会社に働いていると、今の部署は自分には合わないんじゃないか、などと感じてしまうことがあると思います。
そんな時は、思い切って転職するという選択肢もありますが、いくつか部署がある場合には、部署を異動するのも一つの選択肢です。
会社から不本意な人事異動を命じられるよりは、自分の望む部署などに異動できるように希望を出すほうが、今後の仕事への取り組みも良くなるのではないでしょうか。
他の部署に異動したいという意思を伝える時に異動願いを提出しますが、初めて提出する時には書き方がわからないですよね。
異動願いを作成する時には、事前に確認するポイントや、異動願いの書き方やマナーに気を付けて作成する必要があります。
ここでは、実際に作成する時に役立つ異動願いの書き方を文例でご紹介します。
また、転勤を希望する場合に記載する理由についても、詳しく見ていきたいと思います。
目次
異動願いを作成する前に、注意しておきたいポイントがあります。
それでは、それぞれについて順に見ていきましょう。
まず、会社によっては、従業員が自分の働く場所を決定することができる人事制度を設けている場合があります。
具体的には、以下のような制度です。
それぞれの制度について、異動願いの申請方法などが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
また、異動の理由が自分勝手な理由でないか、作成する前に改めて確認しておきましょう。
特に、人間関係が原因の異動である場合には、会社側で「違う部署に行っても、また同じ理由で異動願いを出すのではないか」と判断される可能性もあります。
確実に異動したいと考えている場合には、できるだけ前向きな理由を選ぶようにしましょう。
中には、日頃の勤務態度や業務成績などによって、異動を受け入れるかどうかの判断材料にされる場合もあります。
異動願いを提出するからといって、今の仕事を投げやりにしていると、上司や同僚からの評価はもちろん下がりますし、部署のモチベーションも下げてしまうことになりかねません。
異動先の方に一緒に仕事をしたいと思ってもらえるようにするためにも、今の仕事を投げやりにせず、前向きな姿勢で意欲的に取り組むことが重要です。
異動願いが必要かどうかは、実は、企業によって異なります。
書類として提出する方法の他に、書類作成をせずに口答のみで伝える方法や、人事部との面談を設けて希望を伝える方法などがあります。
ここでは、書類として提出する必要がある場合の、異動願いの書き方と理由について、詳しく見ていきたいと思います。
会社に既定の書式がある場合には、それを使用して異動願いを作成しましょう。
会社に既定の書式がない場合には、自分で作成する必要があります。
使用する紙の種類や大きさは定められてはいませんが、A4サイズの用紙にワードで作成すると良いでしょう。
中には、異動願いを手書きで作成する人もいるようですが、会社に提出する重要書類の一つとなるので、必ず、ワードを用いて作成してください。
作成した異動願いは、そのままの状態で渡すところもあれば、封筒に入れて渡すところもあるので、必要な提出方法を確認しておきましょう。
また、異動願いが必要かどうかは、会社の就業規則に記載されているかどうかを確認することで作成が必要かどうかを判断することができます。
そもそもとして、会社の就業規則に記載されていない場合には、異動願いを提出することはできないので、事前に確認しておくことが重要です。
異動願いを提出する理由には、以下のようなものが挙げられます。
これらの理由は、下にいけばいくほど異動願いが受理されやすいものになります。
特に、人間関係や結婚、家族、上司などは、異動願いを提出する理由がネガティブなものになりやすく、なぜ今の部署ではいけないのかを説明する必要が出てきます。
それに対して、体調不良やうつなどは、自分の意思だけではどうにもならない面も多く、具体的にどこが悪いのか、仕事への悪影響はどんなものなのかを述べた上で、病院からの診断書と一緒に提出すると受理されやすいのが特徴です。
そのため、結婚や家族を理由としている場合には、どのように環境に悪影響が出るのか、それが仕事に悪影響を及ぼすものであるのか、体調面の変化などについても説明するようにすると、受理されやすくなります。
また、人間関係が理由であるものであっても、陰湿ないじめや、パワハラなどのハラスメントが背景にある場合には、被害を受けていた証拠を一緒に提出できると受理されやすくなります。
ただ単に、上司と折り合いが合わないから、人間関係がうまくいかないからといった理由だけでは受理されにくいのが現状です。
この場合には、「今後の仕事への熱意」や「今まで以上に自分を成長させたい」などの前向きな理由を記載するようにすると良いでしょう。
異動願いを書く時に必要になる項目は、以下の通りです。
それぞれの書き方について、下記を参考に解説していきます。
提出日、提出先の宛名(上司の氏名、もしくは、人事部長殿)、自分の所属部署および氏名を記入し、捺印します。
この時、捺印する印鑑はシャチハタではなく、朱肉が必要になる印鑑を用いましょう。
件名は中央に配置して、大きめの文字で「異動願」と記載しましょう。
その次の行には、異動したい旨を主文として簡潔に記載します。
現在、所属している部署と勤めている期間について記載します。
会社によっては、一つの部署に長く留まらせることを避ける場合もあるので、異動させるかどうかを判断する材料となることもあります。
希望したい異動先を記載します。
異動したい時期は、会社の繁忙期や、決算期である年度頭・年度末は避けた時期を記載するようにしましょう。
下記で詳しく解説しますが、異動を希望する時期から1ヶ月前までには異動願いを提出する必要があるので、注意しましょう。
異動を希望する理由として最も多いものは、仕事内容に関する理由です。
仕事内容に関する理由は、組織への貢献意欲がどれほどのものであるのかが重視されるため、ここがしっかり説明できていると、受理される可能性が高くなります。
また、現在の部署でどのような成果を出したのかについても具体的に説明することができると、より説得力が増します。
最も、波風を立てることなく異動願いを提出することができるので、異動希望の根本の理由が人間関係などである場合にも活用しやすい理由といえます。
それでは、異動願いを提出する時に使える理由別の文例について、ご紹介します。
ここまで、詳しく解説してきましたが、会社で既定の書式がない場合には、上記の項目を満たしていれば、独自に作成しても問題はありません。
異動希望理由については、上記に挙げたものを参考に、文章を作成すると良いでしょう。
また、信頼できる上司がいる場合には、異動したい旨を相談して、書いた理由が受理されるものであるのか、内容に問題はないかどうかを確認してもらうようにすると、より安心です。
異動願いを提出する場合には、事前に直属の上司に報告および相談をしておきましょう。
直属の上司ではなく、上司よりも上の立場の人や、人事部や総務部宛に提出してしまうと、上司との関係性が悪化してしまう可能性があります。
そのため、直属の上司との関係性が構築されていなくても、勇気を振り絞って直属の上司を通すことが重要です。
異動願いを提出するタイミングは、会社で人事異動が行われるタイミングを狙いましょう。
異動願いに記載する、異動の希望時期を人事異動の時期に合わせて記載しておけば、受理された場合にスムーズに希望を聞き入れてもらいやすくなります。
また、異動願いは、異動を希望している時期の最低1ヶ月前には提出する必要があります。
そのため、会社で人事異動が行われる1ヶ月前までに異動願いを提出することができると、タイミングとしてはベストだといえます。
どうしても早急に伝えなければならない場合を除いて、会社の繁忙期や年度頭・年度末は避けるようにしましょう。
異動願いを提出する場合には、様々な理由がありますよね。
特に、人間関係や結婚、家族、上司などが理由である場合には、基本的には異動願いが受理されにくい傾向にあります。
しかし、上司や同僚などの人間関係が原因である場合には、そのまま書いてしまうのではなく、「自分のスキルを向上させたい」などの前向きな理由にシフトして書くようにすると、受理されやすくなります。
このように、異動希望理由も工夫して書くようにすれば、異動願いが受理される可能性も高くなります。
また、異動願いを提出したことがある上司や先輩に相談して、受理されやすい理由の書き方などについてアドバイスをもらうのも一つの手段かもしれませんね。
異動願いを受理してもらうためにも、上記を参考に、異動願いの書き方やマナーなどを確認して作成するようにしましょう(^^♪