会社に勤めている従業員の方は、基本的には社会保険に加入しなければいけません。
そうすると、毎月、社会保険料として給料から、結構な金額が天引きされますよね。
しかし、これは、健康保険として、医療費の負担を減らしてくれたり、将来もらえる年金としてのメリットなどを受けることができます。
これらは、基本的に会社勤めの人のメリットです。
しかし、社会保険料というのは、会社員の人の支払う分は、会社側と折半していることになります。
そうすると、直接的に、社会保険の恩恵を受けられるのは、会社員の方であって、会社側には何のメリットがあるのかという疑問がわいてきますよね。
そこで、ここでは、社会保険の会社側のメリットについて見ていきたいと思います。
目次
従業員には、保険料を給料から天引きされるという金銭的なデメリットはあるものの、いずれにしても加入しなければいけないものです。
会社で社会保険に加入しなかったところで、自分で国民健康保険に加入しなければいけません。
そうすると、会社側の半分負担がなくなるので、金銭的にはデメリットが大きくなります。
つまり、会社員としては、加入した方がメリットが大きいのではないでしょうか。
これに対して、会社側のデメリットはどのようなものが考えられるのでしょうか。
社会保険料はおおよそ給料の総額の15%程度となります。
総支給額30万円の社員の社会保険料は、およそ4万5千円程度ということになります。
そして、会社はその同額を納めることになりますので、30万円の給料を支払うためには、35万程度必要ということになります。
このように考えると、給料を多く払ってあげたいけれども、社会保険料の会社側の負担を考えると、社会保険料で持っていかれる分も考慮しなければいけなくなりますよね。
従業員を雇用し、社会保険に加入させるには、社会保険加入の事務的な手続きが必要となります。
また、毎年、7月10日の締め切りで、標準報酬月額の変更手続きとして、算定基礎届というものを作成し、提出しなければいけません。
この変更に伴い、9月からは、新しい標準報酬月額に基づき、従業員の社会保険料を見直す必要があります。
経済的だけでなく、事務作業の負担が増えるということも考えなければいけません。
このように見ていくと、会社側にはデメリットが大きいように思えますが、メリットはあるのでしょうか?
それでは、社会保険加入に関して、会社側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
会社側が社会保険に加入することのメリットは以下のようなことが考えられます。
それぞれのメリットについて見ていきたいと思います。
これは社会保険に限ったことではありませんが、会社を経営していく上では、コンプライアンスを遵守することは重要ですよね。
例えば、何かを販売するとなると、いくらサービス・消商品が良くても、同じような内容のものを扱っている会社はいくらでもあります。
その際に、取引先に、会社のことを調べられたりすることもあるでしょう。
もし、法律を守っていないなどといったような、会社の状況が良くないことが判明すると、取引が成立しなかったり、これまでの契約がなくなってしまうなどといったことにもなりかねません。
そういう意味で、コンプライアンスを遵守することは、対外的な印象を高めるので、社会的な信頼の向上につながります。
また、会社が完全に社長一人なら話は別ですが、会社というのは、従業員を雇用し、売り上げを上げていくのが一般的ですよね。
そうすると、従業員の雇用に関しては、できる限り、優秀な人材を確保したいものです。
これは、求職者の立場から考えるとわかりやすいですよね。
会社などで就職して働こうとするならば、いろいろな条件が良いほうが、望ましいに違いありません。
待遇面としては、給料や休日数が気になるのは当然です。
しかし、社会保険などそもそも加入していて当たり前のようなところが、きちんとされていないことは、従業員の雇用に関して、確実にマイナスになります。
このように、会社としてやるべきことをきちんと行うことは、優秀な人材確保への第一歩となります。
平成28年10月から、社会保険の対象範囲が拡大されています。
また、適用事業所であるにも関わらず、未加入の場合には、懲役や罰金などの罰則もあります。
そのようなことにならないように加入する必要があります。
これは、メリットではなく、当たり前のことでありますが、罰を受けないためにも、適用事業所の場合は、必ず加入しましょう。
社会保険は従業員の健康や将来の生活を守るために必要不可欠なものとなります。
そして、会社が社会保険の適用事業所の場合は、必ず加入させてあげることが、従業員のためでもありますが、それは、会社にも返ってくることとなります。
また、平成28年10月から社会保険の適用範囲が拡大され、パート・アルバイトでも社会保険の加入対象者となる場合がありますので、注意が必要です。
加入義務があるのに、加入しない場合には、罰則があるので注意が必要です。
正しい会社経営を行うことは、必ず、ご自身の会社の成長やメリットにつながります。
少しの費用負担や業務負担が増えるとしても、やらなければいけないことはきちんとやりましょう(*^^*)