パパママ育休プラス制度の手続き申請方法!延長のパターンについて
パパ・ママ育児休業プラスは、2010年から始まった育児休業期間に関する制度です。
パパ・ママ育休プラスとは、夫婦で育児休業を取る場合の休業期間の延長制度で、男性、つまり、父親の育児参加や、育児休業取得を促すのが狙いです。
政府は、男性の育休取得を「2020年までに13%」を目標に掲げていますが、2019年度の男性の育休取得率は、過去最高の7.48%となっています。
ここでは、このパパママ育休プラス制度について、手続きや申請方法、延長のパターンについて、くわしく見ていきたいと思います。
目次
パパママ育休プラス制度とはどのようなもの?
それでは、このパパママ育休プラス制度とは、具体的にはどのような制度なのでしょうか。
くわしく見ていきたいと思います。
パパママ育休プラス制度とはどのような制度?
パパ・ママ育休プラス制度とは、夫婦で育児休業を取る場合に、育休の期間を延長することができるものです。
男性の育児参加や、育児休業取得を促すのを狙いとし、夫婦ともに育児休業を取得する場合、通常より育児休業期間を2ヶ月延長でき、子どもが1歳2ヶ月になるまで取得可能となります。
特別な事情がある場合には、育休期間を延長することが可能ですが、原則、夫婦それぞれ1人が取得できる休業期間の上限は、1年間となります。
母親の場合は、8週間の産後休業が終了してから、育休を取得するため、実質、子どもが1歳になるまでの10ヶ月程度となります。
育休は、連続して、1回のみ取得するのが原則ですが、出産後8週間以内に、父親が育休を取得した場合、再度、育休を取得することができるようになっています。
パパママ育休プラス制度の取得条件は?
パパ・ママ育休プラス制度を利用するためには、前提として、育休を取得できる条件に該当していることと、以下の条件を満たすこととなります。
- 妻が、子どもの1歳到達日以前に育休を取得している
- 夫の育休開始予定日が子どもが1歳になる日以前である
- 夫の育休開始日が妻の育休期間の初日以後である
ただし、育休の期間は、親1人につき1年間までとなります。
なお、法律上の夫婦だけでなく、事実婚のような関係でも制度を利用することが可能です。
パパママ育休プラス制度の手続き・申請方法は?
パパママ育休プラス制度は、育休開始予定日の1ヶ月前までに申請する必要があります。
自分で手続きを行うことも可能ですが、会社で用意してもらう書類があるため、通常、会社を通じて、手続きを行ってもらいます。
また、配偶者が育休を取得していることを証明する書類が必要となります。
そのため、通常の育休の申請に加えて、以下の書類が必要になります。
- 住民票の写しなど(育児休業給付金の支給対象者の配偶者であることが証明できる書類)
- 育児休業取扱通知書の写しなど、配偶者が育児休業を取得していると確認できる書類
(配偶者の雇用保険被保険者番号がわかる場合は省略可)
パパママ育休プラス制度を延長するにあたって、育児休業給付金(育休手当)の受給期間を延長することも可能となります。
育休手当の受給を延長する場合には、育休開始の2週間前までに申請する必要があります。
育休取得の際の注意点について
法律上、育休の申し出は、育休開始日の1ヶ月前までとなっていますが、会社の状況や仕事の引き継ぎなどもあるので、育休取得の相談は早めに行うのが良いでしょう。
産前産後は、いろいろしなければいけないことも多くバタバタしますが、会社側は、産休を取得している従業員の状況がわかりません。
そのため、無事出産した際には、会社に早めに伝えておくのが望ましいです。
その際に、育休取得について確認を行い、開始日と終了予定日をきちんと申請しておくと良いでしょう。
特に、父親の場合には、自分から伝えないと、妻の妊娠や、自分が育休を取得したいという希望があることは会社にはわかりません。
育休取得を相談するときに伝えるべきことは以下となります。
- 出産予定日
- 育休開始と終了の希望日
- 育休を利用する(利用したい)理由
- 家族の状況
- 育休中の業務について
- 保育所の入園時期や入園できる可能性
- 保育所に入園できない場合の対応
パパママ育休プラス制度取得例・パターンは?
それでは、パパママ育休プラス制度の取得例・パターンについて見ていきたいと思います。
父親と母親が交互に育休を取得するパターン
父親と母親が交互に育休を取得することで、切れ目なく育休を取得することができます。
この場合には、夫婦合わせて、子どもが1歳2ヶ月になるまで、育休を取得することが可能です。
母親が仕事を復帰した際に、父親が育休を取得して、家事や育児を行うことで、母親は安心して仕事に復帰しやすいですよね。
父親と母親が同時に育休を取得するパターン
父親と母親が2人で一緒に、かつできるだけ長い期間にわたって育休を取得したいという場合です。
しばらくの期間、父親と母親が育休期間を重ねて取得することで、夫婦が協力・分担して、家事や育児を行うことができます。
母親は、子どもの世話の仕方を、父親と一緒に体験しながら伝えることができます。
また、公園や子育てひろばなどに一緒に行くなど、父親が子育てや家事の方法を引き継げるようにするのが良いでしょう。
産後の女性は大変なので、父親が産後から育休を取得すれば、2人で家事や育児を分担できるので、母親の産後の負担も軽減することにもなります。
父親と母親が同時に育休を取得するパターン
母親が育休から仕事に復帰した後、両方ともに働いている状態になったとしても、子どもが1歳になるまでであれば、父親は育休を取得することが可能です。
両親の会社や仕事の事情により、母親の仕事復帰と、父親の育休取得の間がうまくつながらない場合には、このようなパターンになることもあります。
保育園にスムーズに入園できた場合だけでなく、祖父母の手を借りることで、このようなパターンとなる場合もあります。
1歳2ヶ月まで育休を延長できないパターン
母親の育休開始日が、父親の育休開始日より前の場合には、パパママ育休プラス制度は利用できませんので注意が必要です。
育休の取得は計画的に行うことが重要!
上記で見てきたように、父親と母親が育休を取るパターンはいくつか存在します。
そのため、妊娠中に、育休の取得時期をどうするか、どのタイミングで取得するかといったことを、夫婦で話し合っておくのが良いでしょう。
希望通り、夫婦ともに育休を取得できるのかどうかは、会社の状況にもよってきますので、出来る限り早めに、会社に希望を伝えて、相談するのが重要です。