住宅ローンを利用して、マイホームを購入したり、バリアフリーなどの改修工事をした場合、住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除を受けるためには、初年度に必ず、確定申告が必要になります。
しかし、なぜ、確定申告が必要になるのでしょうか?
また、確定申告で住宅ローン控除を受ける際に、どのような書類が必要になるのか、2年目以降との手続きの違いとは、どのようなものなのでしょうか?
会社員であり、会社で年末調整を行っている場合にも確定申告は必要になるので、手続きの方法をしっかりと把握しておく必要があります。
ここでは、確定申告の住宅ローン控除の初回手続きについて、詳しく見ていきたいと思います。
また、2年目以降の住宅ローン控除の手続きとの違いについても、一緒に見ていきましょう。
目次
住宅ローン控除とは、年末の住宅ローンの残高に対して、源泉徴収された税金が戻ってくる制度のことをいいます。
住宅ローン控除は、「住宅借入金等特別控除」とも呼ばれています。
住宅ローン控除を受けるためには、初回手続きとして、確定申告は必須です。
これは、初年度の住宅ローン控除の申請は年末調整では対応できないためです。
しかし、会社員の場合、会社が年末調整をしてくれていることもあり、確定申告を行ったことがない人がほとんどではないでしょうか。
そのため、確定申告の必要書類、手続きの流れなど、わからないことが多いと思います。
特に、住宅ローン控除を受けるためには、本来の確定申告の必要書類の他にも、必要になる書類がいくつかあります。
また、手続きの流れも異なるため、確定申告のやり方を事前に確認しておきましょう。
ここでは、確定申告の住宅ローン控除の初回手続きについて、ご紹介します。
確定申告の住宅ローン控除の初回手続きに必要なものは、以下の通りです。
初回手続きに必要なもの | 入手方法 |
確定申告書(第一表と第二表) | 税務署 国税局のホームページ |
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | |
源泉徴収票 | 勤務先の会社 |
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 取引先の金融機関等 |
土地・建物の登記事項証明書 | 現住所を管轄する法務局 |
売買契約書または建築請負契約書 | 取引先の不動産会社 |
通知カードまたはマイナンバーカード | 現住所の市区町村役所 |
それでは、それぞれの書類について、詳しく見ていきましょう。
確定申告書は、以下の方法で入手することができます。
税務署に出向くのが厳しい場合には、国税局のホームページから書式のPDFをダウンロードするのがおすすめです。
また、確定申告書にはAとBがありますが、それぞれの書式の違いは、以下の通りです。
自分の職業・所得状況に合わせて、適した書式を用いて、確定申告を行うようにしましょう。
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書とは、売買契約書や登記事項証明書等を元に、必要事項を記入して、控除額を計算するための書類になります。
確定申告書と同様、現住所の管轄の税務署に出向くか、国税局のホームページから書式のPDFをダウンロードすることで、入手することができます。
また、住宅ローンが夫婦での連帯債務となっている場合等には、「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」の提出も必要になります。
会社員の場合には、12月頃に勤務先の会社から源泉徴収票が発行されます。
源泉徴収票は、所得金額を証明するだけでなく、源泉徴収された所得税額等を把握することができる重要な書類となります。
確定申告を行う際にも必要となる非常に重要な書類であるため、大切に保管しておきましょう。
紛失してしまった場合には、勤務先に再発行を依頼する必要がありますが、確定申告に間に合わなくなる可能性もあるので、注意が必要です。
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書とは、年末時点での住宅ローン残高を証明する書類になります。
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書は、毎年10月頃にローンを組んでいる金融機関等から郵送されます。
年末時点でも手元に届いていない場合には、金融機関等に発行を依頼する必要があります。
また、住宅ローンを2ヶ所以上の金融機関等から借り入れている場合には、すべての証明書の発行が必要になるため、注意しましょう。
土地・建物の登記事項証明書とは、その土地や建物の登記情報を証明する書類になります。
借入金の使用用途が、建物のみの取得である場合には「家屋の登記事項証明書」、建物だけでなく土地の取得も含んでいる場合には「敷地も含めた登記事項証明書」が必要です。
土地・建物の登記事項証明書は、現住所を管轄する法務局に登記されているので、申請して入手しましょう。
住宅ローン控除の手続きをするためには、「売買契約書」または「建築請負契約書」の写しが必要です。
これらの書類は、土地や住宅の取得について、契約内容を確認するための書類になります。
確定申告を行う際にも必要な書類となるため、大切に保管しておきましょう。
もし、契約書を紛失してしまった場合には、契約をした不動産会社等に問い合わせて、契約書の写しを取らせてもらうようにしましょう。
確定申告には、通知カードまたはマイナンバーカードの写しが必要になります。
具体的には、上記の写しを準備するようにしましょう。
通知カードの場合には、通知カードの写しに加えて、運転免許証やパスポート等の本人確認書類の写しも併せて、提出します。
また、マイナンバー制度が導入されたことにより、2016年分の申告から「住民票の写し」の提出が原則不要になっています。
しかし、通知カード・マイナンバーの代わりに、住民票、運転免許証、パスポート等の本人確認書類など、マイナンバーが記載された書類の写しを利用することも可能です。
確定申告の住宅ローン控除の初回手続きの流れは、以下の通りです。
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
上述しましたが、住宅ローン控除の確定申告に必要な書類はたくさんあります。
書類によっては、すぐには取得できないものもあるため、必要書類が足りないということがないように、余裕を持って集めることが重要です。
必要書類を揃えた後は、確定申告書に必要事項を記入し、管轄の税務署で提出します。
確定申告書を記入するための手順は、以下の通りです。
確定申告書の記入ができたら、必要書類とともに確定申告書を提出します。
住宅ローン控除についての記入方法がわからない場合には、税務署窓口や市区町村の相談コーナーで対応してもらうことができます。
記入漏れなどの不備があったり、書類が不足していたりといったことがないように、事前に相談しておきましょう。
確定申告の手続き完了後、還付金が発生する場合には、還付金が指定口座に振り込まれます。
還付金が振り込まれるのは、1ヶ月程度かかります。
住宅ローン控除の初回手続きと2回目以降との違いは、以下の通りです。
住宅ローン控除の初回手続きと2回目以降との手続きの大きな違いは、確定申告をする必要があるかどうかです。
初回手続きの場合は、会社員の場合であっても、確定申告をするのは必須になります。
これは、初年度の住宅ローン控除の申請は、会社で行う年末調整では対応できないからです。
2年目以降は、サラリーマンなどの給与所得者であり、給与所得以外の収入がない場合には、年末調整で対応することが可能です。
ただし、年末調整で申請し忘れた場合や、書類の不備や不足分があった場合には、自分で確定申告をする必要があります。
2年目以降の確定申告は、初回の確定申告よりも負担は少なくなりますが、年末調整で申請するのを忘れてしまうと手間がかかるので、注意しましょう。
住宅ローン控除を受けるためには、初回手続きとして、確定申告が必要になります。
しかし、会社員として、会社で年末調整を行っている場合であっても、初年度には確定申告は必要です。
そのため、住宅ローン控除を受けるための必要書類を揃えて、確定申告の手続き方法も正しく把握しておく必要があります。
また、住宅ローン控除を受けるための必要書類は、すぐには取得できないものもあります。
上記を参考に、どこで取得できるものなのかを正しく把握して、余裕を持って書類を揃えて、住宅ローン控除を受けましょう。