融資が受けられない?!何度も直した事業計画書が完成
今回は山のような書類と困難な審査に立ち向かったある起業主の物語だ
書類・・・ぼ、僕電子派なんで・・・
てか漫画で説明とか入っていないと無理みたいな・・・
つまり大量の文字を受けつけないわけね
「起業=忍耐強さ」だということを学ばされるよ。
- 新規の場合はとにもかくにも事業計画書に力を入れよう
- 事業計画書の内容は素人でも分かるように、「分かりやすく」
- 一緒にタッグを組む税理士のキャリア(経験してきた融資)はきちんと把握しておこう
それでは、インタビューに協力してくれたSyuichiさん、簡単に自己紹介をお願いします。
Syuichiです。
もともとは新聞販売店を経営していましたが、ネットの普及、電子化の波に押され天然水の宅配を新規事業として始めました。
私が新聞販売店を創業したのは5年前のことです。
ですが、ネットの普及や電子化の波におされ経営が難しくなったため新規事業として天然水の宅配を始めることにしました。
目次
~昨日までの仲間が今日の敵?~
新聞販売店を創業して5年目、読者の新聞離れから将来の経営に不安を感じていました。営業努力だけではカバーできない配達部数の減少の原因は、スマホを始めとするインターネット環境の普及です。また発行本社もネットユーザーの獲得に力を入れ有料のネット読者の獲得に勤しむようになりました。すなわち、発行本社が最大のライバルになったのです。
まずは自分たちがどう生き残っていくかを考えるんだ。
~新規事業に今のうちに手をださないと・・・~
紙媒体の新聞は、今後増えることはないと確信しました。また、前年比マイナスでも安定した売上がある今こそ事業展開を他業種に伸ばさなければいけないとも確信しました。
配達網を利用した他業種展開を必死に考え、天然水の宅配にたどり着きましたが、事業資金が不足していましたので、税理士と相談した結果、商工中金から融資を受けることにしました。
売上が完全に不安定になってからだと、どこからも融資してもらえなくなりますもんね。
~とにかくがんばって!いざ商工中金へ~
そこからが大変でした。今までに、日本政策金融公庫や信用金庫から保証協会の保証を受けての融資は経験していました。しかしながら、商工中金の書類は、その2つの借入先の書類を足して2倍にしたような膨大な量でした。
新聞配達網を利用するのですが、天然水の宅配は、新規事業とみなされましたので、一からの書類作成を税理士と開始しました。さっそく、許可関係の書類で難航しはじめましたが、保健所などの許可の目処がたちいよいよ事業計画書です。商工中金の担当者からも新規ですので事業計画書が融資の最大のポイントですと念を押されていました。
販売計画・売上計画・資金計画と計画書を積み重ねようやく完成した事業計画を引っ提げて、いざ商工中金へ向かいました。商工中金では、担当者に上司も同席し書類を読んでいましたが、時間がかかるとのことで、後日連絡待ちになりました。意気込んだ割には少し肩透かしを食った感じで帰路へ1週間後担当者から連絡があって、3度目の商工中金へ向かいました。
なかなかスパッとしたスタートを切る、て難いんすんね~
~税理士の頼りない一言~
担当者との面談で、事業計画書は、素人が読んでも解るように書いてほしいと言われました。
3度目の融資で3度目の事業計画書ですが、素人が読んで解るような事業計画書とは、どのようなものか見当も付きませんでした。ここは、税理士と入念な打ち合わせをと思い、税理士にどうしたら良いのか尋ねると、今頃になって商工中金の融資は初めてとの返事でした。
「会社の規模を大きくするなら、今回は商工中金でと奨めたのはあんたでしょ!」と思わず声も大きくなりましたが、怒ってもしょうがないので、税理士と顔を突き合わせて事業計画書の作成に取り掛かりました。
~それでもあきらめず、力作の事業計画書が完成!~
この事業計画書は、天然水とは?から始まって5年後の収支計算まで詳細に書き込んだ力作です。
今回こそは合格だ!との意気込みで、いざ商工中金へ向かいました。結果、再び書類は、預かりになりました。
この場合、預かりが良いということは後で知りました。受理されると訂正できなくなって商工中金の会議にかけられるのです。担当者は、心を鬼にして力作の事業計画書を送り返し、融資が通る努力をしてくれていたのでした。
なんというか・・・
もう本当に辛抱強くないとやっていけないわね・・・
~努力は報われる~
ということで、再び帰ってきた事業計画書を見ると少しの修正で済みそうでしたが、今度こそ正式に受理してもらえるよう入念に見直し修正しました。
そして、4度目の商工中金へ向かいますと担当者と上司が出迎えてくれました。事業計画書以外は全てクリアしていましたので、事業計画書のみを二人で読んでいる姿を見ながら不安と高揚感でドキドキしました。いくつかの質問を丁寧に返し少しの間を挟んで商工中金の担当者が「よく、ここまで仕上げくださいました」と笑顔を向けた後、頭を下げてくれた瞬間は、ドラマの主人公になった気分で「ヤッター」と拳を突き上げました。
かくして、天然水の事業を立ち上げることに成功した嬉しさは、今でも忘れることができません。
本当にお疲れ様です。
でも忍耐強く耐えて必死に立ち上げた事業なので、そのぶん絶対にうまくやってやるぞ!て気分になりました(笑)
最初の苦労はやっぱりきちんとくぐったほうがいいと思います。