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社会保険資格取得届の記入例・書き方!従業員の入社時の手続き方法

従業員が入社した際には、いろいろな手続きをしなければいけませんが、そのうちの一つに、社会保険関係の手続きがあります。

正社員で雇用する場合には、社会保険には基本的には加入する必要があります。

そのため、正社員として雇用した場合には、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」というものを提出しなければいけません。

また、パート・アルバイトでも条件を満たしている場合は、社会保険の加入対象となるので注意が必要です。

雇用保険も社会保険も手続きは非常にややこしいです。

そこで、ここでは、従業員が入社した際の、社会保険手続の、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の書き方を記入例とともにご紹介いたします。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出期限・方法

被保険者資格取得届といっても、雇用保険のものとは異なります。

雇用保険の場合は、雇用保険被保険者資格取得届です。

それに対して、社会保険は、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届という名前です。

非常にややこしいですね。

社会保険の加入対象者は?

正社員の場合は、基本的に社会保険の加入対象となります。

パートやアルバイトなど、労働時間・日数が正社員などの労働者よりも短い人でも、「1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上」である場合は、社会保険に加入しなければいけません。

ただし、これは、従業員が501人未満の事業所の場合です。

従業員が501人以上の企業(特定適用事業所)の場合は、一般の正社員の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3未満であっても、以下の全ての条件を満たした場合は、社会保険の加入対象となります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が1年以上見込まれること
  • 賃金の月額が8.8万円以上であること
  • 学生ではないこと

また、年齢については、健康保険は75歳まで、厚生年金は70歳までが加入の対象となります。

扶養家族がいる場合には、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届と一緒に「健康保険被扶養者異動届」を記入し提出します。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出期限は?

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、入社日から5日以内に管轄の年金事務所へ提出する必要があります。

用紙は、日本年金機構のホームページからダウンロードすることができます。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出方法は?

提出方法は、電子申請、郵送、窓口持参にて行います。

扶養家族がいる人の分の「健康保険被扶養者異動届」を一緒に提出します。

この手続きによって、会社名義の健康保険証が送られてきます。

これがないと、この間、従業員の方は、実費で病院に行かなければいけないので、早く手続きをすませて安心させてあげたいですよね(^^)

健康保険・厚生年金保険資格取得届の書き方・記入例

上段の提出者記入欄のところは、一番上の部分には、事業所整理記号・事業所番号を記入します。

事業所整理記号は、「01-イロハ」のような数字とカタカナで、事業所番号は5ケタの数字です。

事業所整理記号と事業所番号は、「適用通知書」「保険料納入告知額・領収済額通知書」などに記載されています。

その下に事業所所在地・事業者名称・事業主氏名・電話番号を記載します。

事業主自らが署名した場合は、押印は不要です。

ここからは、書類の番号に合わせて記載いたします。

①被保険者整理番号

被保険者整理番号は、まだありませんので記入は不要です。

②氏名

被保険者の氏名を記入します。

③生年月日

被保険者の生年月日を記入します。

④種別

種別は、厚生年金基金への加入の有無により異なります。

事業所が厚生年金基金に加入していない場合は以下より、該当する箇所に〇をつけます。

  • 男…1
  • 女…2
  • 坑内員…3

確定拠出年金や確定給付年金加入事業所の場合は、下記の該当するものに〇をつけます。

  • 男(基金)…5
  • 女(基金)…6
  • 坑内員(基金)…7

⑤取得区分

取得区分は以下より選択します。

  • 健保・厚年…1
  • 共済出向…3
  • 船保任継…4

基本的に、大半は、1の一般の事業所で雇用する場合に該当するでしょう。

共済組合から一般企業への出向の場合は3を選択、船員保険の任意継続被保険者の場合は4を選択します。

⑦取得(該当)年月日

入社日を記入します。

⑧被扶養者

扶養者の有無を選択します。

⑨報酬月額

㋐(通貨)

基本給以外に役職手当や残業手当などの手当を加えたもので、臨時に支払われる賞与等を除いたものです。通勤手当を6ヶ月定期で支払う場合は、1ヶ月分の金額を算出して加算します。

㋑(現物)

現物とは通貨ではなく現物で支払うものです。会社で定期を購入して渡す場合は、その1か月分の定期代となります。

㋒(合計㋐+㋑)

㋒の欄には㋐+㋑の金額を記入します。

⑩備考

以下に該当する場合に選択します。

  • 70歳以上被用者該当…1
  • 二以上事業所勤務者の取得…2
  • 短時間労働者の取得(特定適用事業所等)…3
  • 退職後の継続再雇用者の取得…4
  • その他…5

こちらは特殊なケースの場合となります。

それぞれについて見ていきたいと思います。

「1」は、70歳以上で新たに雇用契約するときに該当します。

「2」は、2つ以上の会社で常勤として雇用契約するときですが、役員が複数の会社を経営している場合などにも該当します。

「3」は、501人以上の特定適用事業所で被保険者(週20時間以上30時間未満の勤務)として雇用契約するときに該当します。

「4」は、60歳以上で定年となり、契約変更のために資格を喪失・再取得するときです。

⑪住所

被保険者の住所を記入します。

これを対象者の分だけ記入すれば完成となります。

これらを管轄の年金事務所に提出します。

気持ちよく迎え入れるために入社手続きをスムーズに!

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届は、管轄の年金事務所に、入社日から5日以内に提出しなければいけません。

入社時には、新入社員を気持ちよく迎え入れるために、いろいろと準備が必要です。

せっかく、新たな気持ちで新たな会社にワクワクして入社してくれたのに、手続き関係が滞ってしまうと、それだけで悪い印象になってしまいかねないですよね。

特に、健康保険証がしばらく渡せずに、病院に行けないなんてことになると、そのことが、新しく入社した会社への不満につながってしまうかもしれません。

そのようなことにないように、入社手続きをスムーズにすませましょう!