7月と12月の年2回、賞与(ボーナス)が支給される会社が多いのではないかと思います。
そして、この賞与ですが、給与と同様に、もちろん、社会保険料・雇用保険料・所得税などが、天引きされたうえで支給されます。
しかし、社会保険料や所得税の控除の方法が、毎月の給料の際とは、少し異なります。
賞与に対する社会保険料については、計算方法だけでなく、上限もあるので注意が必要です。
また、賞与に対する所得税は、基本的には、前月分の給与をもとにするという計算方法を行います。
しかし、前月分の給与がなしの場合や、前月給与に対して、賞与が何倍にもある場合などといった、特殊な場合にはどうなるのでしょうか。
そこで、ここでは、賞与に対する所得税の計算方法について見ていきたいと思います。
また、前月給与なしの場合など特殊な場合も解説していきます。
賞与とは?賞与に対する所得税は?
賞与とは?
賞与とは、毎月、定期的に支払われる給与とは異なり、賞与・ボーナス・夏季手当・冬季手当・年末手当・期末手当などの名目で支給されるものなどを言います。
- 賞与
- ボーナス
- 夏季手当
- 冬季手当
- 年末手当
- 期末手当
- あらかじめ支給額や支給基準の定めのないもの
上記の例のように、賞与とは、毎月支払われる給与とは別に、臨時で支給されるもののことを意味しています。
ただし、年に4回以上支給されるものは給与とみなされます。
賞与に対する所得税の計算方法は?
そして、この賞与に対して、源泉徴収する所得税及び復興特別所得税は、毎月の給与とは異なり、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(別表第4)」をもとに計算します。
- 前月の給与から社会保険料等を差し引きます。
- 1.の金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(別表第4)」に当てはめて税率(賞与の金額に乗ずべき率)を求めます。
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合は甲欄、提出していない場合は乙欄の金額や率を使用します。
- 賞与から社会保険料等を差し引いた金額に上記2.の税率を乗じて計算した金額が、賞与から源泉徴収する税額になります。
1円未満の端数は切り捨て処理します。
これが基本的な賞与から所得税を計算する方法となります。
しかし、前月分の給与がない場合にはどうなるのでしょうか。
前月給与がない場合にはどうする?
賞与に対する所得税の計算方法は、基本的には、上記の方法で行います。
しかし、特殊なケースというのが2つあります。
以下の2つの場合は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(別表第4)」ではなく、「給与所得の源泉徴収税額表の月額表」を用いて計算します。
- 前月の給与がない場合や前月の給与の金額が前月の社会保険料等の金額以下である場合
- 賞与の金額が、社会保険料等の金額を控除した前月の給与の金額の10倍を超える場合
これらの場合には、通常とは異なる方法を用いて、賞与に対する所得税の計算を行います。
前月の給与がない場合や前月の給与の金額が前月の社会保険料等の金額以下である場合
- 賞与から社会保険料等を差し引いた金額を6で除します。
- 1.の金額を「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に当てはめて税額を求めます。
- 2.の金額を6倍した金額を賞与から源泉徴収します。
賞与の金額が、社会保険料等の金額を控除した前月の給与の金額の10倍を超える場合
- 賞与から社会保険料等を差し引いた金額を6で除します。
- 1.の金額に前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額を加算します。
- 2.の金額を「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」に当てはめて税額を求めます。
- 3.の金額から前月の給与に対する源泉徴収税額を控除します。
- 4.の金額を6倍した金額を賞与から源泉徴収します。
一般的には、前月給与の10倍の賞与が支給されるのというは、あまり起こらないケースかもしれません。
しかし、前月、月途中入社で、社会保険料を満額控除したことによって、支給額がマイナスになってしまうということは考えられますよね。
また、賞与の支給月から入社し、前月給与がないけれども、寸志程度の賞与が支給されるというのもあり得るのではないでしょうか。
賞与の支払いは通常と異なる点に注意しましょう!
賞与を支払う際にも、社会保険料や所得税などを控除しなければいけません。
社会保険料の計算方法も、所得税の計算方法も、通常とは異なりますので、注意が必要となります。
また、その中でも、所得税の場合には、前月給与がない場合や前月10倍以上の賞与の支給の場合には、さらに異なる方法を行うので、注意しなければいけませんね。
そして、賞与を支給した場合には、被保険者賞与支払届というものを提出しなければいけませんので忘れないようにしましょう。
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