1-09「相続税評価額」は「時価」ではない

書籍 同族会社のための「事業承継」

今年の税金改正では、「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度が創設されました。この制度を選べば、事業承継の相続税の負担が猶予される可能性も出てきました。セミナーの人気講師でもある西村昌彦税理士が、今回事業承継を検討する経営者の立場で法活用を伝授する一冊。会社法や税法の解説から綴られた「法解釈本」とは一線を画す、実用的ノウハウ本です。

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1-09「相続税評価額」は「時価」ではない

 ここで、もう一つ確認しておきたいことがあります。
 今お話した評価方法ですが、これはあくまでも「相続税」評価額の算定方法です。
 これを再確認していただきたいと思います。
「相続税」評価額と強調したのは、要するに、相続税とか贈与税を計算する上での評価額とい
うことです。
 最近、未上場会社でも、M&Aが増えつつあると聞いています。
 一般的に、会社を売ったり、買ったりするときに、その時の株価は、この相続税評価額でよ
いのでしょうか。
 また、だんだん日本人も権利意識が強くなってきており、今後、株主と会社との間で、株式
の売買価額の交渉をしなければいけない局面も出てくると思います。
 そのようなときに、この相続税評価額は一つの参考株価にはなりますけれども、オールマイ
ティーではないというところにご注意していただきたいと思います。
 つまり、相続税評価額と時価というのは、別物だということです。
 時価というものがありまして、それとは別の次元で、相続税評価額があるという話になりま
す。
 「相続税評価額すなわち時価」ではないということを、しっかりと認識しておいていただきた
いと思います。
 株主から買取り請求が来るとか、M&Aをするとか、また、そういう事態ではなかったとし
ても、たとえば、皆様方の同族グループ内で、個人が持っている株式を持株会社に売るとか、
あるいは自己株式として会社が買い取るとか、そういうケースがいろいろと出てくると思うの
です。
 そのときに、売買価額は、果たして、相続税評価額でよいのかという問題があるわけです。
 結論から言うと、相続税評価額では不完全だということです。
 ここで、ちょっとまとめさせていただきます。
 株式を売買するという状況を思い浮かべてもらいたいのですが、まず、売り主と買い主がい
ます。
 売り主も買い主も、お互いに身内同士という前提で考えてください。
 他人が入ってきますと、もっと条件設定が複雑になってきますので。
 まず、売り主が個人、買い主も個人のケースです。
 つまり、お身内同士、親族間で売買しましたといった場合です。
 つぎは、売り主は個人、買い主は法人のケースです。
 皆様方のグループ会社が、株式を買い取りますよ、といった場合です。
 今度は、逆に、売り主は法人、買い主は個人のケースです。
 グループ会社間でお互いに株を持ち合っていたので、それを解消するために個人が買い取り
ました。
 そういったケースを想定していただければよいと思います。
 それから、最後に、売主も、買主も法人のケース。
 つまり、同じグループ会社間で株式を売買する場合です。

これら各ケースのうち、将来的には変わるかも知れませんが、現状の税法で相続税評価額が
使えるのは、①のパターンだけです。
 現状では、個人対個人の売買に限り、相続税評価額を使って売買しても、おそらく当局のお
咎めはないだろうという状況です。
 それ以外のパターンにおいては、すべて時価ということで、相続税評価額ではだめという話
になります。

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