マリオ教授

銀行から融資と一言で言っても、それぞれの銀行には得意不得意、メリットデメリットがあります。自分達の目的によって使い分けましょう。

取引銀行はどうやって選ぶ?

日本政策金融公庫でお金を借りるにしても、融資金は銀行口座に振り込まれます。そこで、融資を受ける前にどこの銀行と取引をするのかを決める必要があります。
 水道光熱費、電話代、各種税金等の支払いは現金ではなく、銀行の口座引き落としを利用することをオススメします。口座を通して売上の入金や経費の支払いをすれば、全ての入金と出金が自動的に通帳に記帳されるので、帳簿をつける際にとても便利になります。例えば、毎日の売上金を日ごとに袋分けし、袋別に入金すればそれがそのまま売上帳として利用することができます。
 全ての取引を預金通帳に記録すれば、お金の動きが目に見えて把握でき、手元の残高がひとめでわかるので、資金繰りがわかりやすいというメリットもあります。
 しかし、銀行には都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、ゆうちょ銀行、ネット銀行などさまざまな種類の銀行があります。銀行によっては、金利、手数料などサービス内容が大きく違います。

〈 銀行の特徴 〉

都市銀行:日本全国でビジネス展開する企業向け

三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行等全国規模で展開している銀行です。大手の会社と取引をする場合に、振込先が大手都市銀行だと信用力が増します。1億円以上の大口融資にも対応してくれますが、業績の悪い会社への対応は保守的で、規模の小さな会社はなかなか相手にしてもらえません。創業して日が浅い起業家が初めから信頼関係を築くのは難しいかもしれません。

地方銀行:特定地域でビジネスを展開する企業向け

横浜銀行、静岡銀行、八十二銀行などのように各都市に基盤を置いて活動している銀行です。都市銀行よりも地域との密着性が強いのが特徴です。
都市銀行よりも気さくに融資の相談にも乗ってくれます。小規模な会社でも取引しやすい銀行です。

信用金庫:地域に密着したビジネスを展開する企業向け

営業地区内の中小企業や個人が会員となって地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした非営利の金融機関です。会員から預かった預金を、地域社会の中小企業や個人事業主や個人に融資し、地域社会の利益を優先する銀行です。一般的に都市銀行よりも決算書にとらわれる事なく、会社の将来性や社長の人柄、事業の成長への期待等を見て融資をしてくれるのが特徴です。

信用組合:地域に根ざし、同業種の組合に加入できる企業向け

組合員が相互扶助の理念に基づいて預金をしあい、必要なときに融資を受けられることを使命とする、地域密着型の非営利の金融機関です。信用金庫との違いは、信用金庫は誰でも預金できるのに対して、信用組合は組合員しか預金ができない等、相互扶助の精神がより強い地域密着型の金融機関です。地域の中小零細事業者や住民が作る「地域信用組合」、同業種の人たちで集まって作る「地域信用組合」、官公等、企業の職場に勤務する人たちが作る「職域信用組合」があります。

ゆうちょ銀行:全国からの振込みがある企業向け

全国に支店があり、郵便局の民営化に伴って設立された金融機関です。融資はスルガ銀行のローンを仲介する程度ですが、日本全国支店があるというメリットがあります。通信販売など小口の振込みが多い場合に便利な銀行です。

ネット銀行:インターネットによるビジネス展開をする企業向け

ジャパンネット銀行やソニー銀行、楽天銀行のように、原則的に店舗を持たず、インターネットによる取引を中心とした銀行です。一般の銀行より手数料が低く、24 時間決済可能なため、ネットショップを展開する際に便利な銀行。しかし融資の金利は高い。

マリオ教授

いくつかの銀行に迷っている場合は、素直に相談してみましょう。

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