どこがどう変わり、何をどう活かせるのか? 「ポイントがまとまっていてわかりやすい」と評判の西村昌彦税理士が、会社法について行ったセミナーの口語録。 これまでの旧法を参照しながら、現状を振り返らせ、改めて会社法を確認するのにピッタリな一冊。急速な変化に対応するためにはぜひ! |
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次のpoint90(12ページ)に行きましょう。ここが非常に大事になります。 先ほども少しお話をしましたけれども、取締役会のない株式会社や監査役のいない株式
会社ができますよ、という話です。 現在、株式会社の機関設計は、一律に決められています。まず、株主総会があります。 その下に取締役会があって、取締役会の構成員として取締役がいるわけです。株主に代わ
って、取締役会とか、あるいは取締役の見張り番として監査役。だから、取締役というの は、取り締まられ役なのですね。監査役というのは、取締役の見張り役です。株主に代わ
って取締役を監視するのが監査役です。この四つの機関が最低限必要です。 あと、大会社につきましては、委員会設置会社という形で、監査役がいない代わりに委 員会というものを設けることもできます。監査委員会とか、報酬委員会とか、指名委員会
を設けて、監査役がないという。これは本当にばかでかい会社の話です。上場会社でも一 部の会社、一部の限られた会社しか採用していない状況です。ですから、今回は、そうい
う話については横においておきましょう。通常のパターンとしては、この四つの機関が必 ず必要だということです。この機関設計が、新会社法におきましては自由になります。
最低限必要なのは株主総会、これは絶対必要ですよね。株式会社ですから、株主総会が なければ話になりません。あと、必要なのは取締役、あとは、ある程度会社の任意で設け
たり、あるいは設けなかったりすることができます。 それでは、どのように自由な機関設計ができるのかということですけれども、これを一 つ一つ言葉で説明するのは面倒なので、一覧表にしたものが資料編12ページの表です。こ
れで、すべてを網羅しています。いろいろな組み合わせを考えますと、実際には使えない ような組み合わせ、現実には利用価値のないような組み合わせもありますけれども、数字
上は39通りの組み合わせがあることになっています。 これを一つ一つフォローしていくと大変ですので、現行ではできない機関設計で、実用 性の高いもの、その辺にポイントに絞りますと、大体四つのパターンに限られてきます。
今回はその四つのパターンだけお話をしておきたいと思います。