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採用面接での質問禁止事項とは?選考での差別・NG・違法・罰則は

採用面接を行う上で、絶対にNGな質問があるのをご存知でしょうか。

人事や労務に長く携わる人であれば、当然知っているかもしれない採用面接の質問禁止事項ですが、新しく採用担当・面接担当となった場合にはわからないことも多いですよね。

基本的に、応募者を差別するような質問は、絶対にNGとなっています。

しかし、採用担当者・面接担当者がそれを知らずに質問をしてしまうと、相手からの印象を損ねるだけではなく、違法となり、罰則が生じる場合があります。

トラブルを回避するためにも、質問禁止事項はしっかりと把握した上で、採用面接に臨みたいですよね。

ここでは、採用面接における質問禁止事項や、NG質問をしてしまった際の対処法について、ご紹介します。

また、採用面接でNG質問をした場合に違法となるのか、罰則があるのか等についても詳しく見ていきたいと思います。

採用面接でNG質問をすることは違法?罰則もありえる?

そもそも、採用面接で質問してはいけない事項があるのはなぜなのでしょうか。

それは、採用選考は公正に行わなければならないと法律で定められているためです。

公正な採用選考とは、応募者の基本的人権を尊重すること、偏見による就職差別を行わないことを遵守したものとされています。

万が一にも、採用選考で基本的人権を侵害したり、偏見によって就職差別をしてしまった場合には、応募者の権利である就職の機会均等の権利が失われることになります。

そのため、採用結果に影響を与えてしまうような人権侵害や就職差別が懸念されるような質問は法律によって禁じられているわけですね。

つまり、採用面接においてNG質問をしてしまった場合には、違法となります。

違法行為をしたことが発覚した場合には、労働局から行政指導や改善命令の通達がある場合があります。

その通達を無視もしくは重ねて違法行為をした場合には、罰則として、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられる場合があります。

知らず知らずのうちに違法行為をしてしまわないように、採用担当者・面接担当者となった人は事前にしっかりと確認して把握しておくことが重要ですね。

採用面接における質問禁止事項と万が一の場合の対応方法について

それでは、採用面接において、どのような内容の質問が禁止事項に該当するのかについて見ていきたいと思います。

採用面接における質問禁止事項とは?

採用面接における質問禁止事項は以下となります。

  1. 本籍・出生地に関すること
  2. 家族に関すること(職業・続柄・健康・地位・学歴・収入・資産など)
  3. 住宅状況に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)
  4. 生活環境・家庭環境等に関すること
  5. 宗教に関すること
  6. 支持政党に関すること
  7. 人生観・生活信条等に関すること
  8. 尊敬する人物に関すること
  9. 思想に関すること
  10. 労働組合・社会運動に関すること
  11. 購読新聞・雑誌・愛読書等に関すること

1~5は本人に責任のない事項であるのに対して、6~11は本人の自由であるべき事項を指しています。

1~5については、面接を行う上で何気なく聞いてしまうこともありますし、応募者本人が話す場合もあります。

そのため、このような内容のやりとりは、あくまでも選考とは関係なく、緊張を緩和させるためのコミュニケーションとして話すのであれば問題はありません。

しかし、選考に直結させるように「あなたはどんな家に住んでいるんですか?」や「ご両親はどんなお仕事をされているんですか?」などと露骨に質問することは絶対にしてはいけません。

6~11については、本人の自由であるべき事項を指しているため、興味があるからといって選考で質問するのは避けるようにしてください。

尊敬する人物や好きな本についても、触れてはいけないというのは、長く採用担当をしている人でも、意外に感じる人もいるのではないでしょうか。

また、以下のような質問を行うことも禁止されています。

  •  何歳くらいまで働き続けられますか?
  •  今、交際している人はいますか?
  •  交際している人との結婚は考えていますか?
  •  結婚・出産しても働き続けられますか?

このような質問は、女性に対して行われることが多いかもしれません。

性差別に該当するような質問を行うことは、男女雇用機会均等法の趣旨に違反していることになります。

早期退職のリスクを避けたいからといっても、交際している人の有無や結婚・出産などについて聞くことは絶対にやめましょう。

NG質問をしてしまった際の対処法は?

どんなにベテランの採用担当者・面接担当者であっても、会話の流れで、ついうっかりNG質問をしてしまうケースもあると思います。

そのため、適切でないと判断できる質問をしてしまったと自覚した場合には、「こちらの質問は不適切でした」と訂正し、答える必要がないことを明確に伝えるようにしましょう。

この時、訂正せずに質問を押し通したり、執拗に聞いてしまったりすると非常に危険です。

面接終了後にそれを聞いた身内の人などが禁止事項に気づいたり、おかしいと思った応募者から、会社へクレームの連絡がくる可能性があります。

最悪の場合、訴えられて罰則を科せられる恐れもあります。

そのため、NG質問をしてしまった際には自身の間違いをしっかりと訂正し、真摯に対応することが重要です。

昔のように、会社のほうが立場が上だというような風潮はなく、労働者と使用者は対等な関係であることを理解する必要があります。

また、採用や労働に関しては、コンプライアンスが厳しくなってきていますので、会社や自分自身の立場を守るためにも、法律に触れないように採用面接を行うことが重要です。

質問事項リストを考えておくことがNG質問を回避するコツ

採用担当者・面接担当者が自覚していなくても、NG質問をしてしまった場合には違法となります。

そのため、採用面接を行う際には質問禁止事項をしっかりと確認して、把握しておくことが重要ですね。

また、採用面接前にあらかじめ質問事項リストを作成しておくこと、面接の1週間前に他の面接官や人事担当者などと質問事項を共有して内容を擦り合わせることを徹底すると、NG質問を回避できます。

その他にも、面接官の研修や打ち合わせを入念に行うことも重要です。

対策としては、面接の2週間前には質問事項リストを確認し、NG質問を把握した上で、1週間前から人事担当が中心となって面接のロールプレイング研修を実施するなどが挙げられます。

事前に準備していれば、採用面接でNG質問をすることも避けられますし、何より、応募者とのトラブルを回避することに繋がります。

万全の状態で採用面接を迎えられるように、こちらを参考にして準備していきましょう(^^♪

nemoto