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住民税の確定申告しないとダメ?年末調整以外に手続き必要な場合とは

確定申告や年末調整では、税金の申告をしますよね。

基本的には、確定申告や年末調整をしていれば、住民税の申告は行う必要はありません。

しかし、現在の就職状況が無職の場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります。

また、自営業や個人事業主、フリーランス、アルバイトなどで所得を得ているのに対して、確定申告を期限までにしていない場合には罰則を受ける場合があるので注意が必要です。

住民税の申告が必要な場合であっても、手続きをしっかりと行っていなかった場合には、同様に罰則を受けることもあるため、重ねて注意するようにしましょう。

ここでは、住民税の申告において、確定申告をしていないとどうなるのか、確定申告や年末調整以外に手続きが必要な場合について、詳しく見ていきたいと思います。

住民税の申告は必要?確定申告してないとどうなる?

確定申告や年末調整をしている場合には、住民税の手続きも完了します。

住民税の手続きが完了する理由は、住民税の計算方法が関係しています

住民税は、前年度の所得によって計算されます。

確定申告や年末調整をすることで所得税が決定するため、そのデータが税務署から住民票所在地の自治体に転送されることによって、住民税額が決定します。

つまり、前年度の所得税が決定しないと住民税の計算ができなくなるため、確定申告や年末調整をする必要があるというわけですね。

また、年度途中で退職して、年度末まで就職していない場合にも、確定申告が必要な場合があります。

確定申告が必要な場合などの詳しい内容は別途解説しますが、期日までに確定申告をしなかった場合には、無申告加算税を課されたり、延滞金が発生する可能性があります。

故意に申告しなかった場合には、刑事責任が追及され、5年以下の懲役または500万円以下の罰金を受けることもあります。

上記の罰則は、住民税の申告をしなかった場合にも同様の罰則を受ける可能性があるため、注意しましょう。

確定申告や年末調整以外に手続きが必要な場合とは?

確定申告や年末調整をしている場合には、住民税の手続きも完了すると上述しました。

確定申告や年末調整をしていない場合には、下記の条件に該当する人は、住民税の申告が必要になります。

また、確定申告や年末調整をしている場合にも、住民税の申告が必要になる場合があります。

ここでは、確定申告や年末調整以外に住民税の手続きが必要になる場合について、詳しく見ていきたいと思います。

確定申告や年末調整以外に手続きが必要な条件は?

1月1日現在に住民票所在地に居住している場合には、下記のような条件に該当する人は、住民税の申告が必要です。

確定申告や年末調整をしている場合

確定申告や年末調整をしている場合においても、下記の条件に該当する人は住民税の申告が必要になります。

  • 勤務先から給与支払報告書の提出がない人
  • 給与所得以外にも年間20万円以下の所得がある人

上記のように、勤務先から給与支払報告書の提出がない人や、給与所得以外にも年間20万円以下の所得がある人は、住民税が発生します。

また、1月1日現在に住民票所在地に居住していない場合にも、住民票の市区町村に家屋などの固定資産を所有している場合には住民税が発生するので注意しましょう。

確定申告や年末調整をしていない場合

確定申告や年末調整をしていない場合には、下記の条件に該当する人は住民税の申告が必要になります。

  • 給与所得以外で年間20万円以下の所得がある人
  • 年間の給与所得が103万以下であり、98万円以上の所得がある人
  • 課税・非課税証明書が必要となる人
  • 確定申告不要制度を利用した公的年金受給者の中で、年金以外の所得がある人

住民税の対象者となった場合には、所得控除を受けることができます。

住民税に適用される控除は、条件を満たしていれば、さまざまな種類の控除を受けることが可能になります。

ただし、配偶者控除は、年間103万円以下に給与所得を抑えたとしても、年間98万円以上の所得が認められた場合には控除を受けることはできません

ここで注意したいのは、所得税は所得が年間103万円以下であれば発生しませんが、住民税は所得が年間98万円以上あれば発生してしまうという点です。

所得税よりも住民税の方が発生する額の基準は低くなるため、上記の条件に該当する場合には、住民税の手続きを忘れずに行うようにしましょう。

住民税の申告が必要な場合に受けられる控除とは?

上記の条件に該当している場合には、住民税が発生するため、住民税の申告が必要になります。

住民税の申告が必要な場合には、さまざまな控除を受けることが可能になると上述しましたが、実際にはどのような控除が受けられるのでしょうか。

その内容について、詳しく見ていきましょう。

基礎控除33万円
扶養控除
(一般扶養控除)
33万円
寡婦(寡夫)控除
(※特定の寡婦)
26万円
(※30万円)
配偶者控除最高33万円
(70歳以上の配偶者の場合は最高38万円)
障害者控除
(※特別障害者)
26万円
(※30万円)
勤労学生控除26万円(本人が勤労学生の場合)
医療費控除(実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額)-10蔓延または合計所得金額が200万円未満の場合は所得金額の5%
雑損控除①(差引損失額-総所得金額)×10%
②災害関連支出の金額-5万
※①と②のどちらか多い方

扶養控除については、19歳以上23歳未満の特定扶養親族の場合は45万円、70歳以上の老人扶養親族の場合は38万円、老人扶養親族と同居している場合は45万円がそれぞれ控除されます。

障害者控除については、本人または控除対象配偶者や扶養親族が特定障害者である場合は30万円が控除、特定障害者と同居している場合は53万円が控除されます。

また、上記に挙げた控除以外にも「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」も受けることができます。

住民税の方が所得税よりも控除を受けられる基準が易しいといえますが、控除金額にも違いがあるため、注意しましょう。

住民税の手続きは正しい方法で忘れずに行うようにしよう!

住民税の手続きは、確定申告や年末調整をすることで完了するものです。

しかし、確定申告や年末調整をしていても、住民税の申告をする必要がある場合があります。

住民税の手続きが必要になるかどうかは、上記に挙げた条件に該当するかどうかをしっかりと把握していることが重要です。

住民税の申告の対象であることがわからず、申告が遅れてしまった場合には、無申告加算税や延滞金が発生するほか、刑事責任として罰則を科せられる可能性もあります。

罰則を受けないためにも、必要な手続きは正しい方法で忘れずに行うようにしましょう(^^♪