創業期の社長は、営業や事業企画担当であるとともに、 人事も庶務も法務も経理も全てに関わらなくてはならない ケースがほとんど。 間接業務はできるだけ手早く正確に こなしたいところです。 本書で会社設立からはじめての決算までの 「やってはイケナイ」 ポイントを効率的にチェック! 憂いのないスタートアップを! |
医療ドラマやコミックの主人公にはよく名外科医が登場します。そして名外科医の共通の背景は「オペの経験が多い」ということです。学歴より論文より「オペの数」こそが名医の証というのがドラマの前提です。
私たちは辻・本郷税理士法人会社設立センターとして年間数百の会社設立とその後の会計のお手伝いをさせていただいております。「オペの数」では相当な名医と自負しています。
ご依頼をくださるお客様はある分野の専門知識・ノウハウ、あるいは新しいアイデアやビジョンを持って起業されます。実業家として既に豊富なご経験、あるいは可能性をお持ちでも、会社設立や会計の細々とした手続きは苦手とおっしゃる方も多いです。そのあたりの一通りの知識は当然プロである税理士の方が豊富です。
しかし一方で税理士が教科書で学んだだけではわからないことがあります。それは「設立からはじめての決算でお客様が失敗するポイントはどこか?」ということです。これは単に税理士試験に合格しただけでは見当がつきません。
私たちは名外科医と同じく、年間数百の会社のスタートアップを支援していますので起業家の方々が失敗するポイントを経験的・統計的に把握しています。そしてその失敗のポイントから起業家の方々にとって必要な知識を解説したのが本書です。
税理士はプロですから税法の端々まで勉強する興味もモチベーションも持っています。しかも税法の根拠から順を追って教科書どおりに理解していきます。例えば「この税法はAだからB、Bなので実務の場面ではC、Dだと失敗するので要注意」というように。しかし起業家のみなさんにとって大事なのは実務の場面、もしかすると失敗例Dなのかもしれません。そこで思い切って税理士の学習プロセスとは逆さまの構成にしました。
失敗の回避というはっきりとしたテーマを常に掲げることで、必要な知識を効率的に習得し、スタートアップの忙しい起業家の皆様に本業に集中していただく一助となればと思い編集しました。