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有限会社の設立

有限会社の設立

起業を考えたり個人事業を法人化したりする際に決める必要があるのが、「どういった会社形態で設立するのか」です。株式会社以外の形態として、まず思いつくのは「有限会社」ではないでしょうか。街を歩いていても、有限会社と書かれた会社の看板を目にする機会もあります。しかし、2019年時点で有限会社は新しく設立することができません。今回は、有限会社の設立ができない理由や、現在設立できる会社形態について解説します。

1.有限会社はすべて10時年以上の歴史がある?有限会社とは

たしか、会社には株式会社と有限会社の2種類があるのですよね。違いはあんまりよくわからないけど、僕が起業するなら、あまり大きな会社は難しいだろうから有限会社かなぁ

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

ふむ、さとし君が有限会社を起業か……断言しよう、100%無理だな

え、ひどい!僕だってしっかりと勉強すれば!!

さとし君
さとし君

ふふ、そういう問題じゃないのよ。今は法律が変わって、新しく有限会社を作ることができなくなってしまったの。だから、さとし君だけじゃなくって誰にも作ることはできないわ

アンナ先輩
アンナ先輩
マリオ教授
マリオ教授

その通り。では有限会社について少し解説していこうか

有限会社とは、設立時の資本金が300万円以上(法改正前の株式会社は1,000万円以上)、社員数が50名以下など、株式会社よりも設立のハードルが低く、中小規模の会社設立に適した会社形態のことです。日本には、個人経営や家族経営など閉鎖的な会社が多いため、日本の風土と相性が良いとされてきました。国税庁のデータによれば、1998年度には、全法人のうち、株式会社が42.9%であることに対して、有限会社は54.4%と、半数以上を占めており、実際に日本社会に根付いていたことがわかります。

そんな有限会社ですが、2006年の法改正によって、新たに有限会社を作ることはできなくなりました。ただ、「新しく作ることができない」というだけで、有限会社がなくなったわけではありません。法改正以前に有限会社だったものに関しては、株式会社などへの変更義務はなく、「特例有限会社」として今でも存在しています。つまり、現存している有限会社はすべて2006年以前に設立された法人です。少なくとも10年以上の歴史を持った会社だということですね。

2.どうして有限会社は設立できなくなってしまったの?

どうして有限会社を作ることができなくなってしまったの?

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

ふむ。一概には言えないが……さとし君は有限という名称を見てどういう印象をうけるかね?

えっと、限界があるってことだから、小規模なイメージかなぁ

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

当時もそういうイメージを持つ人が少なくなくて、信用力を上げる目的で無理やり株式会社の形態にする企業が増えていたんだ。一方で、資本金が1億円を超えるような有限会社も出てきて、有限会社と株式会社を分ける意味がなくなってきたのが一因ではあるな

経済のグローバル化にあわせて、より自由度を持つ企業や経営ができるようにという意味合いもあるのよね

アンナ先輩
アンナ先輩
マリオ教授
マリオ教授

そうした理由で、明治時代から少しずつ改変をしながら使ってきた商法や有限会社法なんかが、会社法としてまとめて刷新されたんだ?

有限会社は、設立時の資本金が株式会社よりも少なく役員の任期や決算の公告義務がないなど、設立や経営が株式会社に比べて簡素です。そもそも有限会社は、持分(株式会社でいうところの株式にあたる)を譲渡する予定がありません。多くの出資を募り、大規模な経営を目指す株式会社と、閉鎖的な有限会社とでは経営の基本理念が異なるものとして差別化されていました。

しかし、「有限」という言葉のイメージや、「株式会社」のブランド力などから、社会的信用は株式会社の方が高く見られることが一般的です。そのため、信用力を上げる目的で、本来有限会社の規模であるはずの企業でありながら株式会社の形態をとる企業があふれてきたのです。そうした小規模の株式会社は、株式の譲渡を制限する規定を設けることが多く、株式会社という名前ではありますが、実態は有限会社に近いものでした。一方で資金が1億円を超えるような有限会社も多くあらわれ、有限会社と株式会社の差異が形骸化してしまったことが大きな理由です。

また、株式会社では負債総額が200億円以上の会社には会計士による監査義務がありますが、有限会社にはこれがありません。そのため、資金の豊富な企業が、監査逃れのために有限会社として運営するケースもあり、問題視されていました。こうしたケースをなくすことも有限会社を設立できなくなった理由の一つです。

3.現在設立できる4つの会社形態とは?

有限会社が設立できなくなったってことは、今は株式会社しか作れないってこと?

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

いや、株式会社を含めて現在は4つの会社形態があるよ

株式会社、合同会社、合資会社、合名会社、ですよね

アンナ先輩
アンナ先輩
マリオ教授
マリオ教授

その通り。しかし、合資会社と合名会社に関しては、無限責任といって負債を抱えた際の社会的救済が少なく、個人事業主との差があまりないんだ。だから、企業を考える際には株式会社か合同会社のどちらかを考えるのが一般的だな

新しく有限会社を作ることができなくなった法改正によって株式会社を設立するために必要な資本金が、それまでの1,000万円から1円に引き下げられました。そのため、現在は当時の有限会社以上に株式会社設立のハードルは低くなっています。さらに、有限会社に代わる会社形態として、合同会社が新たに作られました。こちらも資本金は1円から設立することができます。

株式会社は、社会的信用度が高く株式などによる資金調達をしやすいのが特徴です。一方で、設立の際には複雑な手続きや必要な諸経費が多く、資本金が1円から可能だからといって、1円で会社を設立することができるわけではありません。合同会社は、株式の発行ができず大きな資金を集めにくいのが特徴です。しかし、経営の自由度は株式会社よりも大きく設立に必要な手続きも比較的簡単なことが魅力といえます。

合資会社や合名会社は、無限責任といって、万が一負債を抱えてしまった際に個人の資産をなげうってでも責任を負うことが必要です。そのため、最悪の場合には自己破産に追い込まれる可能性もあります。法人税が適用されたり、社会保険への加入が認められたりするなどのメリットはありますが、個人事業主との差はあまりありません。株式会社に比べると設立に必要な手続きやコストは少ないですが、合同会社と比較した際にはあまり大きなメリットは感じられません。

4.新「株式会社」と「有限会社」はどう違う?

新しく会社法が制定され、有限会社が廃止された後の新しい株式会社は、どのような特徴があるのでしょうか。まず、最も大きな違いは資本金が1円から設立可能という点です。法改正以前は、株式会社の設立には1,000万円以上、有限会社でも300万円以上の資本金が必要だったことを考えると、起業のハードルは大きく下がったといえます。また、株式会社を設立するための人数も取締役が3人以上と監査役が必要でした。しかし、法改正により1人でも設立することが可能(有限会社は元々1人から可能)になったのです。

有限会社は、設立のハードルが低い代わりに「従業員は50人以下という制限」「株式を発行して資金を集めることができない」など、会社を大きく成長させるのが難しい会社形態といえます。しかし、新しい株式会社は有限会社以上に設立のハードルが低く、会社を大きくさせることへの制限がありません。法改正によって、より多くの人が事業の規模にあわせて起業することが可能になりました。そういった面で新しい株式会社は、法改正前の株式会社と有限会社の良いとこどりだともいえます。

しかし、社会的信用の高い株式会社には、その信用に応じた社会的な責任も伴います。取締役の任期に期限があることや、決算の公告義務があるなど、経営の透明性が求められるのです。特に、株式会社の中でも株式を公開している上場企業の場合は取締役会の設置や、監査役の設置など、より高い透明性や社会的責任が求められ、有限会社や合同会社などに比べて経営上の制限があります。

また、有限会社は出資者と経営者が同じことがほとんどですが、株式会社の場合は、出資者(株主)と経営者が異なる会社も少なくありません。そのため、「経営者が自由に経営することができるのはどちらか」ということも有限会社と株式会社の違いの一つです。ただ、有限会社が自由で株式会社がそうでないのかというのは一概には言えません。経営方針を自分で決められるのを自由と考えるのか、より大きな資本を動かしてできることを増やすのが自由と考えるのかによっても変わります。有限会社でも出資者が一人なのか複数いるのかによっても変わってくるでしょう。

5.新「合同会社」と「有限会社」はどう違う?

法改正によって新しく有限会社を設立することはできなくなり、その分株式会社を設立するために必要なハードルが下がりました。しかし、やはり株式会社と有限会社とでは経営の基本理念が違います。会社をオープンにして、より大きく発展させることを目的とする株式会社に対して、閉鎖的で比較的経営の自由が利くのが有限会社の特徴でした。そういった基本理念を受け継ぎ、有限会社に代わる会社形態として注目されているのが合同会社です。そのため、有限会社と合同会社はかなり特徴が似通っています。ともに有限責任で、株式の発行はなく、基本的に経営者と出資者は同一となることがほとんどです。

また、決算公告の義務はなく監査役も特に必要ありません。では、有限会社と合同会社の違いはというと、やはり設立時に必要な出資金の金額です。有限会社は設立時に300万円以上の出資金が必要でしたが、合同会社は、新しい株式会社と同じく出資金1円から設立することができます。そう考えると、有限会社は300万円以上の出資金で設立しており、10年以上は経営が続いている会社なので、現代においては、ある程度社会的信頼がある会社だといえるでしょう。今後、法改正から時間が経つにつれ、有限会社の価値が上がっていくかもしれませんね。

6.新株式会社と合同会社、有限会社と比べて起業しやすい?

会社の種類がわかってきました!有限会社はもう新しく作ることはできなくて、新しく作るなら株式会社か合同会社なのですね

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

そういうことだ。初期費用やランニングコストがかかる分、社会的な信用度が高い株式会社にするのか、コストが抑えられて決算公告などの義務がない合同会社にするのかは、自分の目指す会社の形や事業内容をよく考えることが大切だね

私は起業するなら、女性実業家としていろんな企業相手にバリバリと取引していきたいから株式会社かしら

アンナ先輩
アンナ先輩

僕は……う~ん、まだわからないや

さとし君
さとし君
マリオ教授
マリオ教授

焦って決めることはないさ。とにかく、株式会社にせよ合同会社にせよ、会社設立に必要な出資金が少なくなったことで起業しやすくなったのは確かだね

新しい株式会社と合同会社は、ともに設立時の出資金が1円以上なので、有限会社や法改正以前の株式会社に比べて起業するためのハードルは下がっているといえます。しかし、会社を設立するためには、出資金以外にも登録免許税や定款認証費などの登記費用が必要です。これが、株式会社の場合は少なくとも20万~25万円ほど、合同会社では6万~10万円ほどかかります。また、出資金は1円からでも設立できるとはいっても、取引相手として信用されるためには、やはりある程度の出資金は必要です。そのため、他企業との取引も視野に入れるのであれば本当に1円というわけにはいきません。ただ、そういったことを含めてもやはり起業しやすくなったことは間違いないでしょう。

6.有限会社を作ることはできないが、より起業しやすい環境になっている

起業や法人化を考える際に比較的容易に起業できるという理由で候補にあげられる「有限会社」は、法改正によって2006年5月1日以降は新しく設立することができなくなりました。それと同時に、株式会社を設立する際に必要な資本金が1円に引き下げられ、また有限会社と同じような性質を持つ合同会社ができたため、有限会社以上に起業しやすい環境になっています。それぞれの仕組みを理解して、起業を検討してみてはいかがでしょうか。

1段落:国税庁法人数
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/kaishahyohon
1998/03.htm

2段落:wikipedia 有限会社
https://ja.wikipedia.org/wiki/有限会社
2段落:Jnet24
https://j-net21.smrj.go.jp/index.html
3段落:freee 会社設立の基礎知識
https://www.freee.co.jp/kb/kb-launch/gohdogaisha-merit-demerit/
3段落:司法書士行政書士ながふち事務所会社組織の特徴
https://www.nagafuchi.net/kaisha-soshiki.html

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