労働保険料申告書の書き方・記入例!2021年度版マニュアル
毎年、6月ごろになると、各事業所には、緑色の封筒で「労働保険料・一般拠出金 申告書在中」と書かれたものが送られてきます。
いわゆる、労働保険料申告書というものですね。
結構、分厚い封筒で、絵手続き関係のものなので、やらなければいけないと思いつつ、「書き方忘れたし、めんどくさいな~」などと思っちゃいますよね。
しかし、納付は6月1日から7月12日までと書かれているので、「また今度でいっか♪」などと後回しにしてしまいがちです(^^;
年に1回しかなく、ややこしく面倒くさいものですが、締め切りの7月12日は、算定基礎届の締め切りと源泉所得税徴収高計算書の納期の特例の場合の納付期限でもあります。
スムーズに処理できるように、労働保険料申告書の書き方・記入例について見ていきたいと思います。
目次
労働保険料の年度更新とは何か?どのように行う?
これらは、年度更新という手続きによって、その金額を申告して納付することになっています。
労働保険料の年度更新とは?
労働保険料は、社会保険料などのように毎月納付するものではありません。
労働保険料は年1回、6月1日から7月12日までに、昨年度分の「確定保険料」と今年度分の「概算保険料」の申告・納付の手続きとともに納付することになっています。
この手続きのことを「年度更新」といいます。
確定保険料の申告・納付
労働者の前年度(昨年4月1日から今年3月31日)の賃金総額から確定した労働保険料を計算して申告、納付します。
確定保険料の額が、昨年度に納付した概算保険料の額よりも多い場合は、今年度の概算保険料とあわせて納付することになります。
逆に、確定保険料の額が、昨年度に納付した概算保険料の額よりも少い場合は、今年度の概算保険料に充当することになります。
概算保険料の申告・納付
労働者の今年度(今年4月1日から来年3月31日)の見込みの賃金から労働保険料を概算して申告、納付します。
予定の金額なので、少なければ、翌年、追加納付し、多ければ、次回分に充当することになります。
そして、この手続きは、6月1日から7月12日に行わなければいけませんので、期限内に提出できるように、書き方を記入例とともに見ていきたいと思います。
労働保険料申告書の書き方を記入例とともにご紹介!
緑色の封筒の中には、書き方の資料が入っていますが、分厚過ぎて、どこを見ればよいのかわかりにくいです(-_-;)
- 労働保険概算・増加概算・確定保険料一般拠出金申告書
- 令和〇年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表
封筒の中には、上記の二つが入っていますが、いきなり、マークシートのような申告書の方を記入するのではなく、まずは、ペラペラの紙の算定基礎賃金集計表を記入しましょう。
そちらが完成すると、あとは、それを申告書のほうに転記すれば良いだけです♪
では、まずは、算定基礎賃金集計表の書き方を見ていきましょう!
確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表の書き方・記入例
①常用労働者
パート・アルバイトを含め雇用保険の資格のある人の各月の人数と賃金総額を記入します。
この賃金総額には、賞与や交通費などをすべて含みます。
また、社会保険料や所得税などを控除する前の総支給額です。
②役員で労働者扱いの人
役員で労働者扱いの人の役員報酬を除いた分です。
③臨時労働者
①と②以外のすべての労働者(パート・アルバイトで雇用保険の資格のない人)の分を記入します。
合計の記入
④の欄には、①+②+③の合計を記入します。
⑨には④の合計人数、⑩には④の合計金額を記入します。
⑤常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人
常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人の各月の人数と賃金総額を記入します。
⑥役員で雇用保険の資格のある人
役員で雇用保険の資格のある人の人数と役員報酬を除いた分の金額を記入します。
⑧免除対象高年齢労働者分
⑦の被保険者のうち、昨年4月1日時点で満64歳以上の労働者が免除対象者となります。
合計の記入
⑦の欄には⑤+⑥を記入します。
⑪には⑦の合計人数、⑫には⑦の合計金額を記入します。
⑬には⑧の合計人数、⑭には⑧の合計金額を記入します。
申告書④欄に転記
⑨の合計人数÷12の人数を記入します。
申告書⑤欄へ転記
⑪の合計人数÷12の人数を記入します。
申告書⑥欄へ転記
⑬の合計人数÷12の人数を記入します。
申告書⑧欄(ロ)へ転記
⑩の合計額の千円未満を切り捨てた額を記入します。
申告書⑧欄(ハ)へ転記
⑫の合計金額千円未満を切り捨てた額を記入します。
申告書⑧欄(ニ)へ転記
⑭の合計金額千円未満を切り捨てた額を記入します。
申告書⑧欄(ホ)へ転記
A-Bの金額を記入します。
申告書⑧欄(ヘ)へ転記
⑩の合計金額千円未満を切り捨てた額を記入します。
労働保険概算・増加概算・確定保険料一般拠出金申告書の書き方・記入例
確定保険料算定内訳
④⑤⑥、⑧の(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)を転記し、ご自身の申告書に印字されている掛け率を書けたものを、⑩の(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)へ記入します。
概算・増加概算保険料算定内訳
⑫の(ロ)(ホ)、⑭の(イ)(ロ)(ホ)に今年度分の概算額を記入します。
今期納付額の計算
⑳には、⑩(イ)の-⑱=⑳(ハ)を記入します。
確定保険料額から申告済概算保険料額を引きます。
金額を求めて、(イ)充当するか、(ロ)還付してもらうか(ハ)不足分として追加納付するかに分けて記入します。
㉒(イ)+㉒(イ)または(ハ)+㉒(ヘ)=㉒(ト)が今期納付額となります。
これで完成なので、金額を下部の納付書に記入して納付すれば完了です!
労働保険料は期限を守って正しく提出を!
年に1回しかしない業務なので、理解して完成しても、翌年になったら、書き方を忘れるというこを繰り返してしまう人も多いのではないでしょうか(;’∀’)
複雑に見えるかもしれませんが、まずは、ペラペラの用紙のほうの、「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」を仕上げてしまえば、後は、転記して、今年度の概算額を記入して、計算するだけです。
まずは、確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表を確実に仕上げましょう。
こちらに関しては、厚生労働省のホームページから、エクセル版をダウンロードすることが可能です。
エクセルだと自動計算してくれるので、計算が楽に行えます。