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退職金額の上限に目安はあるのか? | 「税金経営」の時代 | 

役員退職金は、株主総会の決議を経て決定されます。退職金の上限が法律上決まっているわけではありませんので、手続き上は株主総会の決議で1000万円でも 億円でも 億円でも、自由に決めることができます。しかし、株主総会の決議があったとしても、税務上過大な退職金と判断される金額については、会社経費としては認められません。税務上は次のような取り扱いになっていますが、具体的な金額や算式は決められていません。
つまり、過大退職金について「不相当に高額な部分として政令で定める金額」として、政令では「不相当に高額な部分の金額」は、
1.役員のその法人の業務に従事した期間
2.その退職の事情
3.その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職金の支給状況
等に照らし、その退職役員に対する退職金として相当であると認められる金額を超える部分の金額、とされています。
役員報酬のところでも、過大報酬かどうかの判断基準として類似する同業他社云々のお話をしましたが、それと同じような抽象的な判断基準となっています。

役員退職金額は月額報酬、在任年数、功績倍数を使って決める

それでは実務上、どのように過大役員退職金にならないように役員退職金額を決めているかということになりますが、一般的に採用されている算式は次の通りです。この算式を使って退職金額を算定している場合、税務上、過大退職金と判断されるリスクもほとんどないといえます。

役員退職金額=退任時の最終月額報酬×在任年数×功績倍率

算式のうち最終月額報酬と在任年数は実際の金額、年数ですから判断が入る余地はないのですが、問題は功績倍率をいくらにするかです。実務上や裁判などでよく使われている倍率は、代表取締役の場合で3倍程度です。因みに代表取締役以外の取締役では、2倍程度です。
たとえば、退任時の月額報酬が 200万円、在任年数が 年、功績倍率を 3倍とすれば、2億1000万円(200万円×年×3倍)となります。この算式は過大役員退職金にならない実務上の目安ですので、これ以上の金額はすべて過大退職金になるというものではありません。35
特に創業者オーナーの場合、その功績たるや相当なものがありますので、ケースによっ
ては功績倍率が4倍近くなるようなこともありえますので、個別ケースとして判断するこ
とになります。
なお、退職金を高くするために退職金決議の間際で月額報酬を上げるようなことがあります。来期退職を予定している場合に、予め今期から月額報酬を上げて退職金の算定の退任時の最終月額報酬を引き上げるようなケースです。
役員報酬の改定は定期的に行いますので、役員報酬の増額自体は問題になるわけではありませんが、目的が役員退職金額を高くする目的で行われたような場合は、税務上過大退職金として認定されるリスクがあります。
もちろん、報酬の引き上げのタイミングや改定額等の合理的な理由を説明できるようにしておけば、リスクを回避することは可能です。
当たり前ですが、役員退職金は何度ももらえるものではありません。前述したように役員が会社からもらえるのは「配当」(株主として)「報酬」「退職金」の つだけです。その中で退職金だけが、通常 回です。あとでまたもらおうということは退職金に限ってはありません。
ですので、退職金はできるだけ多くもらうことをおすすめします。もちろん、会社の利益面や資金面の制約はありますがその範囲内で、できるだけ多い金額にしてください。

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