確定申告のやり方!ふるさと納税した場合は?税金が控除されるには
ふるさと納税とは、自治体に寄附をすることによって、返礼品を受け取ることができたり、税金の控除・還付を受けることができる制度になります。
ふるさと納税という名前ですが、日本国内であれば自分の故郷以外の場所であっても、寄附をすることができます。
原則として、税金の控除・還付を受ける場合には、確定申告が必要になる場合があります。
ふるさと納税の場合は、確定申告を行う必要があるのでしょうか?
また、確定申告を行う場合には、どのようなやり方で手続きを進めていけば良いのでしょうか?
ここでは、ふるさと納税の確定申告のやり方について、詳しく見ていきたいと思います。
目次
ふるさと納税の確定申告は必要ない?
ふるさと納税とは、自分が希望する自治体に寄附をすることによって、所得税や住民税の控除・還付を受けることができる制度のことをいいます。
この制度は、日本国内であれば、全国どこの都道府県または市区町村でも、自分が希望をした自治体に寄附をすることができるのが特徴ですよね。
所得控除などの控除を受ける場合、確定申告が必要になる場合があります。
ふるさと納税で控除・還付を受ける場合には、確定申告は必要なのでしょうか?
以前までは、原則として、確定申告をする必要がありました。
しかし、平成27年度に「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入されたことで、ある一定の条件を満たしている場合には、確定申告をしなくても良くなりました。
確定申告の手続きをするのも面倒に感じる人も多いですから、負担が減るのは嬉しいですよね。
また、寄附をした自治体によっては、返礼品として、ブランド牛や新鮮な魚介、旬の野菜や果物、日用品やレジャー券などが送られてくるというメリットもあります。
ふるさと納税を活用しやすくなった分は、どんどん活用した方がお得といえるでしょう。
ただし、確定申告をする必要がある人にとっては、確定申告を忘れてしまうと、税金の控除・還付が受けられなくなってしまうので、注意が必要です。
ふるさと納税の確定申告のやり方についてご紹介!
ここでは、ふるさと納税の確定申告のやり方について、ご紹介します。
ふるさと納税ワンストップ特例制度とは?
ふるさと納税をした場合、所得控除の「寄附金控除」を受けることができます。
多くの人がふるさと納税を利用しやすい制度とするために、平成27年度から導入されたのが「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。
この制度を導入したことによって、ある一定の条件を満たしている場合には、確定申告をしなくても良くなりました。
ふるさと納税ワンストップ特例制度が利用できる基準について、詳しく見ていきましょう。
制度が適用され、確定申告の必要がない人
制度が適用され、確定申告の必要がない人とは、以下の通りです。
対象者 (制度が適用される人) | ・サラリーマンなどの給与所得者 ・寄附先の自治体が1年間で5つ以下の人 |
控除を受けるためにすること | 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を寄付先に提出する |
備考 | 申請書の提出後、その年の分の所得税が還付され、翌年度の個人住民税から減額される |
サラリーマンなどの給与所得者であり、その年の寄附先の自治体が5つ以下の人の場合には、制度を利用することができます。
ただし、上記の基準を満たしていれば、その年の寄付先の自治体が5つ以下であり、ふるさと納税を6回以上行っていたとしても、制度を利用することが可能です。
制度を利用するためには、「寄附金税額控除に係る申告特例申告書」を寄附先に提出する必要があるので、忘れずに提出しましょう。
制度が適用されず、確定申告が必要な人
制度が適用されず、確定申告が必要な人とは、以下の通りです。
対象ではない者 (制度が適用されない人) | ・自営業者、フリーランスなどの給与所得者以外の人 ・サラリーマンなどの給与所得者 →不動産収入がある人 →年収が2000万円を超える人 →一定額以上の副収入がある人 →住宅ローン控除、医療費控除などを受けている人 ・寄附先の自治体が1年間で6つ以上の人 |
控除を受けるためにすること | 「寄附金受領証明書」を用意し、確定申告をする |
備考 | 確定申告後、その年の分の個人住民税から減額される |
自営業者、フリーランスなどの給与所得者以外の人である場合には、確定申告の必要があるため、制度を利用することができません。
また、サラリーマンなどの給与所得者であっても、住宅控除を受けていたり、年収が2000万円以上などの場合にも制度が適用されないため、確定申告をする必要があります。
制度を利用することができない場合には、確定申告の際に、「寄附金受領証明書」を用意して、寄附金控除の計算を行う必要があります。
上記の手順通りに手続きを行った場合には、その年の分の個人住民税から減額という形で控除・還付を受けることができます。
ふるさと納税の確定申告のやり方
ふるさと納税の確定申告のやり方について、ご紹介します。
ふるさと納税の申し込みから控除・還付を受けるまでの流れとは、以下の通りです。
- ふるさと納税を申し込む自治体を選ぶ
- ふるさと納税を申し込む
- 寄附金を納付する
- 寄附金受領証明書と返礼品を受け取る
- 確定申告を行う
- 所得税が還付される
- その年の分の個人住民税から規定の金額が控除される
それでは、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
1.ふるさと納税を申し込む自治体を選ぶ
ふるさと納税は、全国各地の自治体に寄附をすることができる制度です。
まずは、自治体のホームページなどで、返礼品や寄附金の使い道を調べて、寄附したい自治体を選びます。
自治体を早く決めたいのであれば、ふるさと納税をまとめて取り扱っているサイトを利用して調べるのがおすすめです。
2.ふるさと納税を申し込む
寄附したい自治体が決まったら、ふるさと納税の申し込みを行います。
申し込み方法は自治体によって異なりますが、電話やメール、FAX、郵送など複数の方法から選択することが可能です。
ワンストップ特例制度を利用する場合には、このタイミングで、寄附金税額控除に係る申告特例申告書の送付請求をします。
3.寄付金を納付する
ふるさと納税の申し込みが完了したら、寄附金を納付します。
寄附金の納付方法には、以下のようなものがあります。
- 自治体の窓口で直接納付する
- 振込用紙で納付する
- クレジットカード払いにする
- 現金書留で郵送する
寄附金の納付方法は、申し込み方法と同じく、自治体によって異なりますが、上記のような方法から選択することが可能です。
4.寄附金受領証明書と返礼品を受け取る
自治体に寄附金が受け付けられると、寄附金受領証明書と返礼品が送られてきます。
寄附金受領証明書は、寄附したことを証明する重要な書類です。
確定申告の際に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
ワンストップ特例制度を利用する場合には、寄附金税額控除に係る申告特例申告書の必要事項をすべて記入し、寄附した自治体に返送します。
5.確定申告を行う
自営業者やフリーランスなどのワンストップ特例制度が適用されない人は、ふるさと納税を行った翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告をする必要があります。
寄附金控除の確定申告をするために必要なものは、以下の通りです。
・寄附金受領証明書
・確定申告書
・本人確認書類の写し
・印鑑
・還付金を受け取る銀行の口座番号
今回は、ふるさと納税の確定申告のやり方についてご紹介しているので、寄附金控除を受けるための手続き方法を詳しく見ていきましょう。
寄附金控除の確定申告書の記入方法は、以下の通りです。
②確定申告書第一表の「所得金額」の合計金額(総所得金額)欄を記入する
③確定申告書第一表の「所得から差し引かれる金額」の「寄付金控除」欄を記入する
③については、寄附金控除の金額を記入する必要があります。
寄附金控除の金額は、「(①寄附した金額 or ②総所得金額×40%)-2000円」の計算式に当てはめて算出します。
①と②については、それぞれの金額を比較して、少額の方を代入して算出します。
ワンストップ特例制度を利用する場合には、確定申告は必要ありません。
6.所得税が還付される
確定申告をした後は、所得税が還付され、住民税が控除されます。
7.その年の分の個人住民税から規定の金額が控除される
確定申告の場合、確定申告を行った年の6月から翌年の5月までに納めるべき個人住民税から、規定の金額を減額という形で控除されます。
ワンストップ特例制度を利用した場合、寄附をした翌年の6月から翌々年の5月までの1年間、個人住民税が控除されます。
上述しましたが、どちらの場合でも、控除される金額は同じです。
確定申告のやり方を正しく理解して、手続きを進めよう!
住宅ローン控除や医療費控除など、控除の種類によっては、自分で確定申告をする必要があります。
ふるさと納税の場合には、ふるさと納税ワンストップ特例制度に適用している場合には、確定申告の必要はありません。
ただし、自営業者やフリーランスといった給与所得者以外を始めとして、確定申告をする必要がある人が多くいることも事実です。
そのため、自分が確定申告をする必要があるかどうかを事前に確認しておきましょう。
また、ふるさと納税の確定申告をする場合には、控除・還付を受けるために、注意するべき点がいくつかあります。
上記を参考に、ふるさと納税の確定申告のやり方をしっかりと確認して、損をしないように正しく進めていきましょう。