新たに労働者を雇用した際に、会社側がしなければいけない手続きはたくさんあります。
社会保険の資格取得届や雇用保険関連など、「保険」と名がつくものが重なるとややこしいですね(^^;
雇用保険の手続きとしては、雇用保険被保険者資格取得届というものをハローワークに提出しなければいけません。
入社の際には、雇用保険被保険者資格取得届、退職の際には、雇用保険被保険者資格喪失届です。
わかりにくいですよね^^;
大きな会社だと、雇用や労務に関しての部署があり、手続き等を専門に行っている人がいるかもしれません。
しかし、小さな会社や個人事業主の方は、雇用自体があまりなく、たまに、手続きがあると、その都度、書き方がわからなく「どうするんだったかな?」となったりしますよね。
そこで、ここでは、雇用保険被保険者資格取得届の書き方を記入例とともに見ていきたいと思います。
目次
雇用保険被保険者資格取得届は、雇用保険の適用事業所において、新たに労働者を雇い入れたときに、提出しなければいけません。
雇用保険の対象となる労働者とは以下の条件に該当する場合です。
正社員としての雇用であれば、間違いなく該当しますが、パート・アルバイトでも該当する場合がありますので、上記の条件にあてはまるのどうかを確認するようにしましょう。
雇用保険被保険者資格取得届の提出はハローワークとなります。
また、提出期限は、労働者が、被保険者となった日の属する月の翌月10日までとなっていますので、注意が必要です。
万が一、提出期限が過ぎた場合にはどうなるのでしょうか。
手続が3ヶ月以上遅れた場合は、全期間の賃金台帳・出勤簿(タイムカード)を併せて提出する必要があります。
また、6ヶ月以上遅れた場合には「遅延理由書」の提出が求められる場合もあるようです。
また、遅延だけでなく、届け出ない場合には、「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」という罰則の定めがあるので注意が必要ですね。
そのため、作成と提出は、面倒くさいからと言って、後回しにせずに、すぐに済ませるように心掛けることが重要です。
ハローワークに雇用保険被保険者資格取得届を提出し、加入手続きを行うと雇用保険被保険者証が交付されます。
交付される書類には会社が保管するものと従業員へ交付するものがあります。
※雇用保険被保険者証については、従業員が退職した際に、失業給付の手続きや次の会社での雇用保険の手続きの際に使用します。
そのため、退職時まで預かっているという会社も多いようです。
雇用保険被保険者資格取得届ですが、用紙はハローワークにあります。
また、ハローワークのホームページからダウンロードして記入することもできますし、ホームページ上で入力してから印刷することもできます。
雇用保険被保険者資格取得届について、ハローワークでもらった用紙や、ネット上で印刷した用紙に、手書きで記入する際の注意点は以下となります。
また、手書きの場合には、ボールペンなどではなく、鉛筆またはシャーペンで記入することになっています。
それでは、それぞれの記入方法について見ていきましょう。
個人番号欄には、対象の従業員のマイナンバーを記入します。
過去に雇用保険に入ってなかった場合は空欄にします。(新卒者など)
最後に雇用保険に入っていた日から7年経過している場合も空欄にします。
過去に雇用保険に入っていた場合(中途採用者など)には、前の勤務先から退職時に渡されている、「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(被保険者通知用)」に記載の被保険者番号を記入します。
2の被保険者番号がなければ1新規、あれば2再取得です。
被保険者の氏名を漢字とカタカナで記入します。
フリガナは姓と名で1マス空けておきましょう。
再取得の場合で、被保険者証の氏名が、結婚などで現在の氏名と異なっているときに記入します。
被保険者の性別の番号を記入します。
生年月日は、元号は該当するものの番号を記入します。
年、月、日が1ケタの場合は、10のくらいの部分に0を付けて2ケタで記入します。
【例】昭和51年5月6日の場合は、「3-510506」のように記入します。
事業所番号を記入します。
雇用保険に加入している企業に対して割り振られる、4ケタ-6ケタ-1ケタの、合計11ケタの番号です。
上記のいずれかを選びます。
それぞれについてですが、以下のような場合となります。
・新規雇用(新規学卒)
新規学校卒業者のうち、資格取得年月日(入社日)が3月1日から6月30日までの間である者を雇用した場合
・新規雇用(その他)
中途採用や役員が雇用形態の変更で労働者となった場合など
・日雇からの切り替え
日雇労働者や31日未満の有期雇用で雇用保険未加入であった者を、一般の労働者として雇用する場合
・その他
①その被保険者が雇用される事業が新たに適用事業となった場合
②適用事業に雇用されていた被保険者が出向し、出向先で新たに被保険者資格を取得していた場合であって、出向元に復帰し、出向元で再度被保険者資格を取得することとなったとき
③同一の事業主の下で、船員と陸上勤務を本務とする労働者(船員でない労働者)との間の異動があった場合
・出向元への復帰等(65歳以上)
65歳以上であり、出向先から出向元に復帰し雇用保険の加入事業者が変わった場合など
入社日時点における賃金の支払の態様を、月給・週給・日給・時間給・その他から選びます。
そして、賃金月額を千円単位で記入します。
正社員で月給の場合は、そのまま記入すれば良いのですが、時間給の場合は、1ヶ月の所定労働時間をかけた額を記入します。
通勤費は、6ヶ月で定期代を支給している場合などは、1ヶ月分で計算した額を加算します。
住宅手当など諸手当は含みますが、残業代や賞与などは含みません。
【例1】月給20万円、住宅手当2万円、通勤手当6ヶ月6万円の場合
通勤手当は1ヶ月分の1万円を加算し、23万円となります。
月給なので「1-230」と記入します。
【例2】日給:1万円、1ヶ月の所定労働日数:20日、通勤手当:1ヶ月5,000円の場合
日額1万円×20日に通勤手当5千円を加算し、20万5千円となります
日給なので「3-205」と記入します。
【例3】時給:1,200円、月の所定労働時間:100時間、通勤手当1ヶ月1万円の場合
時給1,200円×100時間に通勤手当の1万円を加算し、13万円となります。
時給なので「4-130」と記入します。
資格取得年月日の欄には、入社日を記入します。
試用期間、研修期間があった場合も含めて、雇用開始の初日を記入します。
雇用形態については、以下より、現時点での雇用形態を選択してください。
研修期間が終わった後に、正社員になるなどという事情があっても、あくまでも現時点での雇用形態で構いません。
職種は裏面に記載してありますが、以下から選択します。
職業経路の欄には、以下より、就職に至った方法を選んでください。
入社時点での1週間の所定労働時間を記入します。
契約期間の定めがある場合は、「1有」を記入し、契約期間を記入します。
また、契約更新条項の有無の記入も必要です。
契約期間の定めがない場合は、「2無」を選択します。
最後に事業主の氏名や所在地を記入します。
これで問題なく提出できる書類が完成となります。
給料や雇用形態など、現時点(採用時点)と翌月以降にすぐに変更になる場合もあるかと思いますが、これらの記載事項は、提出時点での状況を記入すれば良いことになっています。
雇用、退職などの手続きは、面倒くさいので後回しにしてしまいがちですよね笑
しかし、後回しにしたところで、どうせしなければいけません。
それなら、できる限り、早めに済ませてしまうほうが良いですよね。
6ヶ月以上遅れてしまったら、「遅延理由書」なるものを提出しなければいけませんので、こちらのほうが面倒くさいですよね^^;
また、届け出ない場合には、「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」という罰則がありますので、提出しないわけにはいきません。
また、適切に処理を行わなければ、せっかく入社してくれた従業員にも迷惑が掛かってしまいます。
いざ、やってみたら、それほど面倒くさくありませんので、こちらを参考に適切に処理してしまいましょう♪