会社宛てに領収書を発行する場合、宛名はどのように書くのが良いのでしょうか。
郵送物や請求書の宛名であれば、会社名の後に「御中」を付けるのが一般的ですよね。
しかし、領収書の場合にも、郵送物などと同じように、会社名に「御中」を付けるのは正しい方法なのでしょうか。
そうはいっても、宛名として、会社名に「様」を付けるのも、言葉の使い方としておかしい、違和感を感じるという人もいるかもしれません(^^;
また、既製品の領収書であれば、宛名の後の敬称は、「様」と印字されてしまっています。
会社名の場合には、そのまま会社名を書くのか、「様」を消して「御中」に書き直すのでしょうか。
マナーとしては、どのようにするのが良いのでしょうか。
そこで、ここでは、会社宛ての領収書の敬称は、御中か様か、どちらが正しいのかについて、くわしく見ていきたいと思います。
目次
会社や組織宛ての郵便物などの場合には、「株式会社〇〇 御中」などと書かれているのを見ることがありますよね。
この場合の「御中」とは、どのような意味で用いられているのでしょうか。
御中とは、この宛名の中にいる担当者のどなたか様へという意味で用いられています。
そうすると、領収書のように、料金を支払ってくれた会社に対して、発行するものの場合には、敬称を御中とするのはおかしいですよね。
領収書は、その会社の中の誰かわからない担当者のどなたかに対して発行しているわけではあありません。
人ではありませんが、法律上人格が認められた、法人という人格を持つ、会社に対して発行しているのです。
これは、領収書だけでなく、請求書の場合にも同様ですよね。
そのため、会社宛ての領収書の敬称は、宛先が会社とはっきりしているため、「様」を用いるのが良いでしょう。
会社名に敬称の「様」を用いるのは、言葉やマナーとして、おかしいと考える説もあるかもしれません。
しかし、既製品の領収書の敬称の「様」を、わざわざ会社宛てだからといって、「御中」に書き直すほうが、違和感がありますよね。
もし、会社宛てで、担当者が分かっている場合には、担当者の敬称を「様」にするのが良いでしょう。
領収書の発行は、宛名が税務上問題になることはありませんが、相手方の会社のルールもありますので、確認することが望ましいですね。
それでは、これら以外にも、敬称を用いる際の注意点がありますので、見ていきたいと思います。
上記以外にも、ビジネスにおいて、敬称を用いる際の注意点があります。
それぞれについて、くわしく見ていきましょう。
上記でも述べたように、「御中」というのは、会社や組織宛てではありますが、その中の特定の誰かではない場合に用います。
領収書や請求書のように、会社宛てであることが明確な場合には、会社や組織宛てでも「様」を用いるほうが良いでしょう。
「御中」と違い、特定の相手の場合には、敬称は「様」を用います。
会社名ではなく、担当者宛ての場合には、もちろん「様」を用います。
この際ですが、「さま」や「サマ」のように、ひらがなやカタカナはくだけた感じになってしまうので、避けたほうが無難です。
昔は、官公庁などから発行される郵送物などには、敬称が「殿」とされていました。
しかし、市民を下に見ているとのクレームがあったことにより、現在では、「様」が敬称として用いられることが一般的となっています。
このように、「殿」は自分よりも目下の相手に使用するとされているため、あまり使用しないのが無難ですよね。
会社での給与明細などでも、「殿」が用いられていることがありますが、労使は対等な関係であるはずなので、あまり印象は良くないでしょう。
丁寧に書いているつもりなので、気持ちは伝わりますが、間違った二重敬称を使っているケースは多く見られます。
ダメな例としては以下です。
この場合は、正しくは以下となります。
メールなど、相手を特定せずに、複数の人に送る場合の敬称には、「各位」を用います。
各位というのは、複数の宛先に対するものですが、それぞれに対しての敬称になります。
そのため、「様」や「御中」などの敬称を重ねて使用することはできません。
ただし、例外として、お客様各位という表現は、慣習として一般的に使用されているものとなります。
社内で上司や先輩を呼ぶときは、「○○課長」や「△△さん」など役職やさん付けで呼びのが通常です。
しかし、取引先など社外の人と話す際には「課長の○○」や「営業の△△」など呼び捨てにするのが通常です。
新卒など社会人歴が浅いときに、やってしまいがちな失敗なので、注意が必要ですね。
領収書の場合には、会社宛てであっても、「様」とするのが良いと述べました。
ただし、このようなマナーや慣習などというのは、時代とともに変化していきます。
また、組織や団体でのルールというものもあります。
ですので、必ずしも、これが正しいという方法は一つではありません。
また、自分自身の属している組織でのやり方に従うということも重要です。