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被保険者賞与支払届の書き方・記入例を紹介!ボーナス支給時の手続き

被保険者賞与支払届とは、賞与(ボーナス)を支給した場合に、会社が管轄の年金事務所に提出しなければいけない書類です。

賞与(ボーナス)は、年に1~3回の支給となり、この書類の作成・提出は年に1~3回だけのことです。

会社の業績など場合によっては、支給しないこともあるかもしれません。

そのため、事務手続きとしては、頻度の高いものではなく、毎回、書き方についてどうすれば良いのかわからなくなってしまったりするかもしれません、

そこで、ここでは、被保険者賞与支払届の書き方を記入例を用いてご紹介いたします。

また、あわせて提出しなければいけない総括表の書き方と記入例も見ていきたいと思います。

 

 

 

 

被保険者賞与支払届の提出方法は?

賞与を支払った際には、この被保険者賞与支払届を提出しなければいけませんが、賞与とはそもそもどのようなものが対象となるのでしょうか。

また、この書類はどのように提出するのでしょうか。

対象となる賞与とは?

社会保険においての賞与は、「賃金、給料、俸給、手当、賞与、その他いかなる名称であるかを問わず、被保険者が労働の対償として受けるもののうち年3回以下の支給のもの」とされています。

すなわち、年3回以下で支給されるものであれば、賞与とみなされます。

一般的には、6月と12月の年2回支給される会社が多いのではないでしょうか。

また、それ以外にも決算賞与が支給されたり、年1回の支給と規定されている会社もあります。

業績によっては支給されない会社もありますし、これらは、基本的には、会社の裁量次第となっています。

なお、賞与の支払い時には、通常と別の社会保険料の計算を行うのですが、その際には、賞与の社会保険料の上限額というものに注意が必要です。

 

 

提出先と提出方法は?

賞与を支給した場合には、一人ひとりの賞与の支払額を記載する「被保険者賞与支払届」と、支払合計人数と支払合計額を記載する「被保険者賞与支払届総括表」の2つを提出します。

これらを賞与の支給日より5日以内に、管轄の年金事務所または事務センターに提出します。

これらの用紙は、事前に登録している賞与支払予定月の前月に、被保険者の氏名や生年月日が印字されたものが郵送されてきます。

事業所の「新規適用届」などで賞与支払予定月を登録していなければ、送付されてきませんので、その場合は、日本年金機構のホームページからダウンロードしたものを使用します。

被保険者賞与支払届を提出した後には、管轄の年金事務所から保険料決定通知書が送られてきます。

保険料は、次回の毎月の保険料と一緒に納付することになります。

 

賞与不支給の場合の提出は?

賞与支払予定月に賞与を支払わなかった場合には、支給しなかったので、何もしなくて良い、というわけではありません。

被保険者賞与支払届を提出する必要はありませんが、被保険者賞与支払届総括表は提出する必要があります。

総括表に支給しなかった旨を記入して提出します。

 

 

 

 

被保険者賞与支払届・総括表の書き方・記入例

それでは、被保険者賞与支払届と総括表の書き方を記入例とともに見ていきましょう。

 

被保険者賞与支払届の書き方・記入例

①被保険者整理記番号

資格取得時に付与された被保険者整理番号を記入します。

被保険者整理番号は、「健康保険・厚生年金保険資格取得確認および標準報酬決定通知書」や「健康保険証」などに記載されています。

②被保険者氏名

被保険者の氏名を記入します。

③生年月日

該当する元号の番号(1.明治 3.大正 5.昭和 7.平成 9.令和))と、年月日を記入します。

例)昭和63年5月3日の場合は、5-630503と記入します。

④賞与支払年月日

賞与を支払った年月日が「賞与支払年月日(共通)」に記入したものと異なる場合のみ記入します。

⑤賞与支払額

㋐(通貨)に通貨で支払った金額を記入し、㋑(現物)には通貨以外で支払った場合に記入します。

⑥賞与額(1千円未満は切捨て)

⑤の㋐(通貨)と㋑(現物)の合計額から、千円未満を切り捨てた額を記入します。

⑦個人番号(基礎年金番号)

「70歳以上被用者」のみ、マイナンバーか基礎年金番号を記入します。

⑦備考

  1. 70歳以上被用者
  2. 二以上勤務
  3. 同一月内の賞与合算

上記に該当する場合は〇で囲みます。

それぞれについては以下の通りとなります。

1.70歳以上被用者

70歳以上で社会保険の加入要件を満たしている場合です。

2.二以上勤務

2箇所以上の適用事業所に勤務することを言います。

3.同一月内の賞与合算

同一月内に2回以上賞与を支払った場合には、その月の最後に支払った日を、賞与支払年月日として合計の賞与額を届け出ます。

 

上記の通り記入すれば簡単に記入できます。

 

被保険者賞与支払届総括表の書き方・記入例

賞与支払予定年月

事前に賞与支払予定月を登録している場合は、送付されてくる届出用紙には印字されています。

①賞与支払年月

実際に、賞与を支払った年月を記入します。

②支給の有無

賞与を支給した場合には、0.支給、支給しなかった場合には、1.不支給を〇で囲みます。

支給しなかった場合には、これより下の部分の記入は不要となります。

③被保険者人数

賞与を支給した日における健康保険・厚生年金の被保険者の合計人数を記入します。

賞与を支給しなかった被保険者人数も含みます。

④賞与支給人数

被保険者賞与支払届に記入した、賞与を支給した被保険者の人数を記入します。

⑤賞与支給総額

被保険者賞与支払届の「⑥賞与額」欄に記入した賞与額(千円未満切捨て)の合計を計算して記入します。

⑥賞与の名称

賞与の名称を記入します。

⑦賞与支払予定月の変更

次回以降、現在登録している賞与支払予定月が変更になる場合、変更する予定月と変更する前の月を記入します。

これで提出できる書類が完成です!

賞与の支払いがなかった場合にも、総括表だけは提出する必要があります。

 

 

 

被保険者賞与支払届は年金額に影響する書類?

被保険者賞与支払届は、賞与を支給した5日後までに、管轄の年金事務所・年金センターに提出する必要があります。

提出しなければ、管轄の年金事務所や事務センターから「被保険者賞与支払届の提出について」という催告状が送られてしまいます。

賞与の支払いというのは、社会保険料の支払いだけでなかく、従業員の方が、将来受け取る年金にも影響します。

そのため、賞与を支払った際には、その後の被保険者賞与支払届の提出も忘れないように注意しましょう!