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YouTuberが事務所に所属するメリットとは?企業案件を獲得できる?

有名なYouTuberの中には芸能人のようにマネジメント事務所に所属している人もいます。もっとも、YouTuberのマネジメント事務所は最近になって増え始めたものであるため、業務内容などの実態がイメージしにくい方も多いと思われます。そこで、YouTuberがこうしたマネジメント事務所に所属することにどのようなメリットがあるのか、またYouTuberにとって大きな収益源となる企業案件を獲得しやすくなるのか等について解説します。

1.YouTuberのマネジメント事務所とは何か

YouTuberとして有名になったら芸能事務所に所属するのかな~?
さとし君
さとし君
芸能事務所というより、YouTuberに特化したマネジメント事務所に所属していることが多いみたいよ。
アンナ先輩
アンナ先輩
YouTuberとして人気が出てくると事務所からスカウトがあるかもしれないね。
マリオ教授
マリオ教授

(1)YouTuberのマネジメント事務所の実態

YouTuberのマネジメント事務所は、基本的にYouTuberの動画制作や広告宣伝活動をサポートしています。事務所はYouTuberが出演するイベントを開催してくれることもあります。また、企業案件とも呼ばれる企業の製品やサービスの宣伝を目的とした動画制作業務を事務所が獲得してくれることもあります。

YouTuberのマネジメント事務所として有名なのはUUUM株式会社です。HIKAKINさんなど多くの人が知っている著名なYouTuberが所属しています。UUUM株式会社はYouTuber事務所としては国内初の上場も果たしていますので、名実ともにYouTuberのマネジメント事務所としては最大手といえるでしょう。

(2)YouTuberがマネジメント事務所に入るには

YouTuberがマネジメント事務所に所属するためには、YouTuberから事務所に直接応募する方法だけでなく、事務所からのスカウトを待つ方法もあります。チャンネル登録者数の多いYouTuberであればスカウトを受ける機会も多いようです。もっとも、YouTuberのマネジメント事務所は数多くあり、事務所ごとに方針やサポートしてくれる業務や報酬の配分が異なります。したがって、どの事務所に所属するかは慎重に検討することが大切です。

2.事務所に所属するメリット

YouTuberは自分で動画を作って配信するだけだから事務所に所属する意味があまりなさそうだけど…
アンナ先輩
アンナ先輩
事務所の所属するメリットとして、企業からの広告用動画の作成業務を開拓してくれる点もあるようだ。
マリオ教授
マリオ教授
YouTubeからの広告料収入とは別に企業からも業務を受注できれば売上げが相当増えそうだね!
さとし君
さとし君
ただし、事務所に所属するとYouTuberの収入の一部を事務所に分配する契約となっていることも多いです。費用対効果はよく考えましょう。
松浦弁護士
松浦弁護士

YouTuberが事務所に所属すると、YouTuberの収益の一定割合をマネジメント事務所に配分する契約内容となることが一般的です。したがって、事務所に所属しない場合に比べてYouTuber本人が獲得できる報酬が減る可能性があることは理解しておく必要があります。これにもかかわらず、マネジメント事務所に所属しているYouTuberが多いということは、事務所に所属することに一定のメリットがあるからにほかなりません。

YouTuberがマネジメント事務所に所属するメリットとして一般的に指摘されているのは以下のようなものです。ただし、マネジメント事務所ごとにどのようなサポートを受けられるかは異なりますので、必ず契約前に事務所に確認するようにしましょう。

(1)企業案件の獲得

人気YouTuberの大きな収入源になっているといわれているのが企業案件という、企業の商品やサービスをPRする目的の動画を制作して配信する仕事です。昨今では、人気のあるYouTuberはテレビを超えるほどの影響力を持つことがあります。例えば、企業が自社で新しく発売する化粧品を女性に人気のあるYouTuberに提供し、そのレビュー動画を制作してYouTuberのチャンネルで配信してもらえれば、その化粧品のターゲット層と重なるYouTuberのチャンネル登録者に対して効果的に広告ができます。

YouTuberの本来的な収入は、動画の再生回数に応じてYouTubeから支払われる広告料収入ですが、企業案件を獲得できればYouTubeからの広告料収入とあわせて企業からの広告料も獲得できます。このため企業案件は、YouTuberにとって魅力的な収入源といえます。大手のマネジメント事務所に所属することで企業案件を受けやすくなる可能性が高いため、この点が事務所に所属するメリットといわれています。

もっとも、企業案件に関しては有名YouTuberであればあるほど事務所に所属しなくても直接企業からアプローチを受けることがあります。このため、自分自身の力でYouTuberとしての知名度を向上させることができるのであれば、事務所に所属しなくても企業案件を受注すること自体は可能です。

(2)イベント開催など広告宣伝活動

最近では、YouTuberが芸能人と似たような活動を始めるケースが増えてきました。単に動画配信をするだけでなく、リアルの世界でイベントに登壇したりグッズを販売するケースも見られます。このような大規模なイベントに参加できることは、事務所に所属しているYouTuberならではのメリットといえるでしょう。事務所に所属していないYouTuberが単独でイベントを開催することができないわけではありませんが、チケット販売や集客など管理上の手間が大きいため現実的ではありません。

3.事務所と契約する際のチェックポイント

事務所に所属する場合には、必ず契約書を作成します。
松浦弁護士
松浦弁護士
お互いの業務内容とか報酬についてきちんと決めておかないとね!
さとし君
さとし君

YouTuberがマネジメント事務所に所属する場合には、必ず事務所との間で契約書を締結する必要があります。その際にチェックすべきポイントは以下のとおりです。

(1)業務内容

事務所側がYouTuberに提供する業務内容については十分に確認しておく必要があります。後で説明するように、YouTuberが事務所に所属するとYouTuberの収入の一部を事務所に分配する必要があります。したがって、YouTuberとしては事務所に所属することにより1本の動画から得られる収益が減少することになるため、その収益源を上回るメリットを事務所から受けることができるのかを検討する必要があるのです。

事務所がYouTuberに対して提供する業務内容としては、YouTuberの広告宣伝活動、イベント開催、企業案件獲得のための営業活動、動画制作の補助などがあります。

(2)報酬

上でも説明した通り、事務所に所属した場合にはYouTuberが動画配信により得た収益の一部を事務所に報酬として分配する契約となっていることが一般的です。具体的には収益の10%~20%が報酬と定められている例が多いようです。

契約の際に注意したいのは、この報酬の対象となる動画の範囲です。事務所に所属するYouTuberの配信する動画には、大きく分けると、事務所の営業努力と無関係に制作された動画と企業案件など事務所の営業努力によって制作された動画の2種類があります。後者については報酬の対象となることは仕方ないとしても、前者については必ずしも報酬の対象とする必要はありません。なぜなら、前者の動画の配信について事務所側の寄与がないといえるためです。もっとも、前者の動画について事務所が制作のための人員手配などの補助を行っている場合には、前者についても報酬の対象となることはあるでしょう。したがって、契約書を確認する際には、具体的にどのような業務に対してどの程度の報酬が発生するのかを理解し、業務と報酬額が見合うのかを十分に検討することが重要です。

(3)動画の著作権

YouTuberが制作してチャンネルで配信する動画の著作権について、事務所側に譲渡する条項になっている場合には要注意です。著作権法の原則から言えば、制作者であるYouTuberに著作権が帰属します。この著作権を事務所側に譲渡する契約条項となっている場合には、YouTuberは自身の制作した動画を自由に編集したり利用することができなくなってしまいます。ただ、事務所の営業努力により獲得してきた案件に関する動画である場合には、著作権が事務所に譲渡されるケースもゼロではありません。もっとも、YouTuberとしては動画こそが重要な収益源であるため著作権は安易に手放さないという意識をもっておくことが重要です。

4.まとめ

YouTuberが事務所に所属するメリットは個々のYouTuberによって異なります。野外ロケや動画編集作業の負担が重いYouTuberであれば作業を補佐してくれる事務所に助けられることもあるでしょう。他方で、第三者に拘束されずに自由に活動したいYouTuberにとっては事務所に所属するメリットはそれほど大きくないともいえます。芸能人と異なりYouTuberの場合には、事務所に所属しなくても活動ができるため有名YouTuberでも事務所に所属していない人が多くいます。したがって、事務所から提供を受ける業務内容次第を見たうえで、そのYouTuber自身にとってどの程度、事務所と契約をするメリットがあるのかを個別に検討することが重要といえます。

松浦綜合法律事務所