp/media/cs/304

この例外についてしっかりと知っておかないと、電子メールでの営業ができなくなってしまいます。頭にたたき込んでおきましょう。

マリオ教授

よくアンケートに答えると、広告のメールが配信されるやつだね。

~非弁行為(弁護士法)~

弁護士法72条で禁止されている非弁行為とは、

弁護士でない者が
報酬を得る目的で
法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすること
をいいます。

ブラック・ジャックのように医師免許のない者が医療行為を行うことが禁止されているのと同様に、弁護士でない者が弁護士の業務を行ってはいけないという定めです。

引用:https://www.takumi-corporate-law.com/advertising/hiben/

ネットビジネスで多いのが仲介業です。企業と個人、企業と企業、個人と個人の間に入ってお金をいただくと言うものですね。

メルカリやヤフオク等も突き詰めていけばそうと言えるでしょう。

ネットでの活動をメインとしたネットベンチャーも仲介業をメインとしているかもしれません。

個人と個人の間に入って問題を解決するといったビジネスモデルは思いつきやすいですからね。

しかし仲介業でお金をいただくのをビジネスモデルの肝としたとき、その行為が法律で違反する可能性を忘れてはいけません。

個人と個人など、何かの間に入って問題を解決し、お金を頂くと言う行為は、非弁行為とされ、弁護士資格などを持っていない人はやってはいけないことです。

ベンチャーは元手や在庫のいらない仲介業をしがちなので、非弁行為にあたることに気づいておらず、事業を拡大しようとしている人がいます。

後で判明したら取り返しがつかないので、非弁行為に当たらないかどうかは、しっかりと事前に確認しておいたほうがいいですね。

さとし君

そうだったんですか!?
普段使っているのに、全然知らなかった・・

【総評】知らなかったでは済まされない

ネットを舞台とした起業は自由が売りです。

普通の会社ではやらないこと、重箱の隅をつつくようなことをするのがネットベンチャーの真髄とも言えるでしょう。

しかし普通の会社でなぜやらないのかと言うのをしっかりと考えなければいけません。

なぜやらないのかと言う答えは1つ。法に触れるからです。

普通の会社は法務部や顧問弁護士も付いています。自分のやっているビジネスが法に触れないかどうかをしっかりとチェックした上で世に出しているのです。

法律に触れそうなビジネスモデルをやらない理由はここにあります。

個人が立ち上げるネットベンチャーに法務部や顧問弁護士なんていないでしょうから、知らず知らずの間に法に触れている可能性があります。

本当は弁護士にビジネスを行う前に法務チェックしてもらうのが1番ですが、とりあえずまずは今回紹介した法律に触れていないかどうかを、しっかりと確認しておいた方が良いでしょう。

以上「知らないと犯罪者?!ネットベンチャーが最低限知っておくべき法的知識」でした。

マリオ教授

ネットベンチャー事業はこれからどんどん拡大していくことが予想されるため、法が改正されることもあるかもしれない。
事業を始めたいときは、本で調べるか専門家にきくか、とにかく情報をアップデートしよう。

今の時代はSNSですぐに炎上する恐ろしさがあります。
最悪、会社だけでなく個人の情報までさらされる可能性も・・
自分の身を守るためにも法律はしっかりと調べましょう。

ゲスト
kuratomi