会社を退職した場合に受給できる失業給付ですが、いくらくらい受け取ることができるのか、気になるところですよね。
実は、失業給付額の計算式に必要な数値を当てはめれば、自分でも基本手当日額や手当総額を計算することができます。
自分で計算して給付額を求めることができるなんて、すごく便利ですよね。
ただ、失業給付額の計算は、賃金日額をもとに複雑な計算式に当てはめて計算しないといけないので、どうやって計算すればよいのか分からないと感じてしまう人も多いと思います。
ここでは、雇用保険の失業給付額の計算式を詳しく解説していきたいと思います。
目次
雇用保険の失業給付額は、今まで勤めていた会社から受け取った「退職前の6か月間の給与」の約50~80%に相当します。
割合に幅がある理由としては、賃金の高さで金額に大きな差が生まれないように、受給者に平均的に支給するためです。
これだけでも、大体これぐらいなのかな?とおおまかに計算することは可能ではありますが、より具体的な金額を知りたい場合もありますよね。
実際に支給される失業給付額を求めるための計算は少し複雑ですが、手順を間違わなければ計算して求めることができます。
給付額を計算するためにポイントとなるのは、下記の3点です。
この3点の順番に計算式に当てはめて計算することで、具体的な給付額を求めることができます。
では、その計算式について、より詳しく解説していきましょう。
失業給付額を求めるための計算は、大きく3つに分かれています。
手順通りに計算することができれば、失業給付額を求めることができます。
それぞれの計算式とその方法は、以下の通りです。
賃金日額を求める計算式は、下記の通りです。
基本手当日額の計算のために必要な計算式は、年齢や賃金日額によって異なります。
その一覧は、以下の通りです。
◆離職時の年齢が29歳以下、65歳以上の場合
賃金日額 | 基本手当日額 |
2,500 円以上 5,010 円未満 | 0.8×(賃金日額) |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 0.8×(賃金日額)-0.3{(賃金日額-5010)÷(12330-5010)}×(賃金日額) |
12,330 円超 13,630 円以下 | 0.5×(賃金日額) |
13,630 円超 | 6815円(上限額) |
賃金日額 | 基本手当日額 |
2,500 円以上 5,010 円未満 | 0.8×(賃金日額) |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 0.8×(賃金日額)-0.3{(賃金日額-5010)÷(12330-5010)}×(賃金日額) |
12,330 円超 15,140 円以下 | 0.5×(賃金日額) |
15,140 円超 | 7570円(上限額) |
賃金日額 | 基本手当日額 |
2,500 円以上 5,010 円未満 | 0.8×(賃金日額) |
5,010 円以上 12,330 円以下 | 0.8×(賃金日額)-0.3{(賃金日額-5010)÷(12330-5010)}×(賃金日額) |
12,330 円超 16,670 円以下 | 0.5×(賃金日額) |
16,670 円超 | 8335円(上限額) |
賃金日額 | 基本手当日額 |
2,500 円以上 5,010 円未満 | 0.8×(賃金日額) |
5,010 円以上 11,090 円以下 | 0.8×(賃金日額)-0.35{(賃金日額-5010)÷(11090-5010)}×(賃金日額) 0.05×(賃金日額)+(11090×0.4) ※2つの計算式に当てはめて計算し、金額の低い方が基本手当日額となります |
11,090 円超 15,890 円以下 | 0.45×(賃金日額) |
15,890 円超 | 7150円(上限額) |
基本手当日額が判明した後は、下記の計算式に数値を当てはめれば、月額手当と手当総額を求めることができます。
会社都合退職の場合は、勤続年数が1年未満で90日間、1~5年未満で90~180日間、5~10年未満で120~240日間、10~20年未満で180~270日間、20年以上で240~330日間となり、年齢によって給付期間に幅があるのが特徴です。
失業給付額の計算を正確に行うためには、最新のデータを用いて行うことが重要です。
最新のデータは、厚生労働省が毎年7月1日以降に発表しています。
毎年、データを更新する理由としては、雇用保険法第18条の規定により、前年度の勤労統計における平均給与額の変動比率に応じて、その年の給与水準に修正する必要があるからです。
つまり、現段階では2019年7月1日以降に発表されたデータが最新ということになります。
データが最新版に更新されたかどうかは、更新時期が近付いてきた際にはしっかりとチェックしておきたいところですね。