確定申告の時期になり、申告手続きをしに行こうと思っても、仕事が忙しくて、なかなか都合がつけられないこともあると思います。
仕事が忙しい時期であればあるほど、確定申告の負担は大きくなります。
そんな負担を少しでも軽くしたい、そう考える場合には、確定申告を代わりにやってもらうことはできないかと考えてしまいますよね。
しかし、確定申告は本人以外でも申告することは可能なのでしょうか?
また、確定申告を代理人が申告することができる場合、どのような点に注意する必要があるのか、十分に把握しておくことが重要です。
ここでは、確定申告を本人以外が提出することは可能なのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
目次
原則として、確定申告を行うことができるのは、申告者本人か、税理士のみとなります。
これは、確定申告書の作成が、税務書類の作成や税務代理にあたり、税理士でない者が代理して行うことは税理士法違反となるためです。
では、確定申告を代わりにやってもらうことはできないのかというと、そうではありません。
ここで、重要となるのが、申告者本人の意思によって作成されたものかどうかということです。
申告者本人の意思を無視して、故意に確定申告書を作成したと判断されたり、勝手に確定申告を行ったと判断されれば、それは税理士法違反となります。
税理士法違反となった場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、十分に注意する必要があります。
しかし、申告者本人の意思に基づいている場合であれば、それは税理士法違反とはなりません。
つまり、本人の意思に基づいて確定申告書を代筆したり、確定申告の代行を依頼した場合には、問題ないということですね。
そのため、代理人を依頼する際には、申告者本人の意思に基づいたものであること、「あくまでも、代筆や代行にすぎない」ことをしっかりと伝えておきましょう。
また、税務署の担当者に確認された時のために、申告者本人との関係性や、代筆または代行をしている旨をスムーズに伝えられるように、事前に打ち合わせをしておくことがおすすめです。
ここでは、確定申告を本人以外が行う場合について、ご紹介します。
確定申告を本人以外が行う場合の条件には、明確なものは存在しません。
しかし、誰でも良いのかと言われると、申告者本人との関係性によっては、怪しく思われてしまう可能性もあります。
それでは、代理人としてふさわしい関係性はどのような場合なのかについて、ご紹介します。
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
申告者本人の配偶者である場合には、代理人としてはスムーズに認められる傾向にあります。
特に、確定申告書を税務署に持参したり、医療費の領収証などを持参して税務署で確定申告書を作成してもらうことを依頼するのは、配偶者の場合が非常に多いですよね。
この場合、申告者本人の意思に基づいていると税務署側も判断するため、比較的スムーズに申告することができるでしょう。
配偶者の次に、代理人としてふさわしいと言えるのが、親族の場合です。
特に、配偶者がいない場合には、代理人として、親族に依頼するのも多いですよね。
しかし、親族の場合でも、申告者本人の意思に基づいていると判断されやすいといっても、親族であるかどうかの確認を求められる可能性もあります。
申告者本人の親族であることが証明できるように、親族関係が証明できる書類(身分証明書や委任状)などを持参しておくと安心でしょう。
配偶者、親族の次に依頼するのが友人・知人になりますが、あまりおすすめはできません。
友人・知人に依頼する場合、申告者本人との関係性や、代筆または代行をすることになった経緯をしっかりと説明することはもちろん必要です。
しかし、配偶者や親族の場合と比べると、どうしても違和感が生じてしまいますよね。
そのため、できる限り、配偶者または親族に代筆または代行を依頼するようにしましょう。
確定申告の代理人として、税理士法にも認められているのが、税理士法人です。
配偶者や親族に依頼することが難しい場合には、税理士法人に依頼するのが確実だといえます。
ただし、税理士法人以外の法人に依頼してしまうと、反復継続して、確定申告の代理をしていると判断される可能性が非常に高いです。
そのため、税理士法人以外の法人に依頼するのは、トラブルを避けるという意味でも、避けた方が賢明といえるでしょう。
確定申告を本人以外が行う場合に必要なものは、以下の通りです。
上記のように、申告者本人と代理人のそれぞれの身元確認、申告者本人から委任されたものであるということを証明する必要があります。
また、マイナンバーカードや通知カードであればその写しの添付を求められるため、あらかじめ、コピーしておくことが重要です。
これらのものを提示することができれば、確定申告書の代筆や、確定申告の代行として認められるわけですね。
また、代理人が配偶者や親族であり、確定申告書を提出するだけなのであれば、委任状は不要ですが、念のために用意しておくと安心でしょう。
確定申告を本人以外が行う場合の注意点は、以下の通りです。
確定申告を本人以外が行う場合には、税務署にチェックされる可能性が高いです。
そのため、配偶者または親族の場合であっても、申告者本人との関係性が証明できるものを持参しておいた方が安心といえるでしょう。
また、申告者本人ではなく、代理人がなぜ来ているのかについてもよく聞かれます。
その場合には、「確定申告書を代理で作成しました」「確定申告を代理でしに来ました」とは言ってはいけません。
なぜなら、税理士法違反として、最悪の場合は罰則を科せられる可能性があるからです。
それを避けるためにも、あくまでも、「確定申告書の提出を代行しています」などと伝えるようにしましょう。
確定申告書の代筆、確定申告に必要な書類の提出を代行してもらうことは可能です。
しかし、確定申告書を作成したり、代理で行うことは、原則NGとされています。
なぜなら、確定申告書の作成は、税務書類の作成や税務代理にあたり、税理士以外が作成するのは税理士法違反となるためです。
そのため、なぜ申告者本人が来ているのかと聞かれたとしても、「確定申告書を代理で作成した」などと伝えてしまうと、誤解されてしまう場合があります。
誤解されてしまうと、最悪の場合は罰則が科せられる可能性もあるため、あくまでも、本人の意思に基づいて、代筆または代行をしていると伝えることが重要です。