現在の勤務先を退職しよう思ったり、違う仕事をしてみたいと思ったりして、在職中に転職活動をするという人も多いかと思います。
そのような場合に、幸いなことに、在職中に転職先の内定をもらうことができ、現在の会社を退職するという流れになることもあります。
そうすると、現在の会社を早めに退職し、できる限り、新しい会社へ転職したいものですよね(^^)
そして、現在の会社では、もし有給休暇が残っているのであれば、できれば、最後は有給消化をして、退職したいですよね。
退職前に最後の出勤を有給消化としてしまうのは、もちろん、問題ありません。
しかし、この有給消化中に、次の仕事、つまり転職先で勤務することは可能なのでしょうか。
そこで、ここでは、有給消化中に次の仕事・転職先で勤務は可能なのかについて見ていきたいと思います。
この間の交通費の清算も、ややこしい問題となりますね。
また、このような場合には、社会保険・雇用保険はどうなるのでしょうか。
目次
有給消化中に、新しい会社で勤務することが可能かどうか、就業規則の面と社会保険・雇用保険の面の2つの観点から見ていきたいと思います。
有給休暇の消化中は、あくまでも前の会社に勤務していることになります。
そうすると、有給休暇の消化中に、新たな会社で働くということは、一時的に2箇所で就職していることになります。
このこと自体は、掛け持ちのアルバイトと変わりはありませんので、法律的には何の問題もありません。
しかし、二重就業、つまり副業を禁止している会社はたくさんあります。
そうすると、副業の禁止という就業規則に違反していることとなり、何らかのペナルティを課されてしまう可能性があります。
退職する会社の就業規則で禁止されていると、退職金がある場合には、減額されたり、最後の賞与の支払いがまだであれば、これも減額されてしまう可能性があります。
法律で禁止されていなくても、できればこのようなトラブルは避けたいものですよね。
また、転職先も副業を禁止している場合も考えられます。
退職する会社であれば、悪印象をもたれても、もう辞めるので、良いかもしれません。
しかし、転職先の会社に、悪印象を持たれるのは良くないですよね。
このように、前の会社と新しい会社の就業規則で、副業が禁止されていれば、有給消化中からの勤務は避けたほうが良いでしょう。
しかし、どちらの会社でも、副業が禁止されていなければ、有給消化中に勤務することは問題ないかと思われます。
それでは、社会保険や雇用保険の面ではどうでしょうか。
社会保険の健康保険と厚生年金については、二重加入は可能です。
しかし、二つの会社で負担を分けるなど、手続きが面倒で複雑となります。
そのため、どちらの会社も良くは思わないのではないでしょうか。
また、雇用保険は、そもそも、二重には加入できないので、有給消化中に資格喪失の手続きを行うか、新しい会社への加入を先延ばしにするかしなければいけません。
このように、就業規則の面、社会保険・雇用保険の面から、有給消化中に次の会社で勤務するのは、様々な弊害が考えられます。
これらの条件をすべて満たしている場合には、有給休暇の消化中に新しい会社で働くことは可能です。
しかし、どうでしょうか。
これらをすべて満たしているというのは、退職する方の会社において、退職者が、新しい会社に転職することを応援しているというような状況でない限りは、非常に難しいのではないかと思います。
そのような非常に稀なケースに該当するのであれば、有給休暇中に、新しい会社で働き始めることは、まったく問題ないでしょう。
また、このような退職する会社と円満な関係が築けているのであれば、残った有給休暇を買い取ってもらうという方法も良いのかもしれないですよね。
有給休暇の買い取りは、原則として、法律で禁止されていますが、退職時の買い取りの場合は、例外として認められています。
条件的に問題ないのであれば、有給消化中に次の会社で勤務するのは構わないかと思いますが、そこまでして、働く必要があるのでしょうか。
そもそも、有給休暇の消化中に新しい会社で働く必要があると考えられるのは、以下の3つではないでしょうか。
上記の2つに関しては、メリットとデメリットを考えたうえで、判断してもらえば良いのではないかと思います。
金銭面で困っているとしても、前の会社の有給消化中の分は、給料として支給されますので、余計なトラブルを避けるためには、何とか1ヶ月程度辛抱するしかありません。
また、有給消化中に暇を持て余している場合にも、何とか、有効な時間の使い方を考えて、やり過ごすのが良いのではないでしょうか。
これらは、自分の側の都合なので、1ヶ月程度であれば、何とか、我慢したいところですよね。
しかし、次の会社に早く来るように言われている場合には悩みますよね(^^;
次の会社に早く来るように言われる理由とは何なのでしょうか。
会社・採用側の考えとしては、早く欠員を埋めたいのと、採用活動を確実に終わらせたいというのが大きな理由なのではないでしょうか。
どうしても早く来てもらいたいという会社側の都合なのであれば、自分の都合や現在の会社の状況を伝えたうえで、最善の方法を相談するのが良いでしょう。
新しい会社で、どうしても、手が足りていないなどと言う場合には、副業禁止の就業規則が何とかなるのか、社会保険や雇用保険の面で、良い落としどころがあるのかどうかを相談してみると良いでしょう。
また、会社側の都合として、確実に入社してもらえるかどうかが不安な点については、自分が確実に入社するという意思を見せられれば、特に問題はないのではないかと思います。
ですので、いずれにしても、次の会社と、しっかりとコミュニケーションをとったうえで、良い方法を考えていくのが望ましいですよね。
退職前の有給休暇中は、時間的にも気分的にも自由に感じます。
退職する方の会社への気持ちは薄れてしまっているでしょうし、そこの会社に縛られることもなくなったという状態ですよね。
しかし、退職すると言っても、有給休暇中は、あくまでも、前の会社の在職中であり、そこでの就業規則に従わなければいけません。
せっかくの新しい門出に、余計なトラブルは起こしたくはないものです。
不安な点は、次の会社としっかりとコミュニケーションをとって、解決するのが良いのではないでしょうか。