保険期間が長いのが「長期平準定期保険」
役員退職金原資の確保で使われるのが、「長期平準定期保険」と「逓増定期保険」です。
長期平準定期保険とは、保険期間が長い定期保険のことです。保険期間が長くなることから、保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、加入時の被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が、105を超えるものは、保険期間の当初60%に相当する期間は、保険料の1/2が損金算入になります。
〈説例〉その1 加入年齢50歳、保険期間30年
保険期間満了時の被保険者の年齢=80歳
加入時の被保険者の年齢(50歳)に保険期間(30年)の2倍に相当する数を加えた数=110
※ 長期平準定期保険に該当し当初60%の期間は1/2損金
〈説例〉その2 加入年齢50歳、保険期間25年
保険期間満了時の被保険者の年齢=75歳
加入時の被保険者の年齢(50歳)に保険期間(25年)の2倍に相当する数を加えた数=100
※ 長期平準定期保険に該当せず全額損金可能
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保険期間の当初60%に相当する期間は保険料の1/3が損金
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保障の金額が保険期間の経過に応じて増加していく「逓増定期保険」
逓増定期保険とは、保障の金額が保険期間の経過に応じて増加していく定期保険のことです(32ページ)。保険期間の前半は多額の前払い保険料が生じることから、損金算入割合が制限されています。具体的には全額損金、1/2損金、1/3損金、1/4損金になります。計算式はP81に掲載していますので、参照してください。
〈説例〉その1 加入年齢50歳、保険期間25年
保険期間満了時の被保険者の年齢=75歳
加入時の被保険者の年齢(50歳)に保険期間(25年)の2倍に相当する数を加えた数=100
※ 当初60%の期間は1/3損金
〈説例〉その2 加入年齢50歳、保険期間20年
保険期間満了時の被保険者の年齢=70歳
加入時の被保険者の年齢(50歳)に保険期間(20年)の2倍に相当する数を加えた数=90
※ 当初、60%の期間は1/2損金
このように長期平準定期保険や逓増定期保険に加入する場合、被保険者の加入時の年齢や保険期間に応じて損金に算入できる割合が変わりますので、注意が必要です。