今回はシール貼りの副業についてだ
シールぺたぺた楽そうですけど・・・
君は知らないんだね、あの実情を・・・
実際に経験者の声を聞いてみよう、
Yさん自己紹介お願いします
はい、私は子育てが落ち着いたので、現在製造業の分野で働いています
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数年前、少しでも家計の足しになればと思って、シール貼りの副業を始めました。
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本来なら外へ出てパートやアルバイトをした方が効率良くお金が稼げる事はわかっていましたが、まだ下の子供が幼稚園児という事もあり、自宅で地道に出来る在宅ワークを探していました。
最初はインターネットで仕事をチェックしていたのですが、やはり顔が見えない相手とメールでやり取りをするというのは抵抗がありました。
もちろん安心出来る業者もあるとは思いますが、それを見極める力は私にはなく、とりあえず知人に声をかけて良さそうな仕事があれば紹介して欲しいとお願いしました。
私の願いが伝わったようで、ママ友の知人が社長をしている会社でシール貼りのお仕事を請け負う事になりました。
在宅ワークと言えども、きちんと信頼できる相手に任せたいという社長の意向もあって、面接も行われました。
明るく気さくな社長ですが、サービス精神が旺盛で自分の会社の製品には並々ならぬ自信を持っておられます。
また私にシール貼りの仕事がまわってきたのは、前任者の都合が悪くなったためですが、その前任者がかなり真面目できっちりとされていた方という事を知り、改めて身が引き締まるような思いになりました。
家で仕事が出来る在宅ワークですが、自分で会社まで材料を取りに行き、シール貼りが終わった品物は再び納品に行かなければいけません。
ただ会社は自宅から車で15分程度の場所だったので、それほど手間には感じませんでした。
問題は一度に渡される仕事の量で、車のトランクはもちろん、後頭部席まで段ボールが占領し、自宅ではこの荷物をどこに保管しておこうかという事が気がかりでした。
取り敢えず在宅ワーク開始1日目となる日は、材料を置くスペース確保のために部屋の掃除から始めました。
一生懸命作業して出来上がった商品は、決められた納期に納品しに会社へ行きます。
いつも同じ担当の方がチェックして下さるのですが、流石にプロの目はごまかせません。
ほんの少しだけヨレている部分やシワになっている物もハネられてしまい、もちろんその分の報酬は頂く事が出来ません。
あまりの厳しさに「これぐらいのシワでもダメなんですか?」と不満を漏らした事がありますが、私のシール貼りは最後の工程で、この状態でお客さんの元へ行く事になり、お客さんからクレームが入らないよう些細な事でも気を配っているとの事でした。
ボツになってしまったのは残念ですが、確かに担当者の言う事はもっともな考え方で、それ以降はこれまで以上に仕上がり具合に気をつけるようにしました。
最初にシール貼りのお仕事の話を聞いた時は素直に「ラッキー」と感じていました。色々な在宅ワークがありますが、私の中ではシール貼りが一番単純で簡単なイメージがありました。
確かに1個あたりの単価は相当安いですが、自分の中ではシールを貼るだけの作業なら音楽を聴きながらでもテレビを観ながらも余裕で出来ると考えていたのです・・・
実際、作業を開始した直後は楽しく感じられて、「これなら永遠にでも作業が出来そう」とさえ思ったほどです。
ただし、仕事を進めていく中でシール貼りという仕事がなかなか過酷で厳しいという現実を思い知らされました。
単純作業ながら、とにかく段ボールの中身が減りません。
頑張ってシールを貼り続けても、1個あたりの単価が安いだけでに10円を稼ぐだけでもかなりの時間を要しました。
さらにシール貼りが大変なのは、次第に指がシールの糊でベタついてくる事です。あまりにもベタベタしている時は手を洗いに行きましたが、一気に仕事を片付けたいと思っている中では効率が良くありません。
指も痒くなるので使い捨て手袋をしてシール貼りをする事も試してみましたが、手袋にシールがついてしまうので、こちらは全く仕事が進みませんでした。
簡単な仕事というイメージがあったものの、仕事を進めていく中で想像していなかったデメリットを知る事になったのです。
仕事内容もさることながら、気を使ったのが作業をする時間帯です。
最初の頃は「たくさん仕事をこなしたい」という思いから、一日中シール貼りに没頭していました。
料理や洗濯など家事をする時以外は、ずっと同じ場所に座り黙々と作業をしていた訳ですが、子供が幼稚園から帰ると仕事に集中出来なくなります。
「大事なものだから触ったらダメだよ」と言い聞かせたものの、私が居ない間にこっそりシールを触っていた様子で、シールの一部が少し汚れてしまいました。
また商品自体には触らなくても、「遊ぼうよ」など言いながら私の肩に子供が手を乗せた途端、手元が狂って失敗した事もあります。
腹が立って思わず子供に怒鳴ってしまいましたが、そもそも私が在宅ワークを決めたのは、子育て中心の生活の中で少しお小遣いを稼ぎたいと思ったからです。
でもシール貼りに集中して子供の世話が疎かになるのなら本末転倒です。怒鳴ってしまった事を反省しつつ、それ以降は子供が幼稚園に行っている間と子供が寝てからの時間帯に作業する事を決めました。
少し手持無沙汰の時間帯に「作業したいな」と思う事はありましたが、準備や片付け作業も意外と時間を要するため、仕事にメリハリをつけるようにしました。
一日中ダラダラと時間をかけて作業するより、時間を決めた方が集中でき、失敗する事も少なくなったと思います。
数をこなしていく内に上手に早くシールを貼るコツが掴めるようになりました。
ボツになる商品も少なくなり、担当の方からも「前任者と同じぐらい上手くなりましたね」と誉められました。
自分の仕事を認められるようになったのは嬉しいですが、心身ともに疲れが溜まりやすい仕事でもあります。
集中して作業をすれば必ず肩こりや腰痛になり、仕事がなかなか進まなければ納期前日にかなり焦る事になります。
納期に関してはそれほど厳しくなかったのですが、せっかく信用され始めた頃なので中途半端な事はしたくありませんでした。
とにかく真面目にコツコツと、与えられた仕事を完璧にこなすのが目標となっていました。
私のシール貼りの単価は1つ0.5円程度でした。つまり1,000円の報酬を稼ぐためには2,000個も頑張らないといけない訳です。
在宅ワークに励んでいた頃は損得の事はあまり考えず、この仕事が今晩のおかずを一品増やせるかもしれない等と考えながら作業していたように思います。
順調に仕事をこなせば、1ヶ月分の報酬として1万円を超える事もあり、外で働きにくい状況だった当時はこのお小遣いが非常に有難かったです。
普通の仕事よりも汗水流して稼いだ仕事という感じもあり、結局在宅ワークで頂いたお金は貯金して手をつけずに残している状態です。
子供が小学生になったのを機に在宅ワークをやめ、パート勤務を始めました。
場所はシール貼りでお世話になった会社で、今は簡単な部品の製造に携わっています。
こちらも地道にコツコツと作業するので、地味で内職のような雰囲気もありますが、同じように作業をしている仲間もいるので楽しく、何より時給が良いのが魅力です。
製造業未経験だった私がパートして雇って貰えたのも、在宅ワークで頑張りを認めてもらったからだこそです。
パートのお給料からみると、在宅ワークで稼いだお金は微々たるものになりますが、当時の苦労が報われて良い職場で働けているので、あの時間は決して無駄なものでは無かったと思っています。