28「配当は決算時」の常識が消える

書籍 同族会社のための「新会社法」活用術(セミナー録・2006年4月発刊)

どこがどう変わり、何をどう活かせるのか?
「ポイントがまとまっていてわかりやすい」と評判の西村昌彦税理士が、会社法について行ったセミナーの口語録。
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28「配当は決算時」の常識が消える

 pointの37(38ページ)、ここらあたりがもう一つの大きなヤマ場になります。四半期配当や現物配当ができるとありま す。現物配当とは、お金じゃなくて物で配当をしましょうということです。通常のパターンでは、物で配当をするという
ことはあまりないとは思いますので、重要なのは四半期配当のほうです。少し先のpoint43、point44、それからpo int45(52ページ~)と、この辺はすべて絡んでくるのですけれども、要するに、期末における利益処分という考え方
がなくなりますということです。もちろん利益処分という行為は残りますけれども、利益処分というのは 決算期に限ったものではなくなるのですね。だから、期中いつでも利益処分ができるよう
になる、というふうに考えてください。それが一番わかりやすいですね。利益処分がなく なると言うと語弊があるので、期中において好きなときに利益処分ができます、というふ
うに考える。期中、随時に利益処分かできますよ、と。  先ほど、自己株式の取得が、定時株主総会でなくてもできるという話をしました。臨時 株主総会を開いて、随時に自己株式の取得をしてくださいと。自己株式を取得するという
ことは株主にお金を払うことですから、考え方としては配当と同じですね。それと同じ流 れで、配当についても、いつでも出してもいいですよ、期中、随時に臨時株主総会を開い
て配当決議をし、配当を出していただいても結構ですよということです。ということで、 利益処分は、決算に限った処理ではなくなるのです。  したがって、四半期配当と、切りよく四半期とは書いてありますけれども、月次配当で
も一向に構わないわけです。また、2ヵ月に1回とか、気が向いた月だけ配当するとか、 それはまったくの自由です。要するに、臨時株主総会を招集しなければいけないですが、
臨時株主総会の決議さえ得られれば、好きなときに、随時に配当ができるという話です。さらに突っ込んだお話をします と、利益処分の中身にはどのようなものがありますか。
たとえば、役員賞与を出すということ、配当を出すということと、それから貸借対照表の 利益剰余金のところに、○○積立金というのがありますネ。あれを取り崩したり、あるい
は積立てたりしていますよね。ああいう利益処分でやっている会計処理を、すべて期中でできるということです。臨時株 主総会さえ開けば、いつでもそういうことができるという
ことです。たとえ期中であっても、臨時株主総会の決議さえ得られれば、任意積立金や× ×積立金を取り崩すこともできるし、△△積立金に積み増すこともできる、あるいは配当
をすることもできるということになってくるわけです。期中随時にやってよい、それが大 きなポイントですね。  ただし、期中随時に配当を出しますというと、まだ決算を締めていないわけですから、
利益がないにもかかわらず配当をしてしまうことになると困りますね。会社の存続か危う くなることにもなりかねません。そこで、財源規制というものを設けています。それが巻
末の資料の41ページの図です。この図の内容は非常に難しいので、このような細かい計算 をして分配可能額を出すのだな、程度のことでよろしいかと思います。いずれにしろ、こ
のような形で債権者保護が図られることになっております。  ところで、この図で、一つだけ見ていただきたいところがあります。図の下から4行目 から2行目までのところ、臨時会計年度と書いてありますね。ちょっとマーカーでもして
いただけるとよいと思います。臨時会計年度ということですけれども、期中随時に臨時決 算を、別に、無理に組む必要はないですが、組みたければ組んでください、という話です。ここで勘違いしてはいけない
のですが、期中に臨時配当を出す場合には、必ず臨時決算も組まなければいけないのかというと、決してそうではないと いうことです。その辺のと ここで勘違いしてはいけないのですが、期中に臨時配当を出す場合には
の臨時配当と臨時決算とは別物です。だから、別に臨時決算を組まなくても配当は出せま す。当然、利益処分もできます。積立金の取崩しや積立てなど科目間の振替もできます。
ころ、勘違いしやすいので、頭の中できちんと整理しておいていただきたいですね それらは、臨時決算とは別物です。  確かに、臨時決算を組むと、分配可能額が増える可能性はあります。もちろん、利益が
出ていればの話ですが。臨時決算を組んだ結果、赤字になってしまいました。そうすると、 反対に、配当可能限度額は減ってしまいます。絶対もうかっているという自信がある人は、
どうぞ臨時決算を組んで、分配可能額を計算し直していただければよいのです。そうすわ ば、余分に配当が払えるかも知れません。ただ、余分に配当が払えるかも知れないという
ことだけであって、配当が払えないということではないのです。そこをちょっと切り分け ておいていただきたいと思います。  繰り返しますが、臨時決算と臨時配当とは違います。配当は別に臨時決算を組まなくて
も分配可能額の範囲内で出すことができます。でも、利益が出ているので分配可能額を膨 らませたいということであければ、臨時決算を組めば分配可能額は膨らみます。その分だ
け配当を払える枠が増えます。ただそれだけの違いですね。  このように、配当は決算時という考え方が、根底から崩れてくるわけですね。好きなと きに配当を出せる。それが可能になりますということです。

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