確定拠出年金とは?わかりやすく!個人型と企業型の違いについて解説
老後の資金を準備するための制度として、確定拠出年金というものがあります。
確定拠出年金とは、国民年金基金や個人年金保険などの私的年金の一つで、掛け金を積み立てて運用することによって、受給開始年齢になったら年金を受給できる制度のことをいいます。
確定拠出年金には個人型と企業型がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
また、個人型と企業型以外にも金融機関で用意されている運用商品なるものが存在します。
それぞれについて理解しようと思うと、あまりわかりやすくできた制度ではなく、なかなか苦労してしまうのが本音ですよね(^^;
ここでは、確定拠出年金とは何か、個人型と企業型の違いと仕組みについて、わかりやすく解説していきたいと思います。
目次
確定拠出年金とは?どういう制度なの?
確定拠出年金とは、掛け金を積み立てて運用することによって、老後に受け取れる資金を準備する制度のことをいいます。
銀行の定期預金のようにただ積み立てるのではなく、掛け金を運用する必要があるため、運用次第では受け取れる給付金が変動します。
つまり、運用のために積み立てた掛け金(拠出金)よりも年金受給額が少なくなる可能性もあるわけですね。
しかし、逆をいえば、運用次第では年金受給額を増やすことも可能になります。
年金受給額を増やすには、掛け金(拠出金)をうまく運用していく必要がありますが、そのためには「個人型」と「企業型」の違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
また、確定拠出年金には、企業型と個人型には関係なく、金融機関(運営管理機関)の運用商品として、「元本確保型」と「価格変動型」という商品が用意されています。
「個人型」と「企業型」の他に、これらの商品のどれを選んで掛け金(拠出金)を積み立てていくのかによっても、運用のしやすさは異なるため、注意して選ぶようにしましょう。
個人型と企業型の確定拠出年金についてわかりやすく解説!
確定拠出年金には、「個人型」と「企業型」があると上述しました。
ここでは、それぞれについてわかりやすく解説するとともに、年金の資産運用にかかわる「元本確保型」と「価格変動型」という商品についても解説していきます。
個人型と企業型の違いについてわかりやすく解説!
個人型確定拠出年金(iDeco)とは?
個人型確定拠出年金とは、個人自身が掛け金を拠出し、対象となる金融商品の中から運用商品を選んで、年金の資産運用も自分で行う制度となります。
2017年1月に加入対象者が拡大されたことにより、現在では、自営業者や会社員、公務員、専業主婦(夫)など、日本国内に居住している20歳以上60歳以下の人であれば、ほとんどの人が加入できる制度となっています。
加入対象者の幅が広いということが、国民年金基金と異なる点といえますね。
また、自分が気に入った金融機関を選ぶことができるのも、個人型確定拠出年金のメリットといえます。
ただし、金融機関によって用意されている運用商品が異なるほか、開設できる口座は1人1つのみとなっているため、数ある金融機関の中から1つを選ばなければいけません。
金融機関を選ぶ際には、どのような内容の運用商品があるのかをしっかりと把握して選ぶことが重要です。
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは?
企業型確定拠出年金とは、企業が掛け金を毎月積み立て(拠出)し、加入者が個人自身で年金の資産運用を行う制度となります。
加入の仕方としては、従業員が自動的に加入する場合と、従業員個人で加入するかどうかを選択できる場合がありますが、これは企業によって異なります。
そもそもとして、企業が確定拠出年金を導入していない場合には選択することはできないため、その点についても注意が必要です。
掛け金については企業が負担してくれますが、金額は役職に応じて決められるほか、資産運用は従業員個人で行う必要があるため、運用次第では掛け金よりも年金受給額が少なるなる可能性もあります。
これは、企業型だけではなく、個人型の場合も同様なので、注意が必要です。
また、原則として、個人型も企業型も60歳になるまでは積み立てた年金資産を受け取ることはできません。
ただし、企業型DCの場合は、定年退職した60歳以降に積み立てた年金資産を一時金(退職金)として一括で受け取るか、年金形式で毎月少しずつ受け取るかを選択することができます。
金融機関(運営管理機関)の運用商品について
元本確保型とは?
元本確保型とは、積み立てた元本(年金資産)が確保されるプランのことをいいます。
これを具体的な商品にすると、「定期預金」や「保険」といったものになります。
つまり、こちらのプランを選ぶと、積み立てた元本(年金資産)をそのまま老後に受給することが可能になるプランというわけですね。
元本を減らさないためにも、運用を手厚くしたいと考える方にはおすすめのプランであるといえると思います。
しかし、積み立てている掛け金(拠出金)が低金利だと年金資産を増やせないというデメリットがあります。
特に、保険商品について改善が必要だと感じ、満期を迎えずに運用商品を変更・切替した場合には、解約控除金が差し引かれるため、年金資産が減ってしまうことも理解しておきましょう。
価格変動型とは?
価格変動型とは、積み立てた元本(年金資産)が運用によって変動するプランのことをいいます。
これを具体的な商品にすると、「投資信託」といったものになります。
つまり、こちらのプランを選ぶと、資産運用を上手に行うことができれば、積み立てた元本(年金資産)を増やすことが可能になるというわけですね。
しかし、資産運用がうまくできなかった場合には、元本割れを起こす可能性があります。
せっかく積み立てた年金資産が減ってしまうリスクを避けたいという場合には、上記に挙げた元本確保型を選択すると良いでしょう。
また、運用商品だからといって、どちらか一択に絞る必要はありません。
確定拠出年金制度内であれば、運用に税金がかからないよう税制優遇を受けることもできるので、定期預金に40%、保険に10%、投資信託に50%とするなど、運用商品や割合を組み合わせて調整することが可能です。
こういった税制優遇などのメリットを考えると、価格変動型のプランを選択し、投資信託を活用してみるのも一つの方法だといえます。
確定拠出年金は老後の資金を増やしたい場合に誰でも利用できる!
確定拠出年金は、誰でも利用することができる私的年金の一つとして有名ですよね。
運用自体は自分で行う必要があるものの、個人型と企業型を選択できるほか、掛け金以上に年金資産を増やすことも可能になります。
また、確定拠出年金には様々な税制優遇を受けることも可能になるため、大きな節税効果を得ることにもつながります。
確定拠出年金の制度の内容をしっかりと理解した上で、上手に運用すれば年金資産を増やすことができるので、上記の記事を参考にうまく活用してくださいね(^^♪