雇用形態には、正社員と非正規雇用の2つがあります。
それぞれの雇用形態にはどのような特徴があるのか、社会常識として知っていて当然と言われるものですが、意外とわからないものですよね(^^;
しかし、就職・転職活動を行う際には、自分の働き方に沿った雇用形態を選びたいものです。
そのためには、正社員と非正規雇用のメリットとデメリットをしっかりと把握しておくことが重要となります。
ここでは、正社員と非正規雇用のメリットとデメリットについて、詳しく解説していきたいと思います。
また、労働者側だけではなく、企業側の正社員と非正規雇用のメリットとデメリットについても見ていきましょう。
目次
正社員のメリットとデメリットについては聞く機会が多いと思いますが、非正規雇用のメリットとデメリットについてはあまり聞きませんよね。
安定した収入を得られるというメリットが大きいため、正社員として採用されることを希望する人が多いと思います。
非正規雇用の場合は確かに収入面で見るとデメリットが大きいような気がしますが、働く勤務地や時間について調整が利きやすいというメリットもあります。
自分のライフプランに合わせて働くのであれば、それぞれの雇用形態について、労働者側のメリットとデメリットはしっかりと把握しておく必要があります。
また、企業側にとっては、非正規雇用として雇用する方がメリットが大きいようなイメージがありますが、意外と不利益につながることもあります。
そのため、どちらか一方が損をしないためにも、労働者側と企業側のメリットとデメリットをそれぞれ理解した上で、双方が歩み寄った働き方・雇用方法を考えることが重要となります。
正社員雇用の特徴とは、以下の通りです。
正社員雇用の場合は、就職した会社で、フルタイムで定年まで雇用期間を定めずにずっと働くことができます。
また、毎月支払われる給与が安定しており、手当や賞与などがもらえる制度もあるほか、年齢とともに給料が上がるといった制度もあるのが特徴です。
正社員雇用の特徴とは、以下の通りです。
アルバイト・パートは、正社員とは異なり、短い時間で働くことが可能になるほか、給与も時給換算になるのが特徴です。
派遣社員は、派遣元会社と雇用契約を行い、会社に派遣された先で派遣先の指示に従って働く形態のことをいいます。
一方、契約社員は、あらかじめ雇用期間が定められており、更新をしない限りは、雇用期間が終われば労働契約が自動的に終了することをいいます。
また、上記の雇用形態以外にも、嘱託社員、臨時社員、在宅ワーカー、有期雇用契約、日々派遣労働などがあります。
労働者側が正社員として雇用される場合のメリットには、以下のものがあります。
正社員雇用の場合は、安定した収入が得られるほか、手当や賞与、退職金制度があるなど、待遇が良いのが特徴です。
福利厚生や保険制度が充実していたり、雇用期間が定められていないため、安心して働き続けることができるというメリットがあります。
また、出産・育児のために休職した場合でも職場復帰することが可能なため、「就職できなかったらどうしよう」という不安がなく、ライフプランを立てやすくなるのもメリットといえます。
労働者側が非正規として雇用される場合のメリットには、以下のものがあります。
正社員と比べると、職種や勤務地、労働時間などの希望を選ぶことができるなど、自分のライフスタイルと適性に合わせて働くことができます。
また、仕事に対して負う責任が軽くて済むこと、面接が通りやすく、すぐに働くことができるなどのメリットもあるのが特徴です。
企業側が正社員として雇用する場合のメリットには、以下のものがあります。
正社員雇用する場合には、労働者側のメリットが大きいため、企業側にはメリットが少ないように感じますよね。
企業側がコストをかけている分、十分な時間をかけて人材を育成することができるほか、人材の基盤が強化され、結果として、企業業績の向上につなげることができます。
また、非正規雇用では仕事の業務範囲が狭いため、緊急時には人材を確保することが厳しくなりますが、正社員雇用では異なる業務を任せたとしても、臨機応変に対応することが可能になります。
企業側が非正規として雇用する場合のメリットには、以下のものがあります。
非正規雇用の場合には、正社員雇用よりも低い賃金で雇用することができるほか、手当や賞与、退職金制度などを用意する必要はありません。
また、繁忙期や閑散期に必要な人材を必要なだけ配置することができたり、即戦力となる人材をピンポイントで配置することも可能になります。
労働者側が正社員として雇用される場合のデメリットには、以下のものがあります。
正社員として雇用された場合には、基本的にはフルタイムで勤務する必要があります。
しかし、最近では、正社員よりも短時間で働き、賃金も普通の正社員を基準に定められるといった「短期間正社員」という制度も出てきているのが特徴です。
また、就業規則上に転勤の旨が記載されている場合には、業務命令として人事異動が命じられることがあるほか、業務範囲の変更が命じられることがあります。
他にも、担当する業務範囲の広さや業務量の多さによって、残業が発生するリスクも多いため、心身の負担が多くなるのも特徴です。
労働者側が非正規として雇用される場合のデメリットには、以下のものがあります。
正社員とは異なり、非正規雇用の場合は、雇用や給与が安定しにくいほか、手当や賞与、退職金などを受け取れないなど、賃金や制度面でのデメリットが大きいのが特徴です。
また、福利厚生や保険制度を充分に活用することが難しいほか、職場での地位が低いままで、昇給や昇進を受けることもないため、安定性を得ることは難しいといえます。
企業側が正社員として雇用する場合のデメリットには、以下のものがあります。
企業側が正社員を雇用する目的は、会社の存続と発展を図ることです。
一度、正社員として雇用すると、労働者の権利を保障する義務も発生するため、よほどの理由がない限りは、簡単には解雇することができません。
また、人材育成に時間とお金がかかるほか、福利厚生や保険制度の保険料負担が大きいため、賃金や制度面ではデメリットが大きいといえるでしょう。
企業側が非正規として雇用する場合のデメリットには、以下のものがあります。
非正規雇用の場合は、正社員よりも低賃金で雇用することができるのが大きいメリットといえますが、人材を育成することができず、すぐに辞められるリスクもあるため、責任のある仕事を任せることができないのが特徴です。
また、会社に対する責任感を育むことが難しいため、仕事への意識が低く、作業効率が低下する可能性も考慮する必要があるので注意しましょう。
2020年4月1日から、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(略して、パートタイム・有期雇用労働法)の施行が決定されました。
この法律は、正社員と非正規雇用に関わらず、同じ待遇を受けることを定めるように規定したものであり、不条理な待遇差の解消を目指しています。
この法律に違反している事業主は行政指導を受けることになり、早急な対応と問題の改善が求められるので注意しましょう。
労働者にとっても、企業にとっても、雇用形態によってメリットとデメリットがあります。
労働者にとっては、ライフスタイルに合わせた働き方を望むのかによって、自分に合った雇用形態を選ぶようにしたいですよね。
また、企業にとっては、企業の経営や雇用状況に適した雇用形態で働いてもらうことができた方がメリットが大きくなります。
上記を参考に、正社員と非正規雇用のメリットとデメリットをしっかりと理解した上で、双方に適した雇用形態で働けるようにしたいですね(^^♪