【事例04】会社設立前に支出したものは費用にならないと思い、領収書を捨ててしまった

家でデータ入力等ができる主婦を集めて、事務処理代行の会社を設立しました。この事業を説明するために開いたお茶会の費用やチラシ印刷代は、会社設立前に支払ったので経費にならないと思い、領収書を捨ててしまいました。

失敗のポイント
会社設立前の支出は、会社の費用にならないと思っていました。会社設立のための「創立費」、営業を開始するための「開業費」は会社設立前の費用でも第1期の費用に含めることができます(資産計上も可能)。
正しい対応
会社設立前の支出も、領収書を保管しておきましょう。設立後に1期目の費用として計上するか、資産計上して償却していくこともできます。

【解説】

会社設立前の経費は、大きく分けて会社を法律的に作るための「創立費」と、営業を開始するための「開業費」の2つが考えられます。

創立費…

登録免許税、定款や諸規則作成費用、会社設立のための司法書士への報酬、株券印刷費用、金融機関の取扱い手数料、その他会社設立事務に要する費用

開業費…

土地・建物の賃借料、広告宣伝費、関係者との飲食代など接待交際費、従業員への給料、準備のための交通費、印鑑代、名刺代など営業を開始するための費用
 会社に資本金が払い込まれる前に発生したこれらの費用は、会社が支払うことができません。いったん個人で立て替えておき、「創立費」「開業費」といった資産に計上して償却することができます(事例53「開業費の節税メリットを生かしていない」参照)。
 今回のケースで、説明会費用やチラシ印刷代は営業を開始するために支払っていますので、開業準備費用にあたり、1期目の費用として計上できます。領収書はきちんと保管しておきましょう。

マリオ教授

面倒で放置しがちな領収書ですが、きちんと仕分けして管理しておきましょうね。

kuratomi