有休と有給正しいのはどちら?言葉の意味の違いや使い分けはあるのか
有給休暇の取得は、労働者の権利となります。
また、2019年4月より、働き方改革関連法施行にともなって、有給休暇に関する労働基準法が一部改正されました。
これによって、年10日以上の有給休暇が与えられる労働者に対しては、付与された有給休暇のうち5日は、使用者が時季を指定して取得させることが義務化されることになりました。
この有給休暇というのは、正確に言うと、年次有給休暇というものとなります。
普段は、有給休暇のことを表現する際に、省略した形で、「ゆうきゅう」という言い方をするという人が多いのではないかと思います。
しかし、この「ゆうきゅう」ですが、口頭ではわからないのですが、漢字で書くと「有休」と「有給」の2パターンが考えられます。
どちらが正しいのでしょうか。
また、意味に違いなどはあるのでしょうか。
そこで、ここでは、有休と有給正しいのはどちらなのか、言葉の意味の違いや使い分けはあるのかについて見ていきたいと思います。
目次
有休と有給、正しいのはどちら?
有休と有給はどちらが正しいのでしょうか。
一般的な使用、辞書、略語の観点のそれぞれから見ていきたいと思います。
有休と有給、一般的な使用はどちらが多い?
一般的には、どちらを使用することが多いのでしょうか。
「有給」の方を用いることが多いのではないかと思います。
しかし、もちろん、「有休」のほうを用いることもあるので、一般的な表現の比較において、どちらが正しいとは言い切れないのではないかと思います。
いずれのほうが、ネット上での使用が多いのかを、googleで検索すると、有給のほうが、有休よりも多くなっています。
しかし、これは、「有給休暇」や「年次有給休暇」という言葉も含まれているため、このような結果になってしまうのではないかと思います。
一般的な使用からは、有休と有給のどちらのほうが正しいのかは、言い切れないようです。
有休と有給、辞書の記載を比較すると?
それでは、辞書の記載を見てみるとどうなっているのでしょうか。
いずれも、「有給休暇」のことを表すと記載されています。
しかし、「有給」のほうには、文字通り、給料が有る、つまり、給料が支払われることといった意味が記載されています。
そうすると、辞書の上では、「有給休暇」のことのみを意味する、「有休」のほうが、少し分があるのではないでしょうか。
ただし、少し差があるという程度で、どちらが正しいということにはならなさそうです。
他の略語と比較すると?
他の休みに関する略語と比較してみていきたいと思います。
「育休」は「育児休業」の略、「産休」は「産前産後休業」の略、「病休」は「病気休暇」の略、「運休」は「運転休止」・「運行休止」の略となります。
このように見ていくと、言葉全体の略、つまり、「有給休暇」の1文字目と3文字目の略の形である、「有休」のほうが、上記の例と照らし合わせると正しいように思えますよね。
しかし、別の言葉で考えると、「携帯電話」という言葉は、「携帯」と最初の2文字だけをとって、表現し、「電話」という言葉は用いない略語になっています。
また、そもそも、「有給休暇」という言葉は、「年次有給休暇」を省略したものになります。
そのため、「年次有給休暇」を省略して、「年休」という略語を用いるというパターンもあるようです。
そうすると、略語の観点からも、有休と有給のいずれが正しいのかは言い切れなさそうですね。
有休と有給どちらも正しい?
結論としては、上記のいずれの比較においても、「有休」「有給」のどちらも正しいのではないかと思われます。
また、「年休」という表現も正しいのではないかと思います。
そうすると、それぞれの言葉について、使い分けなどはあるのでしょうか。
有休と有給に言葉の意味の違いや使い分けはあるのか
有休と有給の使い方自体は、いろいろな観点から見ても、いずれも正しいのではないかと思われます。
そうすると、「有休」と「有給」自体に、言葉の意味や使い分けなどがあるのかという点について見ていきたいと思います。
口頭でいうときには、いずれをイメージしているのかは、人によって異なるので、そもそも違いはわかりません。
そのため、文字でのやりとりを行うときですが、「有給休暇」のことを文字でやりとりする機会というのは、それほど多くはないと思うのですが、どのような場合が考えられるでしょうか。
友人・知人・家族などでのやりとりにおいては、いずれも正しいので、どちらを用いても問題ないでしょう。
それ以外に、文字でやりとりするとなると、会社でのメールなどになるのではないかと思います。
そのため、使い分けの観点から言うと、「有休」「有給」「年休」のいずれを用いるのが良いかというと、ご自身の会社でのルールに従うのが良いのではないでしょうか。
特にこだわりのない会社も多くあるかと思いますので、そのような場合には、ご自身の好きな表現を用いれば良いでしょう。
ちなみに、労働問題などに厳しい会社などでは、年休という言葉を用いることが多いようですが、それも必ずしもとは言えません。
有休も有給も正しい!使い分けは会社次第
これまで見てきたように、有給休暇の言い方については、口頭であれば、いずれも「ゆうきゅう」なので違いはありません。
漢字で書く際にも、「有休」でも「有給」でも、多少の違いはありますが、いずれも間違いではありません。
また、それ以外にも、「年休」という言い方をする場合もありますが、これも間違いではなく、正しい表現となります。
このように、基本的には、「有休」「有給」「年休」のいずれの表現を用いても間違いとはなりません。