働く女性が妊娠し、出産・育児を行う場合には、産休や育休を取得することができます。
これは、民間の会社で働く場合だけではなく、公務員の場合でも同様です。
しかし、民間企業と公務員では、いろいろと制度も異なります。
そのため、公務員の人は、育休を取得する際には、どれくらいの期間なのか、その間の給料はどうなるのかということが不安ですよね^^;
そこで、ここでは、公務員の場合、育休中の給料はもらえるのかということについて、くわしく見ていきたいと思います。
目次
育休というのは、出産後に、育児のために取得する休業期間です。
育休の前には、まず、産休を取得することになります。
公務員の場合の産休と育休のそれぞれの取得期間について、見ていきたいと思います。
公務員の場合には、産休の取得期間は、産前休業・産後休業のいずれも8週間となります。
民間企業の場合には、労働基準法で、産前休業は6週間、産後休業は8週間と定められています。
そのため、公務員の場合、産前休業が2週間早く取得できることになります。
公務員の育児休業に関しては、国家公務員・地方公務員ともに法律で定められています。
そして、公務員の場合の育休期間は、産後から子どもが3歳の誕生日を迎える前日までと定められています。
そのため、産後から最大で3年間の育休を取得することができます。
公務員の産休の期間は、男女ともに3年間となっています。
民間企業では、育休の期間は、原則として、産後1年までとされています。
ただし、条件を満たした場合には、最大で2年まで延長できます。
それに対して、公務員の場合には、3年なので、ずいぶん、長い期間となります。
公務員の場合には、民間の会社で働いている人よりも、産休・育休の期間を長く取得することができますが、この期間の給料については、どうなるのでしょうか。
公務員の場合、民間企業の場合より、産休と育休を長く取得できることになります。
それでは、その期間の公務員の産休育休期間の給料について、くわしく見ていきたいと思います。
公務員の場合、産休中には、給与は満額支給されます。
ただし、通勤手当や残業手当については支給されません。
また、産休中に賞与の支給がある場合にも、基本的には満額支給されます。
公務員のボーナスというのは、支給日(6月1日、12月1日)の前の6ヶ月間の勤務状況に基づいて計算されます。
そのため、その間の欠勤日数が30日以内であれば、ボーナス査定には影響しません。
ですので、産休期間にボーナスの査定期間が含まれなければ、基本的に、ボーナスは満額支給されます。
これに対して、基本的には、民間の会社では、産休中には、給料は支払われません。
その代わり、民間の会社に勤めていて、健康保険に加入している場合には、産休手当(出産手当金)を受給することができます。
公務員の場合、産休中は給料の支給がありますが、育休中には給料の支給がありません。
ボーナスに関しては、支給日以前の6ヶ月間の勤務実績があると満額支給されます。
そのため、育休中の最初のボーナスはもらえますが、その次のボーナスは6ヶ月間休業していることになるため、もらうことはできません。
それでは、公務員の場合、この育休中の生活に関しては、何らかのお金を受給することができるのでしょうか。
公務員の場合には、育休を取得した際に、給料の代わりに共済組合から、育児休業手当金というものが支給されます。
民間企業に勤めている人の場合は、雇用保険から育児休業給付金というものが支給されます
公務員は、雇用保険に加入できませんので、共済組合から育休中の手当が支払われることになります。
それでは、給料の代わりに支給される育児休業手当金は、いくらもらえるのでしょうか。
育休開始から180日間と、その後で支給額が以下のように異なります。
と定められています。
この支給額を求める基準となる標準報酬日額とは、標準報酬月額を22分の1した額のことになります。
標準報酬月額とは、支給開始開始日以前の連続した12か月間の平均報酬金額のことです。
ただし、この育児休業手当金は支給額の上限が決まっています。
育児休業手当金は非課税ですので、すべて手取りとなります。
公務員が育休を取得できるのは最大3年間ですが、育児休業手当金がもらえる期間は1年間となります。
原則、2年目以降は手当が支給されません。
そのため、2年目以降は、仕事に復帰するか、無給の状態で育休を継続するのかを選択することになります。
公務員の育休は、最大で3年間取得することができますが、結局、2年目以降は育児休業手当金の支給はないため、多くの人は1年間で復帰しているのが現状となっています。
ただし、原則1年間ですが、育児休業手当金の支給期間を延長できる場合もあります。
パパ・ママ育休プラス制度というものを利用すると、1年2ヶ月まで育児休業手当の支給期間を延長することができます。
パパ・ママ育休プラス制度の利用するための条件とは、夫婦ともに育児休業することです。
この制度を利用した場合には、2ヶ月分多く手当をもらえることになります。
パパ・ママ育休プラス制度は、民間企業に勤めている場合にも利用することができます。
さらに長く延長できる場合があります。
保育園に入園を希望しているのに入園できない場合には、1年6ヶ月まで、育児休業手当金が支給されます。
そして、子どもが1歳6ヶ月になっても、保育園に入園できない場合には、さらに2歳まで延長することが可能となります。
公務員の育休期間は、最大で3年間となります。
ただし、育児休業手当金の支給は、原則、1年間となりますので、2年目以降は、育児休業手当金の延長ができていない場合には、無収入となってしまいます。
その期間に、これまでの貯金や児童手当、夫の給料で十分に生活が可能なのであれば、公務員であることのメリットを活かして、3年間休業するのも良いでしょう。
むしろ、心配なのは、3年間も休業した後に、職場に復帰することが可能なのかどうかというところですよね。
しかし、民間の企業と違って、公務員の場合には、3~4年に1回、人事異動が行われるのが一般的です。
そのため、人間関係でいうと、3年後に職場に復帰した際には、部署の人間がほとんど入れ替わってしまっているということも多いようです。
また、現在では、以前と違い、産休や育休取得への理解が高まってきているため、当然の権利として取得することは、何ら問題ないのではないでしょうか。