領収書を発行することに関して、いろいろな疑問をもたれる人もいるのではないでしょうか。
領収書に必要な記載事項は何なのかなどです。
その中の一つとして、収入印紙に関することです。
金額がいくらになると、収入印紙を貼る必要があるのかは、領収書を発行する側としては、確実に知っておきたい点ですよね。
また、金額だけでなく、もし、代金の支払い・受け取りが、銀行振り込みの場合でも、収入印紙が必要になるのかどうかというのはよく聞かれる疑問です。
そこで、ここでは、振込での代金支払いの場合でも、領収書に収入印紙が必要なのかどうか、ということについて、くわしく見ていきたいと思います。
目次
普段、お店などの少額の場合であっても、金銭とその対価をやりとりした際には、領収書を受け取るのが一般的ですよね。
この領収書に関して、発行の義務はあるのでしょうか。
この点について、民法には、以下のように定められています。
弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。
「民法第486条」
すなわち、民法上では、積極的に領収書を発行する必要はないけれども、要求された場合には、発行する必要があると定められています。
それでは、領収書にはどのような内容が記載される必要があるのでしょうか。
領収証が法的な効力を持つためには、以下の内容が記載されている必要があります。
これらが正しく記載されていれば、法的には、領収証の代わりにレシートでも、問題はありません。
それでは、どのような場合に収入印紙が必要になるのでしょうか。
領収書に必要な収入印紙の金額は、以下の通り定められています。
受取書の金額 | 印紙税額 |
5万円未満 | 非課税 |
5万円以上〜100万円未満 | 200円 |
100万円以上~200万円未満 | 400円 |
200万円以上~300万円未満 | 600円 |
300万円以上~500万円未満 | 1千円 |
500万円以上~1000万円未満 | 2千円 |
1000万円以上~2000万円未満 | 4千円 |
2000万円以上~3000万円未満 | 6千円 |
3000万円以上~5000万円未満 | 1万円 |
5000万円以上~1億円未満 | 2万円 |
1億円以上~2億円未満 | 4万円 |
2億円以上~3億円未満 | 6万円 |
3億円以上~5億円未満 | 10万円 |
5億円以上~10億円未満 | 15万円 |
10億円以上 | 20万円 |
金額の記載のないもの | 200円 |
領収書に収入印紙は、税抜で5万円以上の場合に必要となります。
領収書の発行が必要な場合や、収入印紙が必要となる金額は上記の通りとなります。
それでは、銀行振り込みの場合の領収書の発行については、どうなのでしょうか。
銀行振り込みでの代金を支払った場合には、振込の控えが発行されます。
その場合でも、領収書の発行は必要なのでしょうか。
この場合には、振込の記録が領収書の代わりとなるため、領収書の発行は不要です。
しかし、相手側から求められた場合には、現金でのやりとりの場合と同様に、発行する必要があります。
そうすると、税抜5万円以上の振り込みの場合に、領収書の発行を求められた場合には、収入印紙が必要になるのでしょうか。
この場合にも、収入印紙が必要となってしまいます。
銀行振込なので、収入印紙代がかからないと思っていたのに、領収書を要求されてしまい、結局、収入印紙が必要となるのは、損した気分になりますよね。
そのようなことを避けるために、「金融機関への振込書を領収書に代えさせて頂きます。」のように記載しておくと良いでしょう。
クレジットカードでの支払いの場合には、領収書を発行する必要はありません。
そのため、税抜5万円以上の取り引きに関しても、収入印紙を貼る必要もありません。
普段よく使用する、金銭の受け取りに関する領収証は、「印紙税額第17号文書」というものに該当し、印紙税の課税対象文書となります。
これに対し、クレジット販売の場合には、信用取引により商品を引き渡すものであり、金銭又は有価証券の受領事実がないため、第17号の1文書には該当しません。
そのため、代金の受領は支払った人とクレジットカード会社との取引となり、領収書を発行する必要はありません。
決済したときの利用控えを領収書にしてもらうのが良いでしょう。
上記で見てきたように、クレジット決済の場合には、領収書の発行、収入印紙を貼る必要はありません。
しかし、銀行振り込みの場合には、要求されると、領収書を発行する必要も、収入印紙を貼る必要もあります。
そのため、無駄な経費を使いたくない場合には、振込の場合には、領収書を発行しない旨を記載しておくことがポイントとなりますね(^^)