個人年金保険の支払い方法には、いくつか種類があります。
一般的に知られている支払い方法は月払いですが、現在、まとまった資産を持っている場合には、月々に保険料を支払うことは煩わしく感じるかもしれません。
実は、個人年金保険料は一括払いで支払うことも可能です。
しかし、個人年金保険料を一括払いで支払うことによってどのようなメリットがあるのか、よくわからないですよね(^^;
ここでは、個人年金保険の支払い方法について触れつつ、個人年金保険の一括払いのメリットを詳しく見ていきたいと思います。
また、月払いと一時払いの税金について、どのような点がお得になるのかについても比較してみていきましょう。
目次
個人年金保険には、いくつか支払い方法があります。
個人年金保険料の支払い方法について、下記の一覧で詳しく見ていきましょう。
保険料の支払い方法 | 内容 |
月払い | 毎月指定日に1か月分の保険料を支払う方法 |
半年払い | 6か月に1度、半年分の保険料をまとめて支払う方法 |
年払い | 1年間の保険料をまとめて支払う方法 |
一時払い | 保険料の全額を1度に支払う方法 |
全期前納払い | 保険料の全額を保険会社に預けて1回で支払う方法 年1回か毎月指定日に預けたお金から保険料が支払われる |
最も掛け金が少なく、コツコツと老後の資金を積み立てできるのは月払いになります。
月々の収入状況に余裕がある場合や、資産を多く持っている場合には、半年払いや年払いなど、ある程度まとめて保険料を支払うこともできます。
このように、半年払いや年払いなど、月々の保険料を数回分に分けて支払う方法を、ここでは「一括払い」といいます。
上記のように何回かに分けて保険料を支払うことが煩わしく感じる場合には、一時払いや全期前納払いを選択することも可能です。
しかし、一時払いや全期前納払いをするためには、契約を継続するために相応な額を準備する必要があるので、そこまでの余裕がない場合には、月払い・半年払い・年払いのいずれかを選択すると良いでしょう。
ただし、保険会社等によって、選択できる支払い方法は異なります。
すべての保険契約で上記の支払い方法を選べるわけではないので、保険契約を確認して、選択できる支払い方法を事前に確認しておくことが重要です。
個人年金保険を一括払いするメリットには、以下のようなものがあります。
それでは、それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
掛け金が少額で済むのが月払いのメリットですが、総支払額は満額支払う必要があります。
しかし、保険料を半年払いや年払いなど、数回分をまとめて支払うことで、総支払額を安く抑えることができます。
割引率は保険会社や契約する商品によって異なりますが、長い目で見ると保険料の総支払額を抑えることができるので、とてもお得といえるでしょう。
保険料を月払いで支払っていると、保険契約を途中で解約した場合に受け取れる解約返戻金が少なくなるケースが多くなります。
しかし、保険料を一括払いで支払うことで、払込保険料よりも解約返戻金が大きくなるまでに必要な契約期間を短くすることができます。
そのため、途中で保険を解約したいとなった場合でも、保険料を一括払いで支払うことで損をする金額を最小限に抑えることも可能になります。
保険料をまとめて支払うことができれば、月払いなどに比べて支払い日を気にする必要がないので、とても楽ですよね。
また、一時払いを選択すれば、保険料の支払いは一度のみになるので、保険料の支払い忘れを防止することにもつながります。
仮に、保険料を支払い忘れたまま放置し続けると、保険契約が失効したり、強制解約しなければならなくなる場合もあります。
料金の支払い管理が苦手な人は、保険料をまとめて支払うようにすると良いでしょう。
保険料をまとめて支払うと、支払った年の税金を抑えることができる場合があります。
特に、一時払いのように、保険料を一度でまとめて支払うことができれば、保険料控除は一度しか利用できないものの、抑えられる税金の額は大きくなります。
そのため、税金を抑えたい年を狙って個人年金保険に加入し、まとめて支払うようにすると、その年の税金の支払い額を抑えることができます。
税金は、課税所得の金額に所定の税率をかけて算出することができます。
課税所得は1年間の所得から控除額を引いた金額を指していますが、この時に使用する控除額に保険料控除が含まれます。
そのため、保険料を支払うことで課税所得が少なくなるので、結果的に所得税や住民税などの税金が抑えられる仕組みになっています。
年金制度の場合、控除される金額は、旧制度と新制度によっても異なりますし、年金払込保険料の金額によっても変わります。
それを前提として、月払い・一括払い・一時払いの税金について、もう少し詳しく見ていきましょう。
月払いの場合は、1世帯あたり平均1.5万円を支払っています。
平均1.5万円を1年間(12ヶ月)支払っている場合、年間払込保険料は18万円となるため、控除される金額は、旧制度の場合は8万5000円、新制度の場合は6万8000円が上限となります。
毎月保険料を支払っていると、その年に支払った保険料に応じた控除は毎年受けることが可能となるため、長い目で見ると得をしていることになります。
一時払いの場合は、1世帯あたり平均750万円を支払っています。
平均750万円を一括で支払う場合、控除される金額は、旧制度の場合は8万5000円、新制度の場合は6万8000円が上限となります。
また、生命保険料控除を含めた適用限度総額は、旧制度の場合は19万円、新制度の場合は17万円、旧制度と新制度の両方が適用される場合は12万円が上限となります。
保険料を一括で支払う場合には、保険料の総支払額が安くて済むのがメリットではありますが、控除が受けられるのは1回限りとなるため、毎年控除を受けるよりは控除額が少なくなってしまうのが特徴です。
そのため、保険料の安さをとるのか、控除額の多さをとるのか、どちらを優先的に選ぶのかをよく考えて支払い方法を選ぶ必要があるわけですね。
また、上記の表に出てきていた「全期前納払い」は、保険料を一括で支払うことは変わらないものの、支払った保険料は保険会社で管理され、毎年保険料を支払ってもらう仕組みになっています。
つまり、保険料を一括で支払うことができる上に、毎年の控除を受けることもできるため、収入に余裕があって控除額も増やしたい場合には、この支払い方法を選ぶのも良いでしょう。
個人年金保険には、月払い・半年払い・年払い・一時払い・全期前納払いの大きく5つに分類されます。
月払いの場合は、最も掛け金が少なく、毎年の控除も受けることができるため、コツコツと将来の年金額を積み立てられる支払い方法になります。
半年払い・年払い・一時払いなど、保険料をまとめて支払うことで、保険料を安く抑えることができるのがメリットといえますが、一時払いの場合は控除は一回きりしか受けられません。
これらのメリットとデメリットをそれぞれ考慮して、どこを優先したいかによって支払い方法を選択することが重要ですね(^^♪